- はじめに
- 「専手必笑」で荒れを防ごう
- 序章 クラスの“荒れのサイン”を見逃すな!
- 1 「専手必笑」の学級経営を!
- 2 子どもの言動には,理由がある!
- 3 学級経営におけるヒヤリ・ハットとは
- 4 荒れを防ぐための,「ヒヤリ・ハット マンダラチャート」
- 第1章 崩壊確定のヒヤリ・ハット 超基本編
- 1 教室内のごみは放置し,落し物も拾わずにいる
- 2 子どもや教室,学校のことに無関心でいる
- 3 授業時間中のトイレや保健室は自由に行かせている
- 4 チャイムが鳴っても授業を始めず,チャイムが鳴っても授業を終わらない
- 5 子どもが言うことを聞かないときは,大声で怒鳴っている
- 6 子どもに言ったことをころころと変えている
- 7 子どもにとって理不尽な対応をしている
- 8 子どもの能力を伸ばすことを第一に考えていない
- 9 できる子とできない子の対応に差がある
- 10 子どもたちの前で,ローテンションで過ごしている
- 第2章 学級経営ヒヤリ・ハット 子どもの姿編
- 1 子どもたち同士が机を離している
- 2 起きなくてもよいけがが多い
- 3 授業が始まって5分が経っても座席にいない子が複数いる
- 4 子どもたちの物が隠されたり,なくなったりする
- 5 学習活動で間違えた子どもに対して,馬鹿にしたり,差別したりする雰囲気がある
- 6 「でも」「だって」「どうせ」の言葉を子どもたちがよく使う
- 7 子どもたち同士が悪口を言ったり,ネガティブな手紙交換があったりする
- 8 「きもい」「むかつく」「殺す」「死ね」などの言葉をよく使う
- 9 授業中に,トイレや保健室へ複数人で行こうとする
- 10 授業中の私語が多く,静かに活動する時間が5分も続かない
- 11 教室や教具などを粗雑に扱っている,または,物を投げたり,壊したりしている
- 12 授業に必要なものをわざと持ってこない,または,忘れ物をしても平気でいる
- 13 授業中に子どもたち同士で目配せをしている
- 14 ガラスが頻繁に割れる
- 15 何かを前向きに取り組もうと言うと,即座に反対意見が複数挙がる
- 16 悪いことに対して子ども同士の注意がない
- 17 教師の悪口を言っている
- 18 先生の指示に対して,素直に従わなかったり,無視したりする
- 19 殴り合いのけんかを先生の前でする
- 20 注意をしても,聞き流したり反抗したりする
- 第3章 学級経営ヒヤリ・ハット 教室環境編
- 1 机の並びや中身が乱れている
- 2 机,椅子の脚元のキャップが外れ,がたついている
- 3 机の横にたくさんのものが提げられている
- 4 前面黒板が伝言板のように使われ,なんでもかんでも書かれている
- 5 前面黒板周辺に,ポスターや標語が貼られ,雑然としている
- 6 テレビ棚の中が整理されていないまま放置されている
- 7 その日の予定がどこにも提示されていない
- 8 掲示されている目標が抽象的である
- 9 掲示物の旬が合っておらず,情報がまったく更新されていない
- 10 教師の机や棚などが整理されていない
- 11 持ち物が整理できないのを子どもたちのせいにして対策していない
- 12 床に落ちているごみが,いつまでもそのままになっている
- 13 学校やクラスで決めたルールが否定文の状態で掲示されている
- 第4章 学級経営ヒヤリ・ハット 教師自身編
- 1 荒っぽい言葉を使ったり,だらしない服装で過ごしたりしている
- 2 笑顔のない指導,笑いのない授業をしている
- 3 よく注意したり,怒ったりしていて,その後のフォローもない
- 4 子どもに怖がられている
- 5 子どもが勝手に教室を飛び出しても仕方がないと割り切りそのままにしている
- 6 理由を聞かずに,頭ごなしに怒る
- 7 授業を淡々と進めることをよしとしている
- 8 教材や授業に関する質問を職員室内でよくしている
- 9 「ちゃんと」「しっかり」「きちんと」「静かに」「うるさい」「聞いてるの」とよく言う
- 10 指導法は,「これが一番」と決めている
- 11 子どもの学力が定着しないのは,子どもの努力が足りないからと考えている
- 12 ユニバーサルデザイン化のために,工夫を凝らし過ぎている
- おわりに
はじめに
「専手必笑」で荒れを防ごう
「専手必笑」。これは,私の造語です。
専門性のある千の手立てで,文字通り,先手必勝。
そのために,笑顔は,必須条件!
「専門的な手立てで,必ずみんな笑顔になる!」
まさに各校で,「専手必笑」できるように,学級づくりについて考えてみました。全国では,「学級がうまく機能しない状況」,つまり,「学級崩壊」してしまっている状況の話をよく耳にします。私の周囲にも,病休,退職。あってはいけないのですが,自らの命を絶ってしまった友人もいます。学級が機能しなくなる状態からの立ち直りに,この本は,少ししか役に立たないかもしれません。学級担任や関わっている先生方が,あれっ,大丈夫かな?と思う少し前に手に取っていただき,確認してもらうための本にしています。
そこで,それぞれの項目をチェックリスト化して,各章にまとめさせていただきました。各章において,私の成功例だけではなく,失敗談も含めて,対策とポイントを綴らせてもらっています。
第1章 超基本編では,もうこの状況になってしまっているならば,学級が崩れてしまってますよ,ということを項目に起こしています。年度や学期の始めごとに確認してもらっても良いでしょう。
第2章 子どもの姿編では,学級担任や子どもと関わる先生方が,子どもの姿を通して感じ取ることのできることを項目にしてまとめました。「子どもは教師の鏡」という言葉があります。子どもの姿を通して,学級経営を捉え直すことができることでしょう。
第3章 教室環境編では,学校環境のハード面を中心に綴らせてもらっています。こちらは,すぐに整え直しができますので,学級経営に少しお困りの先生は,この章から取り組むことをお勧めします。
第4章 教師自身編では,まさに教師自身の姿について見つめ直してみます。なかなか自分のことを振り返ることには勇気が要るのですが,これだけは,と思うことを項目にして,まとめてみました。
読み進めていただくと,「あれも,項目に入ってくるんじゃないかなあ」と感じられることがあるでしょう。私は,全国にいる先生方ごとに,各々のチェックリストがあると考えています。所変われば,教師のスタイルも違います。このあたりは,拙著を参考にしてもらって,新たにつくってみることもいいのではないかと考えています。
私は現在,教頭職をしています。この本を手に取られた管理職の方々,校内研修や校内通信などで,学級経営について担任の先生方にお伝えするときの参考資料にしてもらえると嬉しいです。見開き1ページを1項目にしていますので,参考にお使いください。
また私は,全国から,「学級がうまく機能しない状況」をなくしたいと考えています。この3年間でのべ40校弱の小学校の校内研修や授業参観,学年研修に入らせてもらいました。「私にできることをしたい!」と常に考えています。そのお力の一部に,本書を加えていただけると幸いです。
2021年6月 /関田 聖和
「教室環境」と「教師自身」の章は、なるほどと感じるところがありました。中には「ヒヤリ・ハット」というレベルで無いものもありましたが、それに気づかない精神状態になる事もあるなと思いました。
内容はあくまでも筆者の感想だとは思いますが、参考に出来る事が沢山あると思います。
突然説明もなしに、ドラゴンボール超やワンピースの例えが出て来るので、先にそれらを読んでおく方が良いと思います。