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イントロダクション
小2担任の学級経営 4つの鉄則
京都市立桂坂小学校 /森岡 健太
1 学びに楽しさのスパイスを足す
低学年の子どもにとって,授業の45分間を集中し続けるというのは,かなり難しいことです。集中力を持続できるように声かけをして,集中力そのものを育てていくことも大切なのですが,学びに楽しさのスパイスを足していき,集中力が続くようにするのも,教師としての大切な役割になってきます。
例えば,授業にパペットを使うというのはどうでしょうか。1年生のときと違い,2年生だと「もう,人形(パペット)なんて子どもっぽい!」という反応をしながらも,子どもたちは大喜びでのってきます。私は,算数の時間にアシスタントとしてパペットを登場させます。よくある教育技術として,「教師がわざと間違えて,子どもにそこを指摘させる」というものがあります。ですが,2年生ともなると,「先生,答えわかってるんじゃないの?」といったツッコミがくるのです。そこで,パペットにわざと間違ってもらい,子どもにツッコミをしてもらうという手法を取ります。教師である自分も「だよね。間違ってると思った!」と子どもたちと一緒にツッコミながら,授業中のコミュニケーションを楽しんでいきます。
他には,ノートを書くときにも楽しさのスパイスを足す工夫をします。算数など,問題を解く授業のときには,時間差が生まれることがあります。早く問題を解き終えた子は手持ち無沙汰になり,「待ち」の時間になってしまいます。そこで,ノートにオリジナルキャラクターをかいて,そのキャラクターに問題を解くときのポイントをしゃべらせてあげるということをします。キャラクターは,鉛筆や消しゴムなどを元にした,サッとかけるものにしておきます。この方法により,ノートを楽しくまとめると同時に,ポイントを自分で考えて書く力も養うことができます。
2 愛のある児童理解を目指す
低学年の子どもにとって,教師は大きな存在です。教師がその子のことを承認して,やる気を引き出せば子どもの力はどんどん伸びていきますし,逆に教師が大きな声で叱ったら,萎縮して泣いてしまう子もたくさんいます。こういうことを頭の片隅に置いて,愛のある児童理解を目指して接していきます。
例えば,子どもが毎日のように連続して忘れ物をしてきたら,皆さんは,どのような気持ちになりますか。正直に言うと,私もそのような状況が続いたときにイライラしたことがあります。ですが,「こらっ! なんで何回も忘れてくるの?」と叱ったところで,その子の忘れ物は減るでしょうか。答えはNoですよね。「忘れ物をした」という事実に目を向けるよりも,「なぜ忘れ物をしてしまったのだろう」という原因やその子の生活している背景に目を向けた方が改善に結びつきます。
そのためには,愛のある児童理解が必要です。もしかしたら,その子は生活リズムが乱れていて,準備の時間を前日に確保できていないのかもしれません。また,何かしらの特性があって1人で準備するのが難しいのかもしれません。低学年の準備物はある程度保護者のサポートが必要なところがあるので,そのサポートが不足している可能性も考えられます。
「愛のある」という言葉は,マザーテレサの名言を連想させます。彼女は「愛の反対は憎しみではなく,無関心である」と語っています。教師がその子に関心をもって理解しようとすることは,最大限の愛なのです。これは学年を問わず大切なことなのですが,特に低学年の場合は,自分の思いを言語化するのが難しいので,教師から子どもたちの話に耳を傾けたり,様子を観察したりして,その子のことを知ろうとすることが大切になってきます。
3 肯定的フィードバックでやる気を引き起こす
低学年の担任をしているとよく見かけるのが,文字のお直しをして,ノートが真っ赤になっているというケースです。これは,担任がその子の書く字の形が整うことを望んで,赤を入れていると考えられます。
しかし,低学年は学習の入門期ということも考えると,この方法は勉強嫌いを生み出すリスクもあるのではないでしょうか。もちろん,お直しで字形が美しく整う子もいることでしょう。ですが,勉強嫌いになるリスクの方が大きいように感じます。お直しが厳し過ぎると,保護者から「宿題が嫌で泣きながらやっています」といった声を耳にすることがあります。
こうならないために気をつけているのが,肯定的なフィードバックを行うということです。私は,字が間違っていない限り,できるだけ赤を入れません。その代わりに,肯定的なフィードバックを行います。
例えば,ノートの中で特に字形が整っていると思う文字3つほどに花まるをつけていきます。そして,ノートのすきまに「すごい! 今日の『刀』という字,かっこいい!」などとコメントをします。もちろん,全員にコメントを書くことは難しいので,4〜5人に書いていきます。1日に書くのが5人だとしても,1週間あればおおよそクラスの全員にコメントを書くことができるからです。
また,コメントを入れないときには,給食の待ち時間に呼び出して,肯定的な声かけをします。「今日の宿題の字だけどね,やるのにどれくらいかかったの? とてもきれいに書いているからびっくりしちゃった」と,このように,肯定的なフィードバックを行いながら,やりとりを楽しんでいきます。肯定的なフィードバックを続けていくと,不思議なもので,子どもたちの字も徐々にきれいになってきます。何よりも,やりとりをして信頼関係を築けているところに肯定的なフィードバックをすることの価値を感じています。
4 双方向でのコミュニケーションの場を整える
2年生の子にありがちなのが,自分の思いを伝えることはできるけれど,相手の思いを受け止めるのが苦手ということです。
相手が話しているのに,聞き手の子が上の空という場面は多々見受けられます。そこで,双方向で伝え合う「コミュニケーションの場」を整えていくことを大切にします。
例えば,朝の会の際に「ミニトークタイム」を入れるということをやっていきます。トークテーマは「好きな色は何?」「好きな食べ物は何?」など,簡単なものからスタートします。
ここで,ポイントがあります。それは,「ゲーム要素」を取り入れるということです。例えば,「相手の言ったことに対して質問できたら1ポイント」や「相手の言ったことに対して,自分の考えを言えたら1ポイント」といった形です。
2年生の子は,ルールを理解するのが難しい場合があります。最初は,「先生と見本をやってくれる人?」と募り,前で見本を示してからスタートするとスムーズに進められるでしょう。
ミニトークをゲーム化して双方向のコミュニケーションに慣れてきたら,いよいよ授業に組み込んでいきます。「『〇〇さんにつけ足しで…』と前の意見につけ足しながら意見を言えたら1ポイントです。ただし,これをやろうと思うと,人の意見をよく聞かないと難しいですよ。できるかな?」と,このような形で導入していきます。
授業の終わりには,「つけ足しで意見を言えていた人が3人もいましたね」と肯定的なフィードバックを行うことで,いつしか,双方向で伝え合うことが習慣になっていきます。
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内容 | ファイル名 | サイズ | |
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イラストカット (主に小学校低学年) |
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イラストカット (カラー、グレー、ぬり絵) |
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