中学校 学級全員が説明する数学授業

中学校 学級全員が説明する数学授業

新刊

BEST300

文字通りの「学級全員説明」を実現する授業

教師が説明しないと苦手な生徒は理解できない。苦手な生徒は説明できなくても仕方がない。生徒に任せたらできる、できないの差が広がる。そんな思い込みを覆す、アウトプットがインプットの質を高める様々なしかけがなされた「学級全員が説明する」授業の提案。


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ファイル形式

PDF
ISBN:
978-4-18-375022-8
ジャンル:
算数・数学
刊行:
対象:
中学校
仕様:
四六判 192頁
状態:
在庫あり
出荷:
2025年4月30日

もくじ

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はじめに
第1章 なぜ「学級全員が説明する授業」なのか
1 理想と現実の狭間で―何から取り組めばよいのか
2 苦手な生徒の視点で授業を見直すと
3 「学級全員が説明する授業」を行う価値と概要
コラム 「学級全員が説明する授業」に取り組んでみて
第2章 「学級全員が説明する授業」の具体例
1 通常の授業に「学級全員が説明する活動」を取り入れる
生徒発表や教師解説の後に,学級全員が説明する活動
[1年/正の数・負の数/3つ以上の数の乗法]
生徒発表を途中から予想し,学級全員が説明する活動
[2年/連立方程式/連立方程式の利用]
多様な解法がある問題で学級全員が説明する活動
[2年/図形の性質の調べ方/くさび型四角形の角度]
口頭による証明で,学級全員が説明する活動
[2年/三角形と四角形/2つの正三角形]
核心を突く生徒発表の後に,学級全員が説明する活動
[3年/二次方程式/二次方程式の解]
2 教科書例題の学習に「学級全員が説明する活動」を取り入れる
教科書例題を読み取り,学級全員が説明する活動
[1年/一次方程式/一次方程式の解き方]
教科書の説明を読み取り,学級全員が説明する活動
[2年/データの分布や比較/箱ひげ図の意味]
教科書例題を読み取り,学級全員が説明する活動
[3年/二次方程式/二次方程式の解法]
記述を読み解く指導を入れた,学級全員が説明する活動
[3年/関数y=ax^2/複合問題]
教科書例題を読み取り,学級全員が説明する活動
[3年/相似な図形/平行線と比]
3 テスト返却時に「学級全員が説明する活動」を取り入れる
小テスト返却時に学級全員が説明する活動
[全学年/全単元]
定期テスト返却時に,学級全員が説明する活動
[全学年/全単元]
コラム 教科書例題を学級全員が説明する活動に取り組んでみて
第3章 「学級全員が説明する授業」を有効に行うために
1 学級全員のモチベーションを高めるために
2 授業をデザインするうえで意識するべきこと
3 個を把握するための振り返り
コラム 他教科や高校で学級全員が説明する活動に取り組んでみて
第4章 「全員が説明」に慣れるための,「全員が発信」する活動
1 ペアで問題を出し合う活動
2 選択式「音声計算カード」
3 アンケート結果を生徒に開示・共有する
おわりに

はじめに

 中学校教員として長年授業を行う中で,常に気になってきたことがあります。それは,「たとえ多くの生徒が意欲的に問題解決に取り組んでいたとしても,問題を自力解決できない生徒の何割かは説明を聞くだけで,結果として理解できないまま終わっている」ということです。

 拙著『中学校数学科 学び合い授業スタートブック』(2015,明治図書)でお示しした生徒同士の関わり合いは,この改善にかなり有効な方法ですが,交流の場を設けるだけでは,苦手な生徒が自身のわからなさを語ってくれるとは限りません。


 悩み続けた日々の中で,授業での生徒同士の関わり合いに「ある条件」を加えたところ,生徒の様子が一変し,ぼんやりと描き続けてきた理想の授業の在り方が,はっきりと見えた思いになりました。その1つが本著のタイトルでもある「学級全員が説明する授業」です。

 具体的には,生徒同士の関わり合いの中で,聞くだけ・受け身のままでは終わらせず,全員が必ず説明する(主役になる)という条件を加えたのです。

 全員が主役になる場を設定したことにより,生徒たちは驚くほど真剣に話を聴き,問題を読み,じっくり考え,自身のわからなさを含めて語り合うようになりました。

 本著は,生徒たちと共につくり上げ,月刊誌『教育科学 数学教育』(明治図書)や日本数学教育学会研究大会で発表してきた多くの授業実践を基に,「学級全員が説明する授業」の価値はどこにあるのか,どうしたら「学級全員が説明する授業」が実現するのかについてまとめました。

 さらに,この授業の在り方に共感し,ご自身の授業に取り入れてくださった先生方にも,授業事例やコラムの執筆をお願いしました。「全員が説明する機会を設ける」という,たったそれだけのことで,短期間で生徒の変容を実感された先生方がこれほどいることにも,自信を深めることができました。

 昨今の授業改善のキーワードである「主体的・対話的で深い学び」「個別最適な学びと協働的な学び」を実現するための,現実的な一方策だとも自負しています。


 以前の私と同様,ご自身の授業の在り方に真剣に悩み,目の前の生徒たちのために日々ご苦労されている多くの先生方が本書を手にされ,授業を通して生徒の主体的・対話的な変容を実感されることを願ってやみません。


  2025年3月   /武藤 寿彰

著者紹介

武藤 寿彰(むとう としあき)著書を検索»

1963年静岡県生まれ。1985年早稲田大学教育学部理学科数学専修卒業後,静岡市の公立中学校に勤務し,2022年より大阪工業大学特任教授。

生徒の「問い」をICTで探究する授業を開発・発表する過程で,生徒同士の関わり合いをメインにした授業を提案。出逢いを通して「生き方」を考える道徳教育や総合的な学習の時間についても実践発表を行っている。JAPETコンピュータ教育実践アイディア賞 2008年会長賞,2011年文部科学大臣賞。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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