- はじめに
- 第1章 発問の大切さ
- 1 発問とは?
- 発問と質問の違い
- 発問の種類
- 2 発問が生み出す思考と主体性
- 主発問で思考を揺さぶる
- 補助発問で主体的,協働的な活動にする
- 3 発問するテクニック
- 主体的な活動につながる発問
- 発問による子どもの指名や反応
- 発問するタイミング
- 第2章 理科の発問の機能と分類
- 1 見方・考え方による,発問の違い
- 見方・考え方
- 「エネルギー」を柱とする領域における「見方」と発問
- 「粒子」を柱とする領域における「見方」と発問
- 「生命」を柱とする領域における「見方」と発問
- 「地球」を柱とする領域における「見方」と発問
- 「考え方」を引き出す発問
- 第3章 導入・問題の設定・予想の新発問パターン
- 問題解決ごとの発問@導入・問題の設定・予想
- [導入]
- 違うところはあるかな
- どちらが長いかな
- 同じところはあるかな
- 何が変わったかな
- この後どうなるかな
- どのように育っていくかな
- どのような姿をしているのだろう
- [自分の問題を確立する]
- あれ? って思ったことはあるかな
- どう感じたかな
- [共有してクラスの問題をつくる]
- 自分の考えと友達の考えはどうかな
- それは調べられるかな
- [個の予想]
- どうしてそう思ったのかな
- 前にどんなことを学んだかな
- [友達の予想]
- 〜さんの意見にみんなどう思ったかな
- 予想が少し違う人はいるかな
- 予想は一緒だけれど,理由が違う人はいるかな
- 考えを少し変えた人はいるかな
- Column 授業を高めるちょいテク発問@今日は何について調べるのかな
- 第4章 検証計画の立案・観察,実験・結果の新発問パターン
- 問題解決ごとの発問A検証計画の立案・観察,実験・結果
- [検証計画の立案]
- どのように調べればいいかな
- 変える条件,変えない条件は何かな
- その実験,何回行えばいいかな
- 何に見立てているのかな
- 他の班の計画はどうかな
- どの器具を使えばいいかな
- 自分の予想が正しければ,どんな結果になるかな
- どうしてやってはいけないのかな
- [観察,実験]
- どこを詳しく見るのかな
- どうしてそうなるのかな
- 条件は整っているかな
- よく見てかいているかな
- 他にもまだあるかな
- [結果]
- その言葉はどういう意味かな
- どのように表すといいかな
- 他の班の結果はどうかな
- Column 授業を高めるちょいテク発問Aあと何分必要かな
- 第5章 考察・結論・活用の新発問パターン
- 問題解決ごとの発問B考察・結論・活用
- [考察]
- 結果からいえることは何かな
- 予想は確かめられたかな
- 考えを変えるところはあるかな
- そこまでいえるかな
- どうして結果がみんなと違ってしまったのかな
- [結論]
- 自分の考えは友達の考えとあっていたかな
- この結論でみんないいかな
- [活用]
- 新たな疑問はあるかな
- 今日学んだことは,生活のどんなところで役に立っているかな
- Column 授業を高めるちょいテク発問Bそれ,教えてくれるかな
- おわりに
はじめに
授業を進めていると,子どもたちが急につぶやいたり,活発に話し始めたりすることがあるでしょう。また,教師の想定以上に活動が盛り上がり,意欲的に調べたり記録したりすることもあるでしょう。教師は,このような子どもの姿を見て「子どもにとって学習内容や活動がヒットしたのだろう」と思いがちですが,それだけではありません。教師の発問の投げかけが子どもにヒットしたのも1つの大きな要因なのです。
「発問」には意味があります。教師がその意味を理解し,子どものジャストミートな思考場面で投げかけることで,授業は大きな盛り上がりを見せます。発問がヒットしたとき,授業は自然と進みだし,教師はその子どもの姿を見守るだけでよくなります。
本書は小学校理科の問題解決の場面に沿った発問パターンを集めました。様々な場面で主体的な問題解決に役立つ発問を厳選しました。
理科の授業に苦手意識のある先生は,適した発問を1つ取り上げ,授業場面で活用してみてください。
また,理科を得意とする先生も発問を応用してさらに授業を盛り上げてください。これらの発問集は,学年ごとに主に育成する第3学年「主に差異点や共通点を基に,問題を見いだす力」,第4学年「主に既習の内容や生活経験を基に,根拠のある予想や仮説を発想する力」などの問題解決の力の育成にも役立てることができます。
私たちはこれまで,日頃の理科の授業を通して発問の在り方について議論してきました。その実践研究のとりまとめが今回このような書籍になりましたこと,大変喜ばしく思っております。
2023年6月 /三井 寿哉・小林 靖隆
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- 明治図書