『実例満載　養護教諭のための保健だより＆掲示物　小学校・中学校』の詳細情報

　しかし，健康診断などの行事が目白押しで時間や気持ちに余裕がない時や，なかなかよいアイデアが浮かばない時には，思うように作成することができず何日も悩んだり，気になりながらも先月と同じ内容の掲示物をやむを得ず貼り続けたり……。一方ではそんな苦しい思いを保健だよりや掲示物に抱いたことも少なくありませんでした。

　本書の中で，保健だよりや掲示物の作成のポイントに「あなたにしかできないオリジナルを大切に」と述べていることと，実例を掲載することは一見矛盾していることのように感じるかもしれません。しかし，「まなぶ（学ぶ）」の語源は「まねぶ（真似ぶ）」であるように，作り方を真似ることから，一人一人のオリジナルが生まれていくのではないでしょうか。実例から具体的な作成のポイントを知っていただき，それがみなさまのアイデアを刺激して，オリジナルの素になることを願っています。

　また，本書はひと月ごとに，小学校用，中学校用，保護者用の保健だよりと配布時の学級担任による指導用資料を用意し，掲示物と合わせて掲載しました。保健だよりと掲示物を連動させる，また子ども用と保護者用の保健だより，そして学級担任からのミニ保健指導をセットにすることで，保健教育や養護教諭の思いを伝える効果は無限に広がります。ぜひ，その可能性をみなさまの手で広げていっていただけたらと思います。

　掲載した保健だよりや掲示物は，これまでに私が作成したものがもとになっています。昨今は，保健だよりのイラスト集やパソコンで簡単に作成できる掲示物の書籍等がたくさんあり，私のつたない取り組みをご紹介するのは赤面の至りです。しかし，むしろ「これくらいならできそう」と感じられたら，楽しく作成していただけるのではとも思い直し，恥ずかしながらありのままをお届けすることにしました。本書が，みなさまとともに歩むよきパートナーとなる「保健だより＆掲示物」を生み出す一助となれば，嬉しく思います。

　　2022年2月　　　／森　慶惠