- はじめに
- 本書の特徴
- Chapter1 探究を取り入れた英語授業づくり
- 1 探究とは何か
- 1 英語教育における「探究」とは
- 2 中央教育審議会(答申)における「探究」とは
- 3 中央教育審議会(答申)における各教科における「探究」とは
- 4 中央教育審議会(答申)における高等学校における「探究」とは
- 2 各教科における探究の取り扱い
- 1 各教科における探究の取り扱い
- 2 「古典探究」「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」の取り扱い
- 3 「理数探究基礎」「理数探究」の取り扱い
- 4 「総合的な探究の時間」の取り扱い
- 5 探究のプロセス
- 6 「探究」のイメージ
- 3 英語教育における探究活動の必要性
- 1 英語教育と「探究」
- 2 英語教育における「探究」の図式化
- 3 「英語探究基礎」の考え方
- 4 「英語探究」の考え方
- 4 英語教育における探究のサイクル
- 1 探究のサイクル①
- 2 探究のサイクル②
- 5 探究のサイクルの具体的な考え方
- 1 課題の設定
- 2 情報の収集
- 3 整理・分析
- 4 まとめ・表現
- Chapter2 高校の探究授業づくり 基礎編
- 1 ICTの進歩による人間の在り方【ICT】
- [Lesson] People and Machines
- 2 ボランティア活動【社会貢献】
- [Lesson] Camp Mariah
- 3 食べ物の歴史【食文化】
- [Lesson] The History of Chocolate
- 4 広島と原爆【平和問題】
- [Lesson] TO PEACE MEMORIAL PARK
- 5 学校とクラブ活動【学校紹介】
- [Lesson] Our School
- Chapter3 高校の探究授業づくり 標準編
- 1 身近にある科学【科学】
- [Lesson] Learning about Science around You
- 2 現代アフリカの教育課題【地域研究】
- [Lesson] English Textbooks from Around the World
- 3 絶滅言語【言葉】
- [Lesson] Endangered Languages
- 4 今でも追いかけている夢【夢】
- [Lesson] How to Build a Dinosaur
- 5 古代ローマ人の生活【歴史】
- [Lesson] Ancient Rome
- Chapter4 高校の探究授業づくり 発展編
- 1 日本人は世界からどう見られているか【日本人観】
- [Lesson] Unbeaten Tracks in Japan
- 2 水の重要性【水問題】
- [Lesson] Dried Out
- 3 貧困・飢餓【国際貢献】
- [Lesson] Unwanted Bicycle in Need
- 4 生物多様性【環境】
- [Lesson] Environment or Orangutans?
- 5 エネルギー問題【再生可能エネルギー】
- [Lesson] Euglena
はじめに
ある小学校に英語の授業指導に行ったときの話である。先生方に「高等学校ではいくつかの科目で探究活動が行われています。今後,小学校でも探究活動が求められる日がきますよ」と話した。すると,教頭が「うちでは,『総合的な学習の時間』に年間70時間を探究の時間とし,地域に関することを探究しています」と答えた。「え? 70時間も? 大変でしょう?」と尋ねると,担当の先生が「大変です。でも,それらが子どもたちの達成感や深い学びになり,子ども一人一人が積極的に関わり,考え方もしっかりしてきました」と答えた。さらに,「これからは,英語も含めて各教科に探究的な活動を取り入れようと考えています」と話した。驚きである。
今でこそ,高等学校では,「総合的な探究の時間」をはじめ,「古典探究」「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」「理数探究基礎」「理数探究」と探究の活動を中心とした科目が設定され,実践が行われている。一方,英語の授業ではどうか。探究どころか,思考力,判断力,表現力等向上のためのパフォーマンス活動及びパフォーマンス評価も,学校によっては遅々として進んでいない。未だに訳読や文法解説,文法問題に明け暮れているところもある。これでは,三つの資質・能力(「知識及び技能」「思考力,判断力,表現力等」「学びに向かう力,人間性等」)の向上など図れるはずもない。
そこで本書では,今,授業で行われているスピーチやディベート,ディスカッションやプレゼンテーション,レポートなどについて,時間と内容を改善・充実すれば十分に探究活動となり得ることを証明し,また,探究活動が生徒の英語運用能力向上につながることを解説している。ぜひ本書を活用いただき,生徒の英語運用能力向上を図っていただければ幸いである。
2022年11月 /菅 正隆
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- 明治図書
- いろいろなテーマを扱っている点が良かった。2023/1/1520代・高校教員
- 高校でどのようなタスクを設定しているのかを学ぶことで、中学校授業にも役立てることができた。2023/1/1240代・中学校英語教師