- はじめに
- 第1章 想いを伝える話し方 3つのポイント
- 学級経営のために「話すこと」を大切にしよう
- 今の時代を生きる子どもに伝わる話し方を学ぼう
- 「話し方を学ぶこと」は「自分を磨くこと」である
- 第2章 想いが伝わる話し方「ばっちりスキル」60
- 「話型」スキル
- 01 伝えたいことをまとめる「つまり」
- 02 話を具体的にイメージさせる「例えば」
- 03 知っている話に置き換える「喩(たと)えば」
- 04 伝わりきらなかった話を補足する「ちなみに」
- 05 教師の正論だけでは語れない時に「とはいえ」
- 06 反応が生まれる「〜じゃないですか」
- 07 言葉を出させる練習「〜はなんですか?」
- 08 相手に伝わる「わかる→でもさ→だから」
- 09 話に真剣さをもたせる「大切だからもう一度言うよ」
- 10 叱った内容がきちんと伝わる「先生,悲しい」
- 11 メッセージをより響かせる「先生,うれしい」
- 12 自分事にさせる「みなさんはどう思いますか?」
- 13 活動に価値を与える「少なくとも先生は」
- 14 心から伝える「あなたから大切なことを学んだよ」
- 15 話を確認させる「つまり,先生は何が言いたいの?」
- 16 共感しながら指導を入れる「先生も子どもの頃…」
- 「所作」スキル
- 17 目を見なくても大丈夫!「話す時に見る場所」
- 18 伝わり方が大きく変わる「笑顔」
- 19 よりわかりやすくする「ジェスチャー」
- 20 物理的な距離を縮める「教室を歩き回る」
- 21 子どもの心の声に寄り添う「心の声を代弁」
- 22 楽しい雰囲気で大切なことを伝える「一人二役」
- 23 臨場感あふれる演出ができる「オノマトペ」
- 24 話に注目させる「音を鳴らす」
- 25 つまずきに寄り添う「頭のハテナを探しながら話す」
- 26 話しやすい雰囲気をつくる「1人の子と会話する」
- 27 空気を少しずつ温める「テンションを少しずつ高める」
- 28 話を子どもに届ける「上向きの声」
- 29 現代の子に合わせた「少し早口」
- 30 話にグッと入り込ませる「話の間(ま)」
- 31 子どもの心に残す「ポイントをゆっくり話す」
- 「話のつくり方」スキル
- 32 話す内容の目的と向き合う「なんのために?」
- 33 成長させたい姿を見せる「具体的なゴール像を設定する」
- 34 話す内容を決めるための「現在地を把握する」
- 35 行動の第一歩を踏み出させる「ブレーキを外す」
- 36 活動を充実させる「アクセルを踏ませる」
- 「話の伝え方」スキル
- 37 あるあるで話に共感させる「気づきから話す」
- 38 話に必要感をもたせる「困り感に寄り添う」
- 39 スッキリまとめる「ナンバリング」
- 40 具体的な行動に移させる「ラベリング」
- 「エピソードトーク」スキル
- 41 子どもに話がよく伝わる「エピソードトーク」
- 42 話に入り込ませる「具体的な場面説明」
- 43 聴き手を一気に惹きつける「セリフ回し」
- 44 臨場感をもたせる「心の声」
- 45 状況がより伝わる「細かい状況変化」
- 46 自分が話に入り込む「その場にいるつもりで話す」
- 47 話に価値が生まれる「コアメッセージを伝える」
- 「聴き手意識の高め方」スキル
- 48 目で聴ける子を育てる「目を合わせてくれてありがとう」
- 49 自然な反応を目指す「反応の練習」
- 50 反応の経験を積ませる「台本で反応の練習」
- 51 聴き方と反応を日常に落とす「教師の話で実践させる」
- 52 真剣に聴く雰囲気をつくる「机を片付けさせる」
- 「教室の仕掛け」スキル
- 53 1年間の学級の根幹になる「教師の願いの掲示」
- 54 一緒に学級をつくる「学級目標の言葉を使う」
- 55 話の聴き方を身につける「聴き方の掲示物」
- 56 話し方を共有する「話し方の掲示物」
- 57 やりとりを意識させる「話型の掲示物」
- 58 叱られた時のための「成長する叱られ方」
- 59 意識する力が高まる「子どもの言葉で掲示物」
- 60 伝えることを忘れない「原稿を読む」
- おわりに
はじめに
「お前の話,面白くない。」
私が中学校から大学までの学生時代,ずっと言われ続けてきた言葉です。
学生時代が終わり,話が面白くないと言われ続けてきた私が教壇に立つことになりました。するとどうでしょう。やっぱり子どもたちを惹きつけることができませんでした。
(このままではいけない)
と思いつつも,どうしたらよいかわからない日々が続きました。
ある日,本屋に行くと放送作家さんが書いたお笑い芸人さんたちの話術について書かれている本を見つけました。できることを真似してみると,いつもより少しだけ私の話を楽しそうに聴いてくれるようになりました。その時初めて,「話し方にも技術がある」ということに気づきました。
その日からビジネス書を中心とした色々な本を読み,会話術や受け答え,スピーチの仕方を学びました。そして数年経つと,動画サイトからも話し方を学べるようになりました。
私が学んだ「話し方」を学校教育で実践しました。
歴史の授業では,難しい内容のポイントをおさえ,ジェスチャーを入れ,相手に伝わるように話しました。すると,子どもが
「先生!今日の授業,とても面白かったよ!」
と,授業後にとても楽しそうに感想を伝えてくれるようになりました。
朝の会では,1日の流れの項目を明確にして話しました。すると,
「次は移動教室だよ!」
と,自分たちで見通しをもって行動できるようになりました。
学級が大変な時に,私の大切にしたい学級に対する想いを子どもの目を見ながらゆっくり丁寧に真剣に話しました。すると,
(コクン)
と,うなずき,涙を流しながら真剣に話を聴いてくれるようになりました。
教師としてはまだまだ未熟ですが,以前よりも色々なことがうまく回るようになってきたと感じます。
私は以前,学校教育に関する実践ばかり磨いてきました。どれも素晴らしい実践ですが,思い描いたような実践にすることはできませんでした。
しかし,話し方を学ぶとどの実践も今までより効果が発揮できるようになったと感じます。つまり,効果的な実践にするために「話し方」は欠かせないということです。
本書では,私が教室で実践して効果的だと感じた「話し方の技術」を次のような項目でまとめました。
■話型
■所作
■話のつくり方
■話の伝え方
■エピソードトーク
■聴き手意識の高め方
■教室の仕掛け
ページの構成は,左ページに技術の使い方,右ページにエピソードが書かれています。スキルをより効果的に使うために,挿絵には頭の中のイメージや実際にスキルを使う具体的な場面が描かれています。
すぐに使える簡単な技術から,じっくりと自分と向き合うことで高まる技術まで色々あります。
読者のみなさんの子どもへの「願い」や一生懸命に考えた授業,教育実践がより子どもに伝わるお手伝いができたらうれしいです。
著者 /橋 朋彦
参考にしていきます!
1つ1つの技術の紹介だけでなく、その技術の必要性、実例なども書かれているので、イメージしやすく、すぐに実践できます。イラストもあるので、とてと読みやすいです。
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