- はじめに
- 第1章 ICTを活用した「自己評価・相互評価」の工夫
- 1 学習時間の確保
- 2 学習課題の設定
- 3 学習活動の空間づくり
- 第2章 ICTを活用した「自己評価・相互評価」活動アイデア
- 1年
- 正の数と負の数
- 正負の数のオリジナル問題を作成し,お互いの問題を解き合おう
- 文字と式
- マッチ棒の並び方を考えて個数を文字を使って説明しよう
- 一次方程式
- 一次方程式の解き方のステップ解説をつくろう
- 知識構成型ジグソー法で一次方程式の利用の学習をしよう
- 平面図形
- 作図の入試問題の解説動画をつくろう
- 空間図形
- 立体の表面積と体積について自分のペースと方法で学習しよう
- 空間図形について学習した内容をまとめ,オリジナル問題を作成しよう
- 円錐の側面積を簡単に求める方法について振り返って検討しよう
- 比例・反比例
- 比例と反比例の関係にある事柄を見つけ,問題と解説を作成しよう
- 表,式,グラフについてまとめたポスターを作成しよう
- ランドルト環に含まれる関数関係について考察し,表現しよう
- テスト問題の条件を変更した問題づくりによって振り返ろう
- データの分析
- 生徒のデータから傾向を読み取り,レポートにまとめよう
- 階級の幅を変えることでヒストグラムの必要性と意味について理解しよう
- どちらを選ぶかデータの傾向を読み取り,スライドにまとめよう
- さいころを6回投げるとき,1の目が1回出ると言えるだろうか?
- 2年
- 式の計算
- 式の計算のオリジナル問題と解説を作成し,評価し合おう
- 連立方程式
- 知識構成型ジグソー法で連立方程式の利用の学習をしよう
- 未知数が3つの連立方程式について振り返って評価・改善しよう
- 未知数が4つの連立方程式について具体的な場面で解決しよう
- 三角形と四角形
- 三角形と四角形の証明問題についてステップ解説でリレー大会を行おう
- 平行四辺形のオリジナルゲームを行い,お互いに評価しよう
- 平行四辺形の性質を用いた証明を論理的に考察し,表現しよう
- 星形五角形の内角の和の多様な求め方で図形の見方・考え方を広げよう
- 一次関数
- 一次関数トランプゲームを作成し,お互いのオリジナルゲームを行おう
- 一次関数の小単元について自分のペースと方法で学習しよう
- 一次関数で比べることができる事柄を見つけ,問題と解説を作成しよう
- 2直線のグラフの交点について式とグラフの関係を理解しよう
- 確率
- 確率論の幕開けとは何か? 確率を用いて考察し,表現しよう
- 条件を変更した問題づくりを行い,統合的・発展的に考えよう
- データの分布
- 長縄跳びの記録について考察し,表現しよう
- 3人のバスケットボール選手の記録について考察し,表現しよう
- 3年
- 式の展開と因数分解
- 因数分解の公式をわかりやすく説明しよう
- 平方根
- 平方根トランプゲームを作成し,お互いのオリジナルゲームを行おう
- 二次方程式
- 知識構成型ジグソー法で二次方程式の利用の学習をしよう
- 二次方程式の解き方について学習した内容を他クラスに教えにいこう
- 円
- 円周角の定理について学習した内容を他クラスに教えにいこう
- 円に内接する四角形の性質について証明しよう
- 三平方の定理
- 身の回りの建物や山から見える範囲のオリジナル問題を作成しよう
- 三平方の定理の様々な証明の方法についてレポートにまとめ,説明しよう
- 関数y=ax^2
- 関数y=ax^2のグラフのかき方,特徴についての解説動画をつくろう
- 関数y=ax^2の単元について自分のペースと方法で学習しよう
- 変域と変化の割合について学習した内容を説明し合おう
- 重なってできる図形の面積の変化を表やグラフで表す問題を作成しよう
- 標本調査
- 身の回りの事象について調査を行い,生徒の傾向を推測しよう
- その他(入試・卒業直前期)
- 知識構成型ジグソー法で実力診断テストの振り返りをしよう
- 他学年の定期考査の問題の解説動画をつくろう
- 正負の数トランプゲームを作成し,お互いのオリジナルゲームを行おう
はじめに
将来の予測が困難な複雑で変化の激しい社会や,グローバル化が進展する社会に,どのように向き合い,どのような資質・能力を育成していくべきでしょうか(※1)。平成29年告示の学習指導要領が令和3年から中学校でも全面実施となり,3つの資質・能力として「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力」,「学びに向かう力,人間性」をバランスよく育むことと整理されました。その中で新型コロナ感染症が広がり,全国一斉休校となり,人とのつながりの大切さを感じたとともに,自ら学びに向かう力の重要性を改めて認識したのを覚えています。
学校が再開された後,休校期間中の学習成果が表れた生徒は少なく,また,休校期間中に自ら学習に前向きに取り組めた生徒と取り組めなかった生徒の学力差は明白でした。その原因として,今まで教師から指示された内容だけを一生懸命学んできた多くの生徒は,主体的に学び自ら学習を調整する力を身に付けていなかったことが挙げられます。
今後,明確な答えのない問題に立ち向かっていく生徒にとって,自ら答えを見つけようと学び続ける力は必要不可欠です。
そうした自己調整学習力を育むためには,「動機付け」,「学習方略」,「メタ認知」の3つの要素が必要であり,特に自分自身を高次から見つめ直し,自らの思考や認知を適切にコントロールする「メタ認知」が重要です(※2)。「自分は何を理解していて,何が課題なのか」,「どのようにすればよりよい学びができるか」を正確に捉え,学び方を明確にすることが大切であり,そのような自分自身を振り返り,自ら学習改善について考える時間を日々の授業の中で取り入れることが大切です。
そこで,本書では「自己評価」と「相互評価」を取り入れた授業実践をまとめました。「自己評価」は,自分の学習活動を振り返り,自らを評価することで客観的に学習内容を整理することができます。また,生徒同士でお互いに評価し合う「相互評価」では,他者を評価することで評価規準の理解を深めるとともに,他者の評価と自分の評価を見比べながら,学習改善に向けた振り返りを行うことができます。
この自己評価と相互評価を行う上で,ICT活用は必要不可欠です。ICTを活用することで,評価する作品やパフォーマンスを場所,時間にとらわれずに共有することができ,評価したものを効率的に共有することができます。また,学習活動もICTを取り入れることで,もっている「知識・技能」を様々な形で表現することができ,表現することにより思考を整理し,より深い学びに結び付けることができます。
さらに,こうした学習活動を行う上で,学習時間の確保,学習課題の設定,学習活動の雰囲気づくりは重要であり,その3つについての工夫を第1章にまとめ,第2章からは具体的な活動アイデアについてまとめました。また,学習評価で課題として挙がっている「主体的に学習に取り組む態度」についても活動アイデアの中でふれています。
本書が日々,生徒のために懸命に授業を行っている先生方の参考になることと,これからの日本や世界を担う生徒たちが,自ら学ぶことの大切さを感じ考えることや,新しいものを創り出すことの楽しさを学び,多くのことに挑戦していくきっかけになることを祈っています。
/岩井 洋平・榊 隼弥
〈参考文献〉
※1 中央教育審議会(2015)「2.新しい学習指導要領等が目指す姿」
※2 自己調整学習研究会編(2012)『自己調整学習ー理論と実践の新たな展開へー』北大路書房
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- 明治図書
- ICTの活用について、表計算ソフト、スライド作成ソフト、動画作成などを活用しながら数学科の見方・考え方を深める課題設定が具体的に提案されている良書2025/2/1640代・中学校管理職
- 具体例が多くて良い2025/2/350代・中学校管理職