- 第1章 1時間の授業のアップデート
- 1 授業の内容 計画通りに授業を進めるには,どうすればよいですか?
- 2 授業の導入 授業のはじめで生徒を引きつけるには,どうすればよいですか?
- 3 教師の説明 教師の説明をしっかり聞かせるには,どうすればよいですか?
- 4 生徒の指名 授業のテンポが重くならない指名は,どうすればできますか?
- 5 生徒の発言の聞き方 生徒の発言はどのように聞けばよいですか?
- 6 粘り強い学習 あきらめずに考えさせるには,どうすればよいですか?
- 7 深い学び 「深い学び」が得られる授業にするには,どうすればよいですか?
- 8 主体性の評価 生徒の「主体性」は,どんな姿を評価するのですか?
- 9 授業の上達 授業が「うまく」なるには,どうすればよいのですか?
- 第2章 対話的な学びのアップデート
- 1 生徒の説明 発言の意図を理解し合えるようにするには,どうすればよいですか?
- 2 生徒の発表 もっとハキハキ発言させるには,どうすればよいですか?
- 3 生徒の発言 もっと多くの生徒に自ら発言させるには,どうすればよいですか?
- 4 生徒の聞く態度 仲間の発言をしっかり受け止め合えるようにするには,どうすればよいですか?
- 5 生徒の意見交換 生徒の意見交換を活発にするには,どうすればよいですか?
- 6 話し合いの深まり 話し合いを通して学習を深めるには,どうすればよいですか?
- 7 グループでの話し合い 1人の考えにグループ員が流されないようにするには,どうすればよいですか?
- 第3章 板書,ノートのアップデート
- 1 板書の構造 ゴチャゴチャした板書にしないためには,どうすればよいですか?
- 2 ノートとワークシート ワークシートとノート,どちらを使った方がよいですか?
- 3 ノートの書き方 何を,どこまで書かせたらよいですか?
- 第4章 「見方・考え方」のアップデート
- 1 「見方・考え方」の具体像 「見方・考え方」の具体像がつかめません…
- 2 「見方・考え方」の位置づけ 「見方・考え方」は,どのように学習内容に落とし込まれていますか?
- 3 「見方・考え方」の働かせ方 「見方・考え方」を働かせる授業をつくるには,どうすればよいですか?
- 第5章 話すこと・聞くこと指導のアップデート
- 1 指導事項の絞り込み 限られた時数で力をつけるには,どうすればよいですか?
- 2 パネルディスカッション パネルディスカッションに意欲的に取り組ませるには,どうすればよいですか?
- 3 活動の評価 活動の評価は,どうすればよいですか?
- 第6章 書くこと指導のアップデート
- 1 生徒の苦手意識 書くことに対する苦手意識が強い生徒には,どう指導すればよいですか?
- 2 論理的な文章 書く内容がどんどん拡散していく生徒には,どう指導すればよいですか?
- 3 活動の個人差 活動の個人差をどうすればよいですか?
- 4 意見文 意欲的に意見文を書けるようにするには,どうすればよいですか?
- 第7章 読むこと指導のアップデート
- 1 生徒の苦手意識 長い文章を読み取ることに抵抗がある生徒には,どう指導すればよいですか?
- 2 音読 音読の声がほとんど聞こえないクラスには,どう指導すればよいですか?
- 3 読みの深さ 浅い読みしかできない生徒は,どう指導すればよいですか?
- 4 説明文 生徒が積極的に学ぶ説明文の授業は,どうつくったらよいですか?
- 5 小説 自力で小説を読み取る力をつけるには,どうすればよいですか?
- 6 短歌や俳句,詩 短歌や俳句,詩に興味をもたせるには,どうすればよいですか?
- 7 読書 読書に関心をもたせるには,どう指導すればよいですか?
- 第8章 古典指導のアップデート
- 1 生徒の興味・関心 古典に関心をもたせるには,どう指導すればよいですか?
- 2 生徒の苦手意識 古典に苦手意識がある生徒には,どう指導すればよいですか?
- 3 学習の意義 古典を学習する意義を,生徒にどう伝えればよいですか?
- 第9章 漢字,文法指導のアップデート
- 1 指導の効率化 どうすれば漢字指導が効率よくできますか?
- 2 生徒の意欲 漢字学習にもっと意欲をもたせるには,どうすればよいですか?
- 3 言葉の特徴や使い方 言葉の特徴や使い方を楽しんで学べるようにするには,どうすればよいですか?
はじめに
2021年4月,新学習指導要領が完全実施になりました。
同時に教科書も新しくなりました。
学習指導要領が改訂されるたび,新たなキーワードが躍ります。私たち教師はこれらのキーワードを理解したうえで,生徒に資質・能力を身につけさせなければなりません。
しかし,授業,学級経営,生徒指導,生活指導,部活動指導に日々追われる中,キーワードの意味を理解するだけでも大変です。そこで本書では,「対話的な学び」「言葉による見方・考え方」など,新学習指導要領のキーワードの意味を押さえ,それらキーワードの意図するものの実現に向けた授業づくりや評価のあり方を述べました。
一方で,時代が変わっても,1時間の授業づくりで大切にすべき普遍的なことは数多くあります。
生徒の指名の仕方であったり,発言に対する教師の姿勢であったり,押さえておかなければならないことはいつの時代も変わりません。
また,「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」など各領域の特性を踏まえた授業づくりの要になることも,普遍的です。
そこで本書では,各領域の特性に応じた授業づくりのポイントについても詳しく述べました。
さて,これまで述べてきた新学習指導要領に対応した授業づくりや普遍的な価値をもつ授業づくりを目指しても,実際にはなかなかうまくいかないことが多いものです。
その原因を考えるとき,例えば「このクラスの生徒は,消極的な子が多くて,意見をちゃんと言えない」とか,「説明をきちんと聞いていないので,発問したことに対して自分の考えがもてない」とか,私たち教師は,うまくいかない原因をとかく生徒に求めがちです。
しかし,意見をちゃんと言えないのは,実は発問の仕方が漠然とし過ぎているからなど,原因は案外教師自らの中に潜んでいることも多いのではないでしょうか。
そこで本書では,目指していることがあるけれどうまくいかないことの原因を教師自らの中に探り,探り当てたことに基づいてよりよい指導の方向性を提案しています。
自らを謙虚に振り返り,自己更新することでこそ,生徒が楽しく学び,しっかりと力のつく授業を提供できるでしょう。そのための一助として本書を活用いただければ幸いです。
他人と過去は変えられない。
でも,自分自身と未来は変えられる。
―エリック・バーン
2021年7月 /小林 康宏
-
- 明治図書
- 問答方式で分かりやすく説明されています。2022/2/1440代・中学校教員