おもしろすぎて心も体も軽くなる仕事術図解

おもしろすぎて心も体も軽くなる仕事術図解

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とにかく「図解」でわかりやすい!

多忙感がつきまとっている状況を改善して、子どもと向き合う時間をつくるための仕事術をたくさん紹介します。仕事に対する向き合い方から、職員室の人間関係まで、図解付きでわかりやすく解説。おもしろすぎて、読んでいるうちに心も体も軽くなるような本の誕生です。


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PDF
ISBN:
978-4-18-412037-2
ジャンル:
教師力・仕事術
刊行:
対象:
小・中
仕様:
A5判 152頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年12月4日

Contents

もくじの詳細表示

まえがき 心も体も軽くして働きたいあなたへ
1章 仕事に対する向き合い方
教師のメンタル
01 必要なのは「鋼のメンタル」ではなく「こんにゃくメンタル」だ
02 心の曲線の話「こんにゃくメンタル」への第一歩
03 やる気のスイッチを入れる「しかけ」とは?
04 「助けて」を言うことは恥ずかしくない
05 ワークライフバランスをどう考えるか
教師としての考え方
01 教育は振り子であるー自分の考えに芯をもつということー
02 若いうちに失敗することの意味
03 働き方改革「個人の働き方とチームの働き方」
04 ろうそくを灯すような人になれ
05 締め切りとの戦い方―クリエイティブ仕事VS事務仕事―
教師としての成長
01 自分自身の成長のための軸を決める方法とは?
02 軸から派生させていくには
03 効率よく授業を改善するためのヒント
04 教師の成長速度の話
05 アウトプットこそが成長の鍵である
06 子どものせいにしていないか―日々自問する―
Column 睡眠時間確保の法則
2章 教室の仕事の仕方
学級経営に関わること
01 学級経営の安定は心の安定である
02 常にいいところを探す気持ちで教室へ向かえ
03 ものさしの話―隣の芝は青いって話―
04 勝負所では臆せずに勝負せよ
05 子どもとの関係性をつくる雑談4箇条
06 関係性改善―とにかく聞くということ―
07 教師だって一人の人間「素直に謝る」
08 成長の見通しをもつということ
授業に関わること
01 指導書の活用方法「引き算とちょい足しで考える」
02 指導の「型」をつくるということ
03 教材を自作するということ―授業力が向上する方法―
04 自作したものを改良するということ―秘伝のタレであれ―
05 子どもは想定外が大好き
06 アンテナを高くするということ
07 子どもと創る授業を目指して
Column 涙が出そうな帰り道
3章 職員室の仕事の仕方
人間関係や事務仕事に関すること
01 職場での豊かな人間関係形成術
02 学年会では思いを共有せよ
03 コミュニケーション力アップのために意識することとは
04 学級通信,爆速作成術
05 日々のルーチンワークを楽しむには
06 校務分掌@車輪の再発明を避けよ
07 校務分掌Aギバーとして働くべし
08 校務分掌Bボトムアップを意識せよ
先輩に対しての振る舞い方
01 報連相の効果を最大限に高めるコツ
02 60%主義で提案してみる
03 根回しの仕方を学ぶ
04 対話を通して言葉の「明確化」を意識する
05 オープンマインドで関係性をつくる
後輩に対しての振る舞い方
01 先輩×後輩 タイプの違いを意識せよ
02 先輩として「背中」を見せるのか「やり方」を伝えるのか
03 授業を見る視点を伝えてレベルアップを図る
04 仕事の適切な振り方とは―二面性を意識せよ―
05 後輩へのアドバイスは「自慢話」ではなく「失敗談」で伝える
06 傾聴―後輩の焦りや不安を解消できているか―
あとがき 心も体も軽くする働き方って何だろう……

まえがき

心も体も軽くして働きたいあなたへ


 2023年3月24日,修了式。ついにこの日がやってきました。

 1年間過ごした4年3組の子どもたちとお別れの日です。


 さかのぼること2週間前。

 「先生って,サプライズとかされると嬉しい人ですか?」

 「先生って,サプライズとかされると泣いちゃう人ですか?」

 「先生って……」

 どれだけ,サプライズという言葉を使うのだろうというくらいサプライズをほのめかしてくる子どもたち。

 ときには,「今からクラスで手品をやるので,先生廊下に出ていてください」と謎に教室から追い出されることもありました(蛇足ですが,サプライズの準備のためですね)。


 そして,迎えた最終日,最後の時間。

 「森岡先生,校内研究のことで確認したいことがあります。職員室に来てください」となぜか教務主任に呼び出される私。

 研究主任2年目だった私は,「うわ,何かやらかしたか……」と思いながら職員室まで出向きました(実は教務主任もサプライズのグルでした笑)。

 その後,クラスの子が迎えにきてくれました。

 「先生,『どうぞ』って言うまで,目を開けないでください」こんなことを言われながら,教室の中まで手を引っ張っていかれました。

 「では,どうぞ!!」

 目を開けると,黒板一面に「ありがとう」のメッセージが。

 さらに,そこから「サプライズムービーです!」とGIGA端末で作成したムービーを流してくれました。

 みんなで,セリフを考えてつくってくれたムービー。学校のホームページから使えそうな写真を探し出してきてつなぎ合わせてくれていました。


 そして,トドメに「はい。みんなからのメッセージです!」と寄せ書き集を渡されました。


 ベタベタなサプライズ。もはや,サプライズの中身を99%知っていたのに涙腺が崩壊し,涙が止まらなくなりました。


 さて,私は「なぜ」この涙を流したのでしょうか。


 プレゼントをもらったから? ムービーを流してもらったから?

 もちろんそれらは純粋に嬉しかったのですが……。

 涙を流した1番の理由は,彼ら彼女らの成長を感じて嬉しくなったからでした。


 誰かに言われたわけではないのに,「人を喜ばせよう」という気持ちをもったこと。

 誰かに決められたわけではないのに,「ムービーを作って,寄せ書き集を渡そう」と企画してくれたこと。

 「この1年間で子どもたちは大きく成長したな」と実感したとき,本当に嬉しく思い,自然とあふれ出た涙でした。


 そうです。教師という仕事は人の成長を間近で見られる尊い職なのです。

 今,ここまで読み進めてくださった方は各々にご自身のこれまでのクラスを思い返していることでしょう。

 日々の授業,運動会などの行事,係活動,委員会,休み時間の様子……。挙げ出したらキリがないくらいに成長の場面が見られます。

 これだけたくさん「人の成長」を間近で見られる仕事はそう多くはないのではないでしょうか。


 ところが―最近,SNSなどで言われているのが「教師の労働環境がブラックである」ということです。

 以下,SNSなどでも挙げられている問題の一部です。

○給特法(残業時間が給与の4%で計算されていること等)に関すること

○残業時間の問題(過労死ラインの80時間を超えている人がいる)

○部活動の顧問の問題(部活動指導を地域に移行すると謳ったのに,なかなか実現されない)

○休憩時間が取れない(ひどいときにはトイレに行く時間もない)

○業務の複雑化(「○○教育」が増えすぎて,対応が追いついていない)

 そして,これらの問題が複合的に絡み合った結果の教員採用試験の倍率低下問題……。

 書いていて悲しくなってくるくらい,たくさんの問題が起こっているように思います。


 複雑な問題が絡み合っていますが,一言で言うと「多忙感」という言葉がキーワードになるのではないかと思っています。そして,人は「多忙さ」を感じているときに心の余裕がなくなるのではないでしょうか。


 本書では,「心も体も軽くなる」ということを題名に入れています。

 私は以下の2つのポイントが「心も体も軽くなる」鍵だと思っています。


 @仕事の時短術を知って効率化を図ること

 A困難な仕事も楽しめるような「見方・考え方」を身につけること


 @に関して。時短術を知って,仕事の効率化が図れたら,その分,早く退勤することができます。定時で退勤できる日が増えたとしたら,心に余裕が生まれてくるのは言うまでもないことでしょう。本書では,そのような時短術を紹介していきます。


 Aに関して。働き方改革を進めていく上では,こちらも大切ではないかと感じています(むしろこちらの方が大切!)。同じ業務をしていても,「楽しい」と感じて行っているのと,「辛い」と感じながら行っているのでは,仕事時間の(もしくは人生の)充実度合いが変わってきます。


 以上,この2つのポイントを軸として,皆様が働くときに少しでも心と体が軽くなり,楽しいと感じてもらえるような仕事術や,見方・考え方を紹介していきます。


 また,本書も拙著『おもしろすぎて授業したくなる道徳図解』や『おもしろすぎて子どもに会いたくなる学級経営図解』のように全てのテーマにおいて図解を入れました。目次を見ていただき,気になった頁からどんどん読み進めてもらえたら幸いです。


 それでは,皆様が読み終える頃に「心も体も軽くなる」ことを願いつつ……。


   /森岡 健太

著者紹介

森岡 健太(もりおか けんた)著書を検索»

1987年生まれ。京都府公立小学校教諭。神戸大学発達科学部卒(教育学部)。初任校での,道徳の公開授業失敗をきっかけに,道徳の研究に目覚め,市の道徳教育研究会に所属する。10年以上,道徳の授業づくりを研究し,現在は京都連合教職大学院で「教育」について学び直し中。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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