- まえがき
- 千里の道も一歩から!1 子どもと信頼関係を築く教師のスタンスPERFECT GUIDE
- 01 信頼関係は,日常が全て。率先垂範で示そう
- 02 「子どもの見取りプリント」を通して,子どものよさを見よう
- 03 「トラブルは成長のチャンス」と捉えよう
- 04 子どもの前で上機嫌でいよう
- 05 子どもの「聞いてほしい」「見てほしい」という思いを温かく受け止めよう
- 06 間違ったら,子どもに素直に謝ろう
- 07 子どもと笑顔で落ち着いて接するために,ゆとりをもとう
- 08 子どもの好きなものや興味のあるものを知ろう
- 09 適度に自分の話をし,自己開示をしよう
- 10 「伸びたか,伸びていないか」で子どもを見よう
- ルールと納得感が大切!2 子どもと信頼関係を築く指導術PERFECT GUIDE
- 01 「ちゃんと」「しっかり」「きちんと」のイメージを,具体的に伝えよう
- 02 「静かにして!」と強く言わなくても済む方法を考えよう
- 03 子どもが納得する叱り方をしよう
- 04 個人の問題なのかクラスの問題なのかを見極めよう
- 05 強く叱ったときは,後でもう一度落ち着いて話をしよう
- 06 ちょっとしたスキンシップをとろう
- 07 ユーモアを交えた指導を行おう
- 08 困ったら,子どもに相談しよう
- 09 子どもに見通しを伝えよう
- 10 元気がない子や落ち込んでいる子がいたら,話を聞いて帰そう
- 11 宿題を忘れた子には,「宿題ルール」に基づいて対応しよう
- 12 指導するときは,そうすることのよさや価値を考えさせよう
- 13 子どもに何かを伝えるときは,「Iメッセージ」を意識しよう
- 14 子どもが楽しく学べる授業を行おう
- 15 授業の終わり時刻と下校時刻を守ろう
- 16 子どもが忘れ物をしたら,対応の仕方を教え,貸してあげよう
- 学級を安心感のある空間に!3 子どもと信頼関係を築く学級づくりPERFECT GUIDE
- 01 「おしゃべりタイム」を設定して,子ども一人一人と対話を重ねよう
- 02 「学級だよりの読み聞かせ」を通して,子どもによさやがんばりを伝えよう
- 03 「友達のいいところ探し」を通して,子どものよさを見つけて伝えよう
- 04 「絵本の読み聞かせ」を通して,素敵な時間を共有しよう
- 05 「先生へのメッセージカード」を通して,子どもの思いを受け止めよう
- 06 「振り返り日記」を通して,子どもの気持ちを知ろう
- 07 欠席した子に「お休みカード」を届けよう
- 08 子どもに「おはようメッセージ」を書こう
- 09 クラスを楽しくする係を作ろう
- 10 子どもの力でクラスをよりよくする活動を取り入れよう
- 11 教師が笑顔で子どもを迎えよう
- 12 休み時間に子どもと一緒に遊ぼう
- 13 教室環境をきれいに保とう
- 14 子どもの素敵な姿を写真に撮ろう
- 15 子どもの誕生日をお祝いしよう
- 16 子ども一人一人と関わることができるシステムを取り入れよう
- 17 時間が空いたら,ちょっとしたゲームやクイズをしよう
- 18 帰りの会で,子どものよさやがんばりを褒めよう
- 19 下校するときは,昇降口まで子どもを見送ろう
- 1年間の協力体制をつくる!4 保護者と信頼関係を築く基本姿勢PERFECT GUIDE
- 01 保護者との「共育」を心がけよう
- 02 指導の方針と理由を説明しよう
- 03 怪我をしたときや物が壊れたときは,より丁寧な対応を心がけよう
- 04 学校・学年で連携をとり,チームとして指導にあたろう
- 05 子どもが休んだら,学校としてできる限りのことをしよう
- 06 宿題の意図や内容を保護者に説明し,協力を仰ごう
- 07 提出書類の内容や期日を,わかりやすく説明しよう
- 08 保護者からのクレームには,誠実で丁寧な対応を心がけよう
- 09 学校内外で保護者と会ったら,進んであいさつをしよう
- 不安を解消するコミュニケーションを!5 保護者と信頼関係を築く行事や取り組みPERFECT GUIDE
- 01 連絡帳を通して,保護者と信頼関係を築こう
- 02 「参加してよかった」と思ってもらえる保護者会にしよう
- 03 保護者が満足する授業参観にしよう
- 04 保護者が我が子のよさやがんばりを感じる通知表にしよう
- 05 「来てよかった」と思ってもらえる個人面談にしよう
- 06 家庭訪問を通して,子どものよさやがんばりを伝えよう
- 07 丁寧でこまめな電話連絡を心がけよう
- 08 学級だよりを通して,子どもの学校での様子を保護者に伝えよう
- 09 週プログラムで,次の週の予定や持ち物を前もって連絡しよう
- 10 子どもの誕生日には,保護者にお祝いの気持ちを伝えよう
- 11 我が子が教師を信頼していることが第一
- あとがき
まえがき
本書を手に取ってくださり,ありがとうございます。
「子どもとの信頼関係」というと,昔の苦い思い出が頭に浮かびます。
私は,「子どもと一緒に充実した日々を過ごしたい」「素敵なクラスをつくりたい」というやる気と情熱をもって教師になりました。
しかし,いざ教壇に立つと,そのやる気と情熱が空回りしました。
「こうしたい」という自分の思いが先に立ち,子どもの思いを受け止めていませんでした。自分の意に沿わないときは,感情的に怒ったり,クラスのことを私が強引に決めたりすることもありました。
その結果,私は,子どもと信頼関係を築くことができませんでした。子どもとの間に,心の距離を感じました。
保護者からは,「先生のやり方は,うちの子には厳しいです」と言われました。
当時の私は,まるで「無茶な運転をするバスの運転手」のようだったのです。自分が運転するバスに子どもを乗せ,自分がやりたいようにバスを走らせていたのです。
心地よいのは私だけで,子どもは振り落とされそうになって手摺りにしがみつき,バス酔いをしていたのです。
当時のことを思い返すと,今でも子どもと保護者に対して申し訳ない気持ちになります。
こうした経験を経て,子どもと良好な信頼関係を構築することを何よりも第一に考え,自分なりに試行錯誤を重ねてきました。
本書では,日々子どもたちと向き合っている先生方が,子どもそして保護者と良好な信頼関係を築き,楽しく充実した毎日を過ごしていけるように,これまでの私の経験をふまえて,指導・実践をまとめました。
一つ一つの指導・実践において,「なぜそういった指導・実践を行うのか」「その指導・実践の根底にはどのような思いがあるのか」という「観」(子ども観・教育観・指導観……)にも触れてあります。
ご自身の「観」に照らし合わせながら本書を読んでいただき,ほんの少しでも先生方の指導・実践の参考になれば,これ以上の喜びはありません。
子どもとの良好な信頼関係の構築が第一である。
2021年7月 /浅野 英樹
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- 明治図書