- はじめに
- Q1 あなたが考えるいい先生≠ニは、どんな先生ですか?
- CHAPTER1 心構えから実務までスタートダッシュから輝く事前準備
- 「中学校の先生」について知る
- Q2 そもそも「学校」って何のためにあるの?
- Q3 「先生」ってどんな人?
- Q4 「教える」ってどういうこと?
- Q5 立派な人しか先生になれないの?
- Q6 中学校の先生にはどんな役職がある?
- 採用が決まったらやること
- Q7 準備するものは? 何を買いに行ったらいい?
- Q8 着任まで何をして過ごせばいい?
- COLUMN 住む場所はどうやって決める?
- 初出勤までにすること
- Q9 挨拶に行くときの服装、持ち物は?
- Q10 学校に着いたらまずすることは?
- Q11 必ず伝えておきたいこと・聞いておきたいことは?
- Q12 学校でここだけは見ておくべきというところは?
- POINT オシャレを諦めたくないんだけど、どこまで許される?
- COLUMN 先生はずっとジャージでいいの?
- 勤務初日〜入学式・始業式まで
- Q13 初めての出勤、着くまでに気をつけることは?
- COLUMN 初日の昼食は朝のうちに準備していくべき?
- Q14 学校に着いたらまず何をする?
- Q15 先生方への自己紹介・スピーチはどんなことを話せばいい?
- Q16 着任から生徒を迎えるまでに、何をしたらいい?
- POINT することがなくなったらどうすればいい?
- Q17 職員室ってどんな場所? 何がどこまで許される?
- COLUMN 職員室ではここに注意!
- Q18 机・ロッカーのスマートな使い方は?
- CHAPTER2 必ず押さえておきたい学級づくりの基礎基本
- 学級担任とは
- Q19 クラスって何のためにあるの? 担任はなぜ必要?
- POINT 先生たちから見た学級担任ってどんな人?
- Q20 副担任は何をするの?
- Q21 新卒で担任ってありうる? まず何から始めたらいい?
- POINT 生徒や保護者から見た学級担任ってどんな人?
- 学級経営で外せないこと
- Q22 学級開き、どうしたらいい?
- POINT 学級通信、どうする?
- Q23 給食指導・掃除指導どうする?
- Q24 担任として、行事を成功させるためには?
- Q25 通知表の所見、どう書く?
- Q26 出張・休むときはどうする?
- COLUMN 先生の「出張」ってどこに行くの?
- POINT 提出物のチェック・管理のコツは?
- Q27 居心地のいいクラスをつくるためには?
- COLUMN 教師のキャラ付けって必要?
- CHAPTER3 必ず押さえておきたい授業づくりの基礎基本
- 授業とは何か? なぜ学ぶのか?
- Q28 授業ってどんな時間?
- Q29 なぜ学ぶの? 「学ぶ」ってどういうこと?
- 授業のつくり方・進め方
- Q30 授業ってどうやってつくったらいいの?
- Q31 授業開きを成功させるには?
- Q32 教材研究ってどうやるの? 授業ノートはどうつくるの?
- Q33 指導案ってどう書けばいいの? そもそも何のために書くの?
- Q34 授業中の立ち歩きは許していい? おしゃべりは?
- POINT 場所を変えてみよう
- Q35 授業崩壊しないためには?
- Q36 宿題って必要?
- Q37 道徳の授業はどうしたらいい?
- 授業のスキルアップ
- Q38 授業づくりの基本的なスキルってなに?
- Q39 発問・指示のポイントは?
- Q40 板書の役割・コツは?
- Q41 ICT活用はどうすればいい?
- Q42 協働学習を成功させるためには?
- Q43 出前授業・コラボ授業って何をするの?
- POINT 本物に触れさせ、実社会に近い学びをさせよう
- 定期テスト・評価
- Q44 どうして評価をするの? テストって必要?
- Q45 テストはどうやってつくるの? 採点って大変?
- Q46 成績はどうやって出せばいい? 評価の仕方は?
- 研究授業
- Q47 研究授業って何? どうしてするの?
- Q48 研究授業に向けて、何を準備したらいい?
- POINT 研究授業では単元のどの時間を見てもらったらいいの?
- COLUMN どうして研究授業の前にはソワソワするの?
- 自己研さん
- Q49 他の先生の授業を見たいときには? 見る目的は?
- Q50 授業のどこを見たらいい? 記録の取り方は?
- Q51 見終わった後はどうしたらいい?
- Q52 意外なことが授業づくりに役立つって本当?
- Q53 自分の授業が下手だと思ったら、どうしたらいい?
- Q54 研修や研究会にはどうやって参加するの?
- CHAPTER4 新任でも意識すればできるコミュニケーション術
- コミュニケーションのポイント・考え方
- Q55 コミュニケーションにおいて大切なことは?
- POINT 話しかけやすい雰囲気をつくろう
- Q56 生徒や保護者と「仲良くしたい」と思うのは間違い?
- 生徒とのコミュニケーション
- Q57 生徒に信頼されるためには?
- Q58 生徒に反抗されたらどうしたらいい?
- Q59 褒めるときのコツは?
- Q60 叱るときのコツは?
- Q61 生徒指導が不安なときは?
- Q62 コミュニケーションが取りづらい子への対応は?
- COLUMN 校長先生の話を聞くと眠くなる―からわかる話し方のコツ
- 保護者とのコミュニケーション
- Q63 保護者に信頼されるためには?
- Q64 授業参観で気をつけることは?
- Q65 保護者会・面談を成功させるには?
- Q66 クレーム、要望への対応はどうしたらいい?
- Q67 保護者とのトラブル回避のコツは?
- 職員室でのコミュニケーション
- Q68 先生たちから「新卒教員」はどう見えている?
- COLUMN 「あの新人、気が利くね」と言われたい! 愛される新人とは?
- Q69 電話を取るの、緊張するんだけど……?
- Q70 メールへの返信の仕方は?
- Q71 来客のときは何をするの(来客対応、お茶出しなど)?
- Q72 隣の席の先生にどう話しかけたらいい?
- Q73 校長先生や偉い先生にはどう接する?
- Q74 プライベートで先輩・同僚に誘われたらどうする?
- COLUMN 大切なのはホウレンザッソウ
- 外部の方とのコミュニケーション
- Q75 公務員として気をつけることは?
- Q76 学校に出入りする業者の人との付き合い方は?
- Q77 外部の人と関わるメリットは?
- POINT 人脈をつくるコツは?
- COLUMN SNSは教員の味方? 諸刃の剣と心得よ!
- CHAPTER5 分掌・部活・会議まで先生の仕事あれこれ
- 校務分掌
- Q78 校務分掌って何?
- 委員会活動(生徒会活動)
- Q79 委員会活動(生徒会活動)の指導のポイントは?
- 部活動
- Q80 部活って教師の仕事なの?
- COLUMN 「ブラック部活動」って本当?
- Q81 部活経営のコツは?
- Q82 生徒にとって「部活の顧問」ってどんな人?
- 職員会議
- Q83 参加するときのポイントは?
- Q84 起案・資料作成するときのコツって?
- 提出書類
- Q85 研修レポート・報告書・アンケート回答のコツは?
- CHAPTER6 知っておくと差がつく一目置かれる仕事術&マインドセット
- 職員室での仕事術
- Q86 データ管理も含めた整理整頓のコツは?
- Q87 授業の空き時間は何をしたらいい?
- ワークライフバランス
- Q88 中学校の先生はブラックって本当?
- COLUMN 世間からの誤解あるある
- POINT ワークライフバランス:まずは自分を大切に
- Q89 朝早いって聞くけど、何してるの?
- Q90 時間の使い方、どうしたらいい?
- Q91 先生ってデートしにくいよね?
- Q92 妊娠・出産・介護……ライフイベントをどう乗り越える?
- Q93 お金はどうやって貯めたらいい?
- Q94 細く長く働くために:病まないようにするには?
- Q95 辞めたくなったときには?
- マインドセット
- Q96 「教師はいい仕事だぞ」と言う先生が多いのはどうして?
- POINT 教師としてのブランディングってなに?
- Q97 教師にも求められるマーケティング力って?
- Q98 教師よ、大志を抱け:ビジョン(キャリアプラン)をもつってどういうこと?
- COLUMN 卒業生を見ると、頑張ろうと思えるのはどうして?
- Q99 生徒にとっていい先生≠ニは、どんな先生だと思いますか?
- おわりに
はじめに
「〇〇先生って、いい先生だよね」
生徒のそんな会話が聞こえるたびに、私はドキッとしてしまう初任者でした。
なかなか自分に自信がもてず、
「今の自分にはいい先生≠ニ言われるような部分があるだろうか……」
「将来、いい先生≠ニ言われるような先生になれるのだろうか……」
「もっといい先生≠ノならなくては……」
と、常に不安を抱えながら教壇に立っていました。
教員になって11年が過ぎた今でも「いい先生≠チていったい何だろう?」と、漠然と考え続けています。
―いい先生になりたい!
教師を志したことのある人ならば、誰もが一度は思うことではないでしょうか。
「あの先生はいい先生だから」
「君ならいい先生になれるよ」
学校では、いつも「いい先生」という言葉が飛び交っているのに、「いい先生」がどんな先生か、教えてくれる人はいません。
本書は、初任の頃の私と同じように、
・教壇に立つことを不安に感じている初任者
・「いい先生≠ノなりたい」と思っている初任者
・「いい先生≠チて何だろう?」と疑問に思っている初任者
に向けて書いた本です。もし、初任者以外の先生にも手に取っていただけたのであれば、それはこの上なく嬉しいことです。読み進めていくと、「いい先生」を考えるためのヒントが見つかったり、なりたい教師像のイメージが浮かんできたりするかもしれません。
私は、決してカリスマ教師でも、スーパーティーチャーでもありません。東京都の公立中学校で国語を教えている、教員歴11年目の教師です。
縁あって、初任者の頃から東京都の現職教員代表として、地方の教員採用試験説明会で登壇したり、授業力を向上させるために東京教師道場で、4年間研さんを積んだりしてきました。本書は、私が現在進行形で、現場でリアルに経験していることや、現場の先輩から学んできたことをもとに書いています。
本書を手に取ってくださった方に、気軽に「職員室の隣の席の先生に聞くような感覚」で、読み進めていただけたら嬉しいな……と思っています。
今、学校現場は大きな転換期を迎えています。
私の尊敬する、横浜創英中学・高等学校の工藤勇一校長が、『学校の「当たり前」をやめた。』(時事通信社)という本を出版しましたが、全国各地で学校の「当たり前」が、少しずつ見直され始めています。詳しくは工藤先生の本を読んで勉強することをオススメしますが、全国の学校でこれまで「当たり前」とされていた校則の見直しや、定期テスト、固定担任制、宿題の廃止など、様々な改革が行われ始めています。
教職の現場には、働き方の課題、長時間労働の課題、ICT活用の課題など、多くの課題があふれています。私の個人的な思いとしては、「時代が変わろうとしている今、これまでと同じような働き方の初任者を育てるわけにはいかない」と考えています。
そこで、本書を読む前に初任者のみなさんに伝えたいことは、
「当たり前≠やれ、でも当たり前≠疑え」ということです。
初任者のみなさんには、教員でありながらもニュートラルな視点で、これまでの「当たり前」を疑ってみることのできる教員になってほしいと思っています。よく「学校の常識は世間の非常識」と言われますが、学校が見直さなければならない点や、初任者のみなさんから見ても「これって変じゃないかな?」「何のためにやっているのかな?」と疑問に思う点は、たくさん出てくるはずです。
学校は生き物です。その時代の生徒と教員、保護者や地域の方々と一緒に、その時代に合った学校を創り上げていくものです。そのためにも、まずは初任者であるあなた自身が、当事者意識をもって、目的と手段を履き違えずに、これまで「学校の当たり前」だとされてきたことに対して「そもそもの目的は何だろう?」「この手段が生徒にとってベストなのかな?」と一度考え直してみる視点をもつことが大切です。
一方で、「当たり前」(=常識とされていること)が何なのかが分かっていなければ話になりません。私自身、初任者時代に苦労したのは、「当たり前のことを当たり前にやる」ということでした。勤めている学校の「当たり前」がいったいどういうものなのか、まずは基本を知ることが必要です。傍から見るのと、実際に自分でやってみるのとでは、「感じることが全く違う」といったこともあります。私自身も、現場に出て自分でやってみて初めて気付けたことがたくさんありました。
茶道や武道などでは、修業の段階を表す際に「守破離」という言葉が使われます。本書の内容は、「守破離」でいうところの「守」(師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階)に当たるものです。
本書を読んで、教員の「当たり前」や「基本」を知り、次の、
「破」(他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階)
「離」(一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階)
にステップアップしていくきっかけを、ぜひつかんでいってください。
令和四年三月 /前川 智美
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- 明治図書
- 特にない2023/3/3120代・中学校教員
- 具体的で良かった。2023/3/2140代・中学校教員
- 子供が不登校になり先生と関わることが多くなったため、先生の仕事内容に興味を持ちました。2022/6/1150代・会社員