- はじめに
- 第1章 学びの意味を求めて
- 1 社会科の課題と理念
- 2 C3フレームワークとIDM
- 3 IDMのキー概念と学習指導要領
- 4 IDMを具体化する筋道
- 5 IDMに基づく単元デザインの意義
- 第2章 「中学地理」の単元をデザインする
- 1 世界のすがた―世界の中心はどこか
- 1 「世界のすがた」の実践上の課題
- 2 「世界のすがた」における子ども・社会との関わり
- 3 「世界のすがた」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「世界のすがた」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 2 日本のすがた―「マイ・タイムライン」を作ろう
- 1 「日本のすがた」の実践上の課題
- 2 「日本のすがた」における子ども・社会との関わり
- 3 「日本のすがた」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「日本のすがた」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 3 世界各地の人々の生活と環境(1)―世界の伝統的な衣食住の20年後
- 1 「世界各地の人々の生活と環境(1)」の実践上の課題
- 2 「世界各地の人々の生活と環境(1)」における子ども・社会との関わり
- 3 「世界各地の人々の生活と環境(1)」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「世界各地の人々の生活と環境(1)」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 4 世界各地の人々の生活と環境(2)―写真資料から地域の特徴を読み取る
- 1 「世界各地の人々の生活と環境(2)」の実践上の課題
- 2 「世界各地の人々の生活と環境(2)」における子ども・社会との関わり
- 3 「世界各地の人々の生活と環境(2)」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「世界各地の人々の生活と環境(2)」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 5 世界の諸地域「アジア州」―アジア州で多発する水害をどう防ぐか
- 1 「アジア州」の実践上の課題
- 2 「アジア州」における子ども・社会との関わり
- 3 「アジア州」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「アジア州」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 6 世界の諸地域「アフリカ州」―アフリカ州が貧困から抜け出すには
- 1 「アフリカ州」の実践上の課題
- 2 「アフリカ州」における子ども・社会との関わり
- 3 「アフリカ州」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「アフリカ州」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 7 世界の諸地域「ヨーロッパ州」―EUは今後も維持されるべきか
- 1 「ヨーロッパ州」実践上の課題
- 2 「ヨーロッパ州」における子ども・社会との関わり
- 3 「ヨーロッパ州」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「ヨーロッパ州」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 8 世界の諸地域「北アメリカ州」―グループで仮設を立て,検証し,結論を導き出そう
- 1 「北アメリカ州」の実践上の課題
- 2 「北アメリカ州」における子ども・社会との関わり
- 3 「北アメリカ州」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「北アメリカ州」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 9 世界の諸地域「南アメリカ州」―急速な開発と環境破壊
- 1 「南アメリカ州」の実践上の課題
- 2 「南アメリカ州」における子ども・社会との関わり
- 3 「南アメリカ州」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「南アメリカ州」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 10 世界の諸地域「オセアニア州」―多文化主義を捉えなおす
- 1 「オセアニア州」の実践上の課題
- 2 「オセアニア州」における子ども・社会との関わり
- 3 「オセアニア州」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「オセアニア州」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 11 地域調査の手法―何のために,誰に向けた調査か
- 1 「地域調査の手法」の実践上の課題
- 2 「地域調査の手法」における子ども・社会との関わり
- 3 「地域調査の手法」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「地域調査の手法」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 12 日本の地域的特色と地域区分―SDGsの視点で日本の地域を考え解決策を提示しよう
- 1 「日本の地域的特色と地域区分」の実践上の課題
- 2 「日本の地域的特色と地域区分」における子ども・社会との関わり
- 3 「日本の地域的特色と地域区分」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「日本の地域的特色と地域区分」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 13 日本の諸地域「九州地方」―人間は自然を克服できたのか
- 1 「九州地方」の実践上の課題
- 2 「九州地方」における子ども・社会との関わり
- 3 「九州地方」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「九州地方」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 14 日本の諸地域「中国・四国地方」―地方活性化の3つのポイント
- 1 「中国・四国地方」の実践上の課題
- 2 「中国・四国地方」における子ども・社会との関わり
- 3 「中国・四国地方」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「中国・四国地方」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 15 日本の諸地域「近畿地方」―環境と開発をどうするか
- 1 「近畿地方」の実践上の課題
- 2 「近畿地方」における子ども・社会との関わり
- 3 「近畿地方」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「近畿地方」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 16 日本の諸地域「中部地方」―新幹線は地域を豊かにするのか
- 1 「中部地方」の実践上の課題
- 2 「中部地方」における子ども・社会との関わり
- 3 「中部地方」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「中部地方」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 17 日本の諸地域「関東地方」―東京は住みやすさを維持できるか
- 1 「関東地方」の実践上の課題
- 2 「関東地方」における子ども・社会との関わり
- 3 「関東地方」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「関東地方」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 18 日本の諸地域「東北地方」―東北への修学旅行は増やせるか
- 1 「東北地方」の実践上の課題
- 2 「東北地方」における子ども・社会との関わり
- 3 「東北地方」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「東北地方」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 19 日本の諸地域「北海道地方」―北海道は今後も日本の食糧基地か
- 1 「北海道地方」の実践上の課題
- 2 「北海道地方」における子ども・社会との関わり
- 3 「北海道地方」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「北海道地方」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 20 地域の在り方―持続可能な地域を構想する
- 1 「地域の在り方」の実践上の課題
- 2 「地域の在り方」における子ども・社会との関わり
- 3 「地域の在り方」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「地域の在り方」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 第3章 学校・教室空間に閉ざさない,デジタル社会へ
- ―社会へ開かれた社会科をつくる
- ICT活用で変わる社会科の学び
- 1 はじめに:社会科の変革を促す教育情報化の波
- 2 ICT環境の充実で変わる社会科の学び
- 3 ICTを活用することで生まれる新しい社会科の可能性
- 4 まとめ:これからの社会科教師に求められること
- おわりに
はじめに
本書は,米国のInquiry Design Model(IDM)の理論に学び,中学校社会科地理,歴史,公民の単元デザインを提案したシリーズ書の1冊である。社会科とは実に皮肉な教科である。「社会」の語を冠した教科でありながら,それを学んだからといって,「社会」で生きる上で役に立つという実感が芽生えるわけでない,よりよい「社会」をつくりたいという意欲や自信が湧いてくるわけでもない。しかし,そのような社会科の実践が,長く再生産されてきたのが実態であろう。
本書のねらいはこの課題に挑戦することにある。この挑戦のために,「探究(Inquiry)」と「論証(Argumentation)」の概念を導入し,理論武装を図った。他所や過去の社会と向き合い,社会の課題を知的に考察し,社会を形づくる多様な言説や資料を読みこなし,データを活用して,社会の他者に向けて主張し,提案・発信する。本書が大事にしたい社会科とは,このような市民的活動を行うことのできる「平和で民主的な国家及び社会の形成者」の育成にある。@自己と社会との関わりの中から,問いを見出し解決していく「探究」,A自己と他者との関わりを通して,答えを表現し社会に働きかける「論証」,この2つの活動を車の両輪として単元をデザインすることで,上の目標に接近しようとした。
その意味において本書は平成29年版学習指導要領の改訂に対応した単元プラン集であると同時に,提案の書である。ただ,研究は緒に就いたばかりで,提案の細部までは論理が一貫していない。それは全て編者の責に帰するものである。ご叱正を請いたい。このような挑戦と提案の書に快くご協力いただいた全国の実践者と研究者,編者を引き受けてくださった大坂遊,渡邉巧,川口広美の各先生,そしてこの構想にご理解くださった明治図書出版に深く感謝申し上げる。
2021年8月 編者を代表して /草原 和博
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- 明治図書
- 子どもの視点から学びの意味を追求するという観点からの単元づくりは非常によいと思った。2024/8/1430代・小学校教員
- 単元ごとに学びの意味を踏まえた全体案が提示されており、授業づくりの参考になりました。2022/1/2120代・中学校教員
- 単元構想やデザインを考える上で参考になった2021/12/2020代・中学校教員