- はじめに
- 第1章 今こそ国語授業をアップデートしよう
- 1 なぜ今,授業アップデートなのか
- 2 「シンキングツール」で授業をアップデートする
- 3 「ICT(1人1台端末)」で授業をアップデートする
- 4 「オンライン授業」で授業形態をアップデートする
- 5 「家庭学習」をアップデートする
- 第2章 国語授業アップデート シンキングツール編
- POINT1 「多面的に見る」思考のアップデート-マトリクス-
- POINT2 「構造化する」思考のアップデート-フィッシュボーン-
- POINT3 「関連付ける」思考のアップデート-ネットワーク図-
- POINT4 「理由付ける」思考のアップデート-クラゲチャート-
- POINT5 「総合的に見る」思考のアップデート-レーダーチャート-
- POINT6 「焦点化する」思考のアップデート-ピラミッドチャート-
- 事例1 大事なことを考えて,あんないの手紙を書こう
- 【3年/書くこと/「気もちをこめて『来てください』」】
- 事例2 読み手がなっとくする意見文を書こう
- 【5年/書くこと/「あなたは,どう考える」】
- 事例3 文章の要旨を捉え,自分の考えを発表しよう
- 【5年/読むこと(説明文)/「言葉の意味が分かること」】
- 事例4 物語を読んで,確かな考えをもとう
- 【2年/読むこと(文学)/「お手紙」】
- 事例5 気持ちの変化を読み,考えたことを話し合おう
- 【4年/読むこと(文学)/「ごんぎつね」】
- 事例6 登場人物の関係を捉え,人物の生き方について話し合おう
- 【6年/読むこと(文学)/「海の命」】
- 第3章 国語授業アップデート ICT(1人1台端末)編
- POINT1 授業支援アプリケーションの活用
- POINT2 表現方法のアップデート
- POINT3 個別最適な学びのアップデート
- POINT4 協働的な学びのアップデート
- POINT5 シンキングツールのアップデート
- 事例1 音読劇をしよう
- 【1年/読むこと(文学)/「おおきなかぶ」】
- 事例2 じゅんじょに気をつけて読もう
- 【2年/読むこと(説明文)/「たんぽぽのちえ」】
- 事例3 中心となる語や文を見つけて要約しよう
- 【4年/読むこと(説明文)/「世界にほこる和紙」】
- 事例4 読んで感じたことをまとめ,伝え合おう
- 【4年/読むこと(文学)/「初雪のふる日」】
- 事例5 書き表し方を工夫して,経験と考えを伝えよう
- 【4年/書くこと/「大切にしたい言葉」】
- 事例6 伝えたいことを理由をあげて話そう
- 【3年/話すこと・聞くこと/「わたしたちの学校じまん」】
- 事例7 考えたことを書き,読み合おう
- 【4年/書くこと/「もしものときにそなえよう」】
- 事例8 おもしろさのひみつを解説しよう
- 【5年/読むこと(文学)/「注文の多い料理店」】
- 第4章 国語授業アップデート オンライン授業編
- POINT1 授業形態のアップデート①―オンライン授業―
- POINT2 授業形態のアップデート②―対面授業×オンライン授業―
- 事例1 筆者の考えを捉えて,自分の考えを発表しよう
- 【4年/読むこと(説明文)/「アップとルーズで伝える」】
- 事例2 表現の工夫を捉えて読み,それを生かして書こう
- 【6年/書くこと/「日本文化を発信しよう」】
- 事例3 気持ちの変化を読み,考えたことを話し合おう
- 【4年/読むこと(文学)/「ごんぎつね」】
- 事例4 すぐれた表現に着目して読み,物語の魅力をまとめよう
- 【5年/読むこと(文学)/「大造じいさんとガン」】
- 第5章 国語授業アップデート 家庭学習編
- POINT1 学習内容のアップデート
- POINT2 交流のアップデート
- POINT3 学習意欲のアップデート
- 事例1 漢字テストづくり
- 【3~6年/知識及び技能(漢字)】
- 事例2 俳句・短歌づくり
- 【3~6年/知識及び技能(語彙)】
- 事例3 詩の音読・朗読
- 【1~6年/知識及び技能(音読)】
- 事例4 お家の□□紹介動画
- 【1~6年/知識及び技能(話し言葉)】
- 事例5 チーム読書
- 【3~6年/知識及び技能(読書)】
- 事例6 タイピング日記
- 【3~6年/知識及び技能(文や文章,書き言葉)】
- おわりに
- 引用・参考文献
はじめに
国語科の授業について,次のような声をよく耳にします。
「何を教えればいいの?」
「どうやって教えればいいの?」
「国語って難しいよね…」
また,近年,シンキングツールやICTといった新しい学習ツールが,授業に取り入れられるようになりました。これらの学習ツールについては,次のような声をよく耳にします。
「どんなときに使えばいいの?」
「どうやって使えばいいの?」
「便利なのは分かるんだけど,難しい…」
このような問題意識をもたれている先生方に考える手がかりをお伝えすることが,本書の大きな目的になります。
国語科の授業について問題意識をもたれている先生方には,私の考える「国語科の学びのあり方」についてお伝えしたいと思っています。私は,国語科で目指す学びのあり方として,「子供の多様性を引き出すこと」と「対話的な学びを充実させること」を大切にしています。シンキングツールやICTは,そのような学びを支える方法に過ぎません。「なぜ多様と言えるのか?」,「なぜ対話なのか?」ということについて,ご批正いただきたいと思います。
シンキングツールやICTの活用に問題意識をもたれている先生方には,国語科という日々授業する教科を通して,実践的な活用方法についてお伝えしたいと思っています。授業におけるシンキングツールやICTの活用は,未だ「使ってみる」といった段階に留まっている場合が多いと思います。本書では,これらのツールが有効に働く学習場面を具体的に提案しています。国語科を専門としない先生方も,ぜひ専門教科での活用について考えてみてください。
さて,本書の内容は,次のように構成されています。
1章では,授業をアップデートする学習ツールと,国語科の学びの関係について述べました。国語科の学びのあり方は,どのようなものか? そこに,シンキングツールやICTの機能が,どのように働くのか? これらの点について,私の考えをお伝えしています。また,オンライン授業,家庭学習といった,学校外の学びのあり方についても,論じています。
2~4章では,シンキングツール,ICT(1人1台端末),オンライン授業,家庭学習という4つの視点で,国語授業アップデートの具体を提案しています。ここでは,それぞれのポイントと合わせて,実践事例を掲載しています。また本書の大きな特徴として,すべての事例で従来型の授業例を示した後,アップデートした授業例を示しています。
それでは,「教科の学びを進化させる 小学校国語授業アップデート」について,一緒に考えていきましょう。
2021年6月 /中野 裕己
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