- はじめに
- 「深い学び自学」をうみ出す自主学習の仕掛けとは
- 「深い学び自学」をうみ出す自主学習の原則とは
- 「深い学び自学」をうみ出す自主学習の仕掛け大全
- 導入期の仕掛け
- 心の学びが自学になる
- よく観ることが自学になる
- 10分もある発想で朝自学に挑む
- つながり自学で学びの視野を広げる
- 算数ドリル学びを遊び感覚で楽しむ
- 漢字ドリル学びを何枚も楽しむ
- 図書室学びで調べる芽が出る
- 予想して「調べ自学」に挑む
- 学級掲示自学で多くの考えを知る
- 全員が「当たり前辞典」になる
- 共学びで自学力をアップする
- 集め自学で探究の芽が伸びる
- 四つ切り自学で多角的に学ぶ
- 書いて思考する分析自学を楽しむ
- つづき調べ自学で深く学ぶ
- もの創り自学で体験学びをする
- 漢字リンピックで漢字の活用を学ぶ
- 地図自学で地図帳と友達になる
- イラストマニュアル自学に挑む
- マネッコワークで学びが深化する
- 前もって分析がスタートする
- 学校の行き帰りで自学の芽が育つ
- 少しずつ完成する自学に挑む
- 耳学問自学が学びの土壌になる
- お遊び自学で対比を学ぶ
- 説明力&アイデア力をアップする
- 成長期の仕掛け
- 漢字ドリル視写で漢字にこだわる
- 図工自学も深い学び自学になる
- 新聞自学でまとめる力を高める
- 日本の文化で説明力を上げる
- 絵と文コラボ型まとめに挑む
- テーマ別自学ノートを作成する
- マネッコ作図で真似ぶ力を高める
- 問題集自学が増える
- 原稿用紙自学が誕生する
- 自分テスト自学を作成する
- 覚えコンテストで暗記自学を楽しむ
- しゃくとり虫を算数する
- 身の回りの形を算数・図工する
- 物語風調べ自学に挑戦する
- はてな発見通信に挑む自学をする
- 学びの合言葉「謎学」に挑む
- 旅学びの記録を自学に残す
- 語彙力を増やす自学を続ける
- 毎日変える学級掲示から学ぶ
- 道具を活用した自学を楽しむ
- 季節感を大切にする自学に挑む
- 歌にして覚える学びをくり返す
- 家庭科自学で心自学が深化する
- 何級テストで自学力が耕される
- 究極の漢字テスト自学に挑む
- 点字・手話自学にも挑む
- 発展期の仕掛け
- 手紙自学で情報を得る
- 分析アイテムが共通言語になる
- 冒険型算数自学に挑戦する
- 子ども版学級通信自学が発行される
- 論文風自学で「書く」を深化する
- 宿題君作成自学に挑戦する
- 共育カードで深い学びが加速する
- 授業を分析する自学を発信する
- 主役脇役法で感性を磨く
- 分析自学の花が咲く
- 前の学年の物語を探究する
- リサイクル自学で学びを楽しむ
- 人の知恵を集めて学ぶ
- こだわり力を高める自学に挑む
- 詩を書き表現力を磨く
- 資料をいただき自学に活かす
- 分析テストで考え方を深化する
- 選択覚え型で学び力を高める
- うそ日記・問題作成で分析を深める
- フィードバック自学を徹底する
- 前もって分析ノートを作成する
- 短時間学習で分析力を鍛える
- 親が分析を楽しむと子が変わる
- 「やまなし」分析に5年が挑む
- つながり読書で分析を深くする
- 簡単な問題も積み重ねていく
- 学びのキャラクターをうみ出す
- 偉人学び・実験自学に挑戦する
- 自学の山2mになる布石を続ける
- おわりに
はじめに
はじめから「深い学び自学」をうみ出す仕掛けをします。
その仕掛けは,連絡帳を書くときに行います。子供たちの連絡帳には,次の日の日課や準備物の後に,漢字が書かれています。
例えば,次のような漢字です。
土筆 蝸牛 七夕
「土筆」のときは,まず黒板に「土」を書きます。その後「筆」を書きます。「土から生えた筆みたい」という比喩表現の学びの仕掛けも行っているのです。
もちろん,子供たちはすぐに気が付きます。
「あっ,つくしだ!」
このとき,すぐには答えを言わせません。友達とも確認をさせます。ここで,対話の仕掛けも行っているのです。
その後は,全員をさっと立たせます。立ち方も見ます。もちろん,友達とのいい確認の仕方やいい立ち方を子供たちに伝え,しっかりとほめます。
初日から,学びのいい緊張感と同時に,素敵な笑顔がたくさん生まれます。
「つくしです!」と,「です・ます」を付けて丁寧に答えを言うことができるかも確認します。
すべて「深い学び自学」をうみ出すための仕掛けなのです。
この後,さっと座り,丁寧に連絡帳に漢字を写し始めます。そのとき,次のように聞きます。
心を込めて書いた字ですか?
字の上手い下手は当然あります。でも,心を込めて書くことは誰でもできると子供たちに伝えます。
これもまた,本書で紹介する「深い学び自学」につながっているのです。
さらに,言います。
漢字を1回ではなく,2回・3回書いた人いますか?
当然,1人もいません。ここで,プラスワンという学びのキーワードを伝えています。少しでも「学びの工夫」をする人は素晴らしいと伝えているのです。
すると,次の「蝸牛・七夕」のときには,全員がさっと2〜3回書くようになります。その姿に対して,しっかりと「ありがとう」と伝えています。
ほめるのではなく,感謝です。
すぐに言ったことを活かしてくれる姿に対して,うれしいという気持ちを伝えるようにしています。
その日の宿題に,右のようなプリントを出します。(省略)
たった8問にしていること。人に聞いてやっていいこと。
すべて「深い学び自学」の仕掛けです。全員が必ず次の日にやってくるのです。
全員が楽しんでやる。主体的に取り組むことができるように仕掛ける。一番大切な「芯」です。
次の日,子供たちが提出してきたプリントがすごいです。
@プリントに色がついている。
A百足から土筆の漢字をすき間に練習している。
B3つ見つけたらスゴイ!と書いているのに,全員が8個書いている。さらに,全員が裏にまで「当て字」を書いている。
C中には,ノートにまで「当て字」を書いて持ってくる子がいる。
D『当て字辞典』を親に借りて,持ってきて友達とクイズの出し合いをしている子がいる。
すべて,仕掛けが芽を出していると思います。「プラスワンの心」「心を込めて宿題に臨む心」の芽が出ているなあと感じる瞬間です。
その姿を,学級通信で紹介したり学級掲示にしたりして,子供たちの姿の事実を記録として残します。そうすることで,一人ひとりの頑張りを認めることができるからです。
ただほめるだけでなく,やっている事実を認める。それが,子供たち自身が「深い学び」自学を心から楽しむ肥やしになると思っています。
本書は,そんな「仕掛け」を紹介しています。
仕掛けがあれば,どんな子供たちも全員が「深い学び自学」を楽しみ始めます。
それが,拙著『自主学習システム&ノート作成法』(明治図書)に紹介している
2mの自学の山
を毎日うみ出すようになるのです。
1つでも「仕掛け」を試してみてくださると,ありがたいです。
2021年 退職の年に
-
- 明治図書
- 自主学習を学年で行おうとなった時に購入しました。アイデアがたくさんありとても勉強になりました。2024/1/1520代・小学校教員
- まさに自学大全の名に相応しい書籍でした。導入期から発展まで仕掛けが掲載されており、参考になりました。福山先生の自作プリントがすごすぎます。2023/1/1430代・小学校教諭
- 福山先生の本は他にも読んで学ばせてもらっていますが、自主学習を始めるにあたって、大切にしたい内容が数多く書かれており、まさに大全といった内容でした。2021/11/320代・小学校教員