- はじめに
- Chapter1 養護教諭として大切にしたいポイント
- 1 養護教諭の仕事とは
- 2 効率的に進めるための心得
- Chapter2 養護教諭の1日の仕事スキル12
- 1 1日の執務をスムーズにさせる朝の保健室スタートスキル
- 2 健康で安全な学校環境をつくる校内巡視スキル
- 3 思わず手を止めて職員が聞く打ち合わせスキル
- 4 子どもの小さな変化を見逃さない健康観察のスキル
- 5 専門家としての信頼を高める救急処置スキル
- 6 保護者が頼りにしたくなるコミュニケーションスキル
- 7 使いたいときにすぐに見つかる保健室の整理整頓・収納スキル
- 8 子どもが主体的に受ける健康診断実施スキル
- 9 子どもも保護者も愛読者にするほけんだより作成スキル
- 10 理解し,助け合うための教職員とのコミュニケーションスキル
- 11 あわてず,落ち着いて対応するための緊急時スキル
- 12 子どもたちに安心感を与えるための笑顔スキル
- Chapter3 養護教諭の1年間の仕事スキル30
- 4月
- 1 年度初めに右往左往しない前任者からの引継ぎスキル
- 2 保健活動を円滑に進めるための保健室経営計画作成スキル
- 3 点検不足に困らないための医薬品・消耗品の整備スキル
- 5月
- 4 子どもの目を輝かせる保健教育教材作成スキル@
- 5 子どもの目を輝かせる保健教育教材作成スキルA
- 6月
- 6 安全第一のための水泳学習健康調査の実施と活用スキル
- 7 実習生とともに伸びる養護実習プロジェクトスキル
- 7月
- 8 元気に出かけ,帰るための宿泊学習健康調査と健康観察スキル
- 9 暑さも怖くなくなる熱中症対策スキル
- 8月
- 10 書いて終わりにしない保健室利用記録の活用スキル
- 11 長期休み後崩れがちな生活リズムを整える指導スキル
- 9月
- 12 テントの救護スペースで行う運動会・体育大会の救急スキル
- 13 災害後の安全な登校再開スキル
- 10月
- 14 視力検査の機会を生かす目の保健教育スキル
- 15 子どもがわくわくしながら触って学ぶ掲示物作成スキル@
- 16 子どもがわくわくしながら触って学ぶ掲示物作成スキルA
- 11月
- 17 はじめの関係を築く就学時健康診断・入学説明会参画スキル
- 18 マンネリ化させない歯の保健教育スキル
- 12月
- 19 嘔吐・下痢が複数発生したときの感染症対策スキル
- 20 抱え込まずに,支えて寄り添う保健室登校スキル
- 1月
- 21 うつさず拡げないインフルエンザ流行時の対応スキル
- 2月
- 22 報告から話し合いの場にする学校保健委員会推進スキル
- 3月
- 23 子どもの大切な節目を支える卒業式・入学式行事スキル
- 24 次年度の1学期にゆとりをつくる保健室整理と健康診断準備スキル
- 25 次年度のよりよい活動につなぐ保健室経営の評価スキル
- 通年
- 26 自分自身を輝かせるレベルアップ研修スキル
- 27 けんかでけがをしたときのトラブル防止スキル
- 28 休養・早退させるときの対応スキル
- 29 子どもの命を守る虐待防止スキル
- 30 ヒヤリハットを防ぐ食物アレルギー対応スキル
- おわりに
はじめに
私は,昭和最後の63年4月に養護教諭として小学校に着任,子どもとともに泣いたり,笑ったりの充実した31年間を過ごし,平成最後の31年3月に養護教諭を退職しました。感慨に浸る間もなく,令和の始まりとともに大学での養護教諭養成の道を歩き始めた私に,一通のメールが届きました。
「若い世代の養護教諭の先生方が,ひとつの指針として使えるような養護教諭の仕事とスキルについての本をつくりませんか」
健康課題が多様化,深刻化する中で,養護教諭に求められる役割はますます大きくなっています。しかし,養護教諭は多くの場合一人配置のため,同職種の先輩からその場で具体的に仕事のコツを教えられたり,スキルを見て学んだりする機会が得られにくい状況にあります。また新卒でも着任したときから自分で考えて判断し,専門職として山積する課題に対応することが求められます。私たち養護教諭は,求められる役割に応え,よりよい仕事をしていくためにどのようにスキルの向上を図っていくとよいのでしょうか。
私の新卒時代は,大学で学んだ知識を現場の状況に合わせ仕事にどのように生かしたらよいのか,また実際には何をどのようにするとよいのか皆目わからず,前任の先生からの引継ぎと周囲の先輩養護教諭の方々のアドバイスを頼りに迷走する日々でした。本書は,そのような多くの先輩方や仲間の支えから得られた経験と数々の失敗や迷い,日々子どもたちが教えてくれたことから生まれました。
本書の提案は,唯一無二の「正解」ではありません。かつての私のように「どうしよう?」と迷ったとき,隣の学校の養護教諭に尋ねるような気持ちで本書を開いて,ヒントにしていただけたら幸いです。そして,様々な学校の保健室で子どもたちと向き合い,日々奮闘している養護教諭のみなさんのお役に少しでも立てたら嬉しく思います。
2020年1月 /森 慶惠
読む前と読んだ後では知識の量が随分と変わりました。養護教諭の方に直接お話を聞く機会はなかなかないですが、この本を読んで養護教諭にしか知らない多くのことが知れて大変良かったです。
コメント一覧へ