- はじめに
- 本書の使い方
- Prologue 中学校外国語科 新しい英文法指導のポイント
- 1 なぜ「言語活動を通して」なの?
- 2 「言語活動を通して」はどこから始まるの?
- 3 「コミュニケーションにおける見方・考え方」って何?
- 4 言語はどのように習得されるの? ―インプットからアウトプットへ―
- 5 言語活動を通して,全ての指導を行わなくてはいけないの?
- 6 「目的・場面・状況」と「相手意識」はどうもたせればいいの?
- 7 言語使用における生徒へのフィードバックはどうすればいいの?
- 表1 学校質問紙調査の結果「言語活動に関する質問と正答率のクロス集計」
- 表2 生徒質問紙調査の結果「言語活動に関する質問と正答率のクロス集計」
- Part1 感嘆文の指導アイデア 中学2年
- [英文法解説]感嘆文
- [授業プラン]教師が本当に感嘆したことを伝えよう!
- アクティビティシート 形容詞一覧
- ワークシート・解答 感嘆文 How〜!/What(a/an)〜!
- すらすら英文法 感嘆文「なんて〜なんだろう」
- Part2 接続詞の指導アイデア 中学2年
- [英文法解説]接続詞(if, when, because, and, but, or)
- [授業プラン]きれいな夕日は晴れの前兆? ―ifの導入は迷信で!―
- アクティビティシート こんな迷信,知っているかな?
- ワークシート・解答 接続詞「もし〜ならば」
- すらすら英文法 接続詞「もし〜ならば」
- Part3 現在完了進行形の指導アイデア 中学3年
- [英文法解説]現在完了進行形
- [授業プラン]歌で導入!「線路はつづくよどこまでも」
- アクティビティシート 現在完了進行形「ずっと〜している」
- ワークシート・解答 現在完了進行形「ずっと〜している」
- すらすら英文法 現在完了進行形
- Part4 仮定法過去の指導アイデア 中学3年
- [英文法解説]仮定法過去
- [授業プラン]仮定法過去@ 昔話で導入! I wish I could 〜.
- アクティビティシート 仮定法過去@ 「〜だったらいいのになぁ」
- ワークシート・解答 仮定法過去@ I wish 〜.
- [授業プラン]仮定法過去A 「もし木こりなら…」 If+主語+動詞の過去形, 主語+would/could
- アクティビティシート 仮定法過去A 「夢を描こう!もしもし大作戦」
- ワークシート・解答 仮定法過去A If +主語+動詞の過去形〜.
- すらすら英文法@ 仮定法過去@ 「〜だったらいいのになぁ」
- すらすら英文法A 仮定法過去A 「もし〜なら,…するのに」
- column@ Scaffolding(足場架け)を忘れていませんか?
- Part5 原形不定詞の指導アイデア 中学3年
- [英文法解説]主語+動詞+目的語+原形不定詞
- [授業プラン]「上下絵」で導入! 笑わせてみせます!
- アクティビティシート What makes you laugh?
- ワークシート・解答 「〜に…させる・手伝ってもらう」
- すらすら英文法 「〜に…させる・手伝ってもらう」
- Part6 主語+動詞+間接目的語+that/whatで始まる節の指導アイデア 中学3年
- [英文法解説]主語+動詞+間接目的語+that/whatで始まる節
- [授業プラン]主語+動詞+間接目的語+thatで始まる節
- アクティビティシート だれが何と言っていたかな?
- ワークシート・解答 「○○が,〜に…と言う・教える」
- [授業プラン]主語+動詞+間接目的語+whatで始まる節
- アクティビティシート だれに何と尋ねたかな?
- ワークシート・解答 「○○が,〜に…と尋ねる・教える」
- すらすら英文法@ 「○○が,〜に…と言う・教える」
- すらすら英文法A 「○○が,〜に…と尋ねる・教える」
- columnA 英語授業の3つの楽しさ
- Part7 主語+be動詞+形容詞+thatで始まる節の指導アイデア 中学3年
- [英文法解説]主語+be動詞+形容詞+thatで始まる節
- [授業プラン]イギリス旅行の思い出 ―気分はハイなのかな?―
- アクティビティシート 嬉しい時,悲しい時,それはどんな時?
- ワークシート・解答 「〜して嬉しい・悲しい・〜だと確信している」
- すらすら英文法 「〜して嬉しい・悲しい・〜だと確信している」
- おわりに
はじめに
2021年度から中学校で新教育課程が始まります。今回の学習指導要領改訂では,外国語科において大きな変化がありました。
1つ目は,「語彙数の増加」です。今まで1200語程度だった語彙は,今回,1600〜1800語程度となり,小学校外国語活動及び外国語で学習する600〜700語を含めると,中学校卒業までに2200〜2500語を履修することとなりました。もちろん全てを発信語彙とするわけではなく,聞いてわかる,読んでわかる受信語彙もその中に含まれています。知識・技能を活用するという視点で,使える語彙を身に付ける指導は大事です。
2つ目は,「新文法の登場」です。「仮定法」「現在完了進行形」「感嘆文」「主語+動詞+間接目的語+that/what」「主語+動詞+目的語+原形不定詞」「主語+be動詞+形容詞+thatで始まる節」が指導事項として追加され,「接続詞」「助動詞」「前置詞」は文法事項として新設されました。今回の改訂において,知識・技能は実際のコミュニケーションにおいて活用できるものとして位置付けられ,「言語活動を通して」が1つのキーワードになっています。活用できる英文法の指導が望まれます。
3つ目は,「外国語を使って何ができるようになるか」という視点です。新教育課程全体を通じ,「何を学び」「何ができるようになるのか」「どのように学ぶのか」といった3つの柱が示され,「何が身に付いたか」を見取る学習評価も導入されました。語彙や文法の知識がどれだけ身に付いたかという視点から,実際のコミュニケーションにおいて活用できる知識・技能の育成,外国語を使って何ができるのかという視点への大きな転換となります。
4つ目は,「伝え合う」です。今回の学習指導要領では,度々「伝え合う」という表現が出ています。筆者はそこに,対話的な学びの姿を思い浮かべます。つまり,一方的に表現すればよいのではなく,そこに何らかのコミュニケーション・対話をイメージするのです。話すことも「やり取り」と「発表」に分かれました。これは当然のことと思われます。そして「やり取り」には,どちらかというと即興性が求められます。準備のない発話です。実は「発表」においても,準備のない発表もあり得ます。Tell me about your future dream.と言われ,短い時間で自分の将来の夢を語るのは,即興的な「発表」となります。
5つ目は,「小学校英語との接続」です。学習指導要領の解説編においても,「各学校段階の学びを接続させるとともに(p.7)」とあるように,小学校の学びをどう引き継ぎ,発展させていくかが,これからの中学校英語教育に求められています。
本書は,新しい学習指導要領に対応すべく,既刊の学年別『絶対成功する!英文法指導アイデアブック』(明治図書)を補完し,新英文法指導のアイデアを提案するものです。
2021年3月 岐阜大学教育学部 /瀧沢 広人
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