- はじめに
- 第1章 ミニサクワークで書く力をぐんぐん育てる
- 1 新学習指導要領で求められている書く力
- 2 ミニサクワークで育てる書く力
- 3 書く力を育てる手立て
- 第2章 学年別ミニサクワークの最強活用ポイント
- キーポイント1 子どもの「楽しい」を引き出す工夫
- @楽しい活動名をつける
- A楽しい題材を選ぶ
- キーポイント2 子どもの「書きたい」をつかむ工夫
- @実態に合わせた活動・時間を設定する
- A子どもの負担にならない文字数を提示する
- キーポイント3 子どもに書く力をつける工夫
- @思考ツールを活用する
- A課題を自覚化し、様々な場面での書く力をつける
- キーポイント4 書く力がついたことを子どもが実感する工夫
- @以前と比較した振り返りをする
- A読み手に褒めてもらい自信をつける
- キーポイント5 教師が評価しやすくなる工夫
- @設定した指導事項に限定して評価できる
- A隙間時間を活用して評価できる
- 第3章 コピーして使える!10分間ミニサクワーク45
- 1 ものの見方を広げよう (5年向き)
- 2 おもしろ自己紹介 (5年向き)
- 3 ◯◯小学校、再発見! (5年向き)
- 4 スクープ! (5年向き)
- 5 データはうそをつかない!―解決策を提案します― (5年向き)
- 6 学級活動の内容を提案しよう! (5年向き)
- 7 今日のこんだて ここが楽しみ! (5年向き)
- 8 このニュース、ぼく・わたしはこう見る (5年向き)
- 9 引用で説明ゲーム (5年向き)
- 10 言葉マッピング (5年向き)
- 11 季語くじびきに挑戦! (5年向き)
- 12 「心の川柳」で伝えよう! (5年向き)
- 13 食レポにチャレンジ (5年向き)
- 14 日常が輝く思い出川柳 (5年向き)
- 15 ヴィジョンの達成に向けて (5年向き)
- 16 聞こえた音から (5年向き)
- 17 わたしの漢字一文字 (5年向き)
- 18 心にひびく歌詞 (5年向き)
- 19 わたしと◯◯ (5年向き)
- 20 タイトル・インパクト (5年向き)
- 21 理想の夏・冬休み! (5年向き)
- 22 秘技!◯◯攻略法 (6年向き)
- 23 憧れの移住プラン (6年向き)
- 24 至高の一品を紹介しよう! (6年向き)
- 25 紹介したい言葉 (6年向き)
- 26 これに決めた!クラスキャラクター (6年向き)
- 27 六年○組 ニュースリポート (6年向き)
- 28 一年生のお世話の仕方教えます (6年向き)
- 29 言葉を連想して俳句づくり (6年向き)
- 30 句へのストーリー! (6年向き)
- 31 イメージをふくらませて短歌をよもう (6年向き)
- 32 ミニ直木賞作家になろう (6年向き)
- 33 アップ!ルーズ!マイセルフ! (6年向き)
- 34 この詩の素敵を見つけたよ (6年向き)
- 35 夏休みから一句 (6年向き)
- 36 感謝状 ○○な君へ (6年向き)
- 37 〈○○度〉クライマックス! (6年向き)
- 38 挑戦状 ○○の自分へ (6年向き)
- 39 これはおすすめ!○○ベスト3! (6年向き)
- 40 表現をみがけ!ワードアップ (6年向き)
- 41 三文ふりかえり (6年向き)
- 42 忘れられない言葉 (6年向き)
- 43 自分に一言 伝えよう (6年向き)
- 44 推します!○○といったら〜〜! (6年向き)
- 45 代表スピーチにプラスワン! (6年向き)
- 【付録】コピーして使える10分間ミニサクシート
- 執筆者一覧
はじめに
東京学芸大学名誉教授の大熊徹先生が10分間ミニ作文を最初に提案なさったのは二〇一五年になります。大熊先生は書くことの指導はずっと教師の課題であり続けており、その原因は子どもが作文を嫌いになってしまう、作文の評価が難しい(時間がかかる)と指摘されています。そのため「10分間ミニ作文ワーク」が出版され、多くの先生方に支持されました。
しかし、この状況は残念ながら今もなお変化がないと思われます。全国学力学習状況調査やPISAでも記述問題の無回答が問題になったり、お忙しい先生方も働き方改革で子どもの書いた文章を読む時間がとれなくなったりしてきています。ますます授業時数の制約が厳しくなり、子どもがじっくりと書く時間がとれなくなってきています。学校外でも子どもたちは習い事や塾で忙しくなり、自分のことをじっくりと振り返って日記を書くということもできなくなっています。このような状況から「10分間ミニ作文ワーク」を更に発展させ、令和の時代に対応できるように修正する必要が出てきました。
そこで本書では、大熊先生が提案された「10分間ミニ作文ワーク」を次のように発展させました。
1つ目は新学習指導要領に対応したことです。10分間ミニ作文をしても書く力がつかなければ意味がありません。新学習指導要領に対応する学力を身につけたり、定着したりできるよう指導事項に対応するようにしました。
2つ目は今の子どもの日常に合うようテーマを再考したことです。変化の激しい時代ですので、二〇一五年と現在では子どもの興味・関心は異なります。現在の子どもが興味をもてる楽しいワークになるようにしました。
このような観点で「10分間ミニ作文ワーク」を発展させ、子どもにとっては楽しくて書く力がつく、先生方にとっては気軽に短時間で実施できるワークにしました。ぜひ朝学習、帰りの会、放課後など空いている時間に書くことが得意な子はもちろん、苦手な子にも取り組ませてみてください。どの子もきっと笑顔で楽しみながら取り組めることと思います。
本書は次のような構成になっています。まず第1章でどのような力がつくのか、書くことの指導のポイントとして5つあげます。それは以下の5つです。
・子どもの「楽しい」を引き出す工夫
・子どもの「書きたい」をつかむ工夫
・子どもに書く力をつける工夫
・書く力がついたことを子どもが実感する工夫
・教師が評価しやすくなる工夫
どれも子どもが楽しく、そして書く力をつけるため、また先生方に気軽に取り組んでいただくためには必要な要素です。なぜそれが必要かを第1章で説明していきます。
第2章ではそれぞれの指導のポイントを実現するにはどうしたらよいのか、低学年、中学年、高学年、それぞれにおいて具体的な方法を提案します。
第3章はワークシートになっています。見開き2ページで構成されています。右ページには実践する際の参考情報が書かれています。「実施時期」、「指導のポイント」、「留意点」、「発展させよう!」と分けて書いてありますが、お忙しい先生方がすぐに実践できるよう、できるだけ短く簡潔に書くようにしました。左ページは子どものワークシートです。子どもが取り組みたいと思うよう、レイアウトを工夫しました。この左ページをそのまま印刷していただけるようになっています。
朝学習、授業中、空き時間、帰りの会、放課後などいつでもどこでも取り組んでいただけたら幸いです。
二〇二〇年十二月 /細川 太輔
-
- 明治図書
- 朝の時間などに継続して取り組みやすい。ヒントも書かれているので、書くことが苦手な子にも使いやすかった。2023/3/1230代・小学校教員