- はじめに
- 序章 ICTを活用してワンランク上の仕事を目指す
- 01 GIGAスクール構想で変わる,教師に求められる力
- 02 ICT×5つの視点で教師の仕事を改革する
- 第1章 業務の効率を高める
- 01 クラウドによる文書作成
- Webアプリで,いつでもどこでも簡単に作業する
- 02 アウトライナーに情報を蓄積
- 情報を構造化して整理できる
- 03 キーボードショートカット活用
- 手を離す時間を減らして作業時間を短縮する
- 04 学校PCの利便性向上
- 周辺機器を追加して快適な作業環境を手に入れる
- 05 デジタルノートによる情報整理
- 複数の端末から1つのデジタルノートに情報を集約する
- 06 音声入力による文書作成
- 隙間時間を有効活用して文章をつくる
- 07 スキャンアプリでペーパーレス生活
- 配付されたプリントはすぐに廃棄する
- 第2章 チームの生産性を高める
- 01 効率的な参観日授業一覧作成
- ファイル共有で複数名同時に編集する
- 02 ファイル共有とコメントの活用
- ファイルのメール添付をやめる
- 03 アンケートフォームの活用
- 紙のアンケートをやめ,集計の手間を圧倒的に短縮する
- 04 動画を使った授業検討会
- 全員が発言できる環境をつくる
- 05 ペーパーレス職員会議 Ver.1
- 効率的なペーパーレス会議をClassroomで行う
- 06 ペーパーレス職員会議 Ver.2
- 効率的なペーパーレス会議をTeamsで行う
- 第3章 学級経営の質を高める
- 01 修学旅行のデジタルしおり作成
- 修学旅行の準備やまとめを協働作業で効率よく行う
- 02 児童・生徒の作品データベース作成
- 作品提出フォームに自分の作品を自分で登録させる
- 03 教室にスマートスピーカー
- AI技術の日常使いでSociety5.0を身近に感じさせる
- 04 早押しゲームで学級開き
- ゲームで楽しく学級の約束を伝える
- 05 プレゼンテーションソフトによる協働作業
- 同時編集で効率をアップさせる
- 06 学級経営方針を伝える動画作成
- AR表示可能なQRコードを資料に載せる
- 第4章 授業の質を高める
- 01 動画で音読練習
- 上達を実感できるから音読練習が続く
- 02 動画で行う授業の振り返り
- ノートを使わない授業でも確実に振り返りを行う
- 03 JP法で時短簡単プレゼンテーション
- Jamboardでプレゼンテーション資料をつくる
- 04 授業をスマートにするスマートウォッチ
- 便利なツールを常に身につける
- 05 児童生徒の反応をリアルタイム集計
- リアルタイムに投票結果を確認できるサービスを使う
- 06 非同期で楽しむ外国との交流
- 学んだ英語をFlipgridで使ってみる
- 07 いつでもどこでも音楽を
- ワイヤレススピーカーで快適に授業する
- 08 動画によるリコーダーテスト
- 緊張しない音楽の実技テストを効率的に行う
- 09 自分の考えを描きながら動画で発表
- 考える過程をそのまま動画にして共有する
- 10 いろいろなものを動画で発表
- 画面を録画して動画を投稿する
- 第5章 自己の知識を研鑽する
- 01 世界中に仲間を
- 世界で23億人以上の利用者がいるFacebookに登録する
- 02 認定教員になりさらなる知識を
- Microsoft,Google, Appleの認定を受ける
- 03 実践を世界に発信
- 情報を発信して,さらに新たな情報を得る
- 04 授業を変える8マスのフレームワーク
- 新しい時代に合わせた授業をデザインする
- おわりに
はじめに
「もっと楽な方法があるはずなんだよなあ」
妻の言葉を聞いて,この本を書こうと思いました。
この本はICTを使って学校の仕事を「楽」にする方法について書いています。
「楽」といっても怠けることではありません。効率よく「楽」に仕事を進めて,仕事を「楽」しくするのです。
ICTを積極的に活用することで,業務が効率化され時間が生まれます。
授業準備や子供と向き合う時間ができるだけでなく,自分を充実させるための時間も生まれます。
教員はもっとICTを活用するべきです。
電車の乗り換えはスマートフォンを使うと一瞬で調べられます。最短ルートや乗り換えが少ないルート,もっとも安いルートなど,様々な情報も一緒に得られます。
時刻表を使って調べても,得られる結果は同じです。しかし,膨大な時間がかかります。調べ終えた時には,発車時刻を過ぎているかもしれません。
だったら,時間がかからず,効率的な方がいい。
学校の仕事だって同じこと。
ICTを活用して,効率的効果的に仕事を進められるのであれば,積極的に使ったほうがいい。
同じ結果が得られるのであれば,アナログな方法で時間を浪費するのは避けるべきなのです。
この本で紹介していることを実践すると
1 作業にかかる時間を短縮することができます。
2 子供たちが授業中に思考する時間を増やすことができます
3 アナログな方法ではできなかったことが可能になります
教員こそ,ICTを積極的に活用するべきなのです。
子供たちにとって最も身近な大人である教員は,ゆとりをもって仕事をして,充実した人生を送っている背中を,四六時中見せつける義務があるのです。
まずはこの本で紹介するアイデアの中から1つでもいいので,実践してみてください。それで生まれる時間は1日のうちほんの数分かもしれません。その数分を少しずつ積み上げていくことで,自分の人生が輝き,子供たちに良い影響を与えるのです。
現場の先生方へ
この本に書いてあることを実践すると,確実に仕事を効率化できます。導入初期は一時的に効率が低下するかもしれませんが,慣れてきたら飛躍的に効率が向上します。その結果生じた時間を,まずは自分のライフスタイルを向上させるために使ってください。自分を大事にしない人が子供たちを大事にできるはずがありません。その後で,子供たちと向き合うことに時間を使ってください。子供たちに疲れた大人の背中を見せないようにしましょう。大人って楽しそうだな! と思わせましょう。
自分が苦手でも,子供たちは,ものすごい勢いでICTを使いこなします。子供たちのそばに寄りそい,成長を見守る姿勢を貫いてください。子供たちは絶対に何か「やらかし」ます。そのときに制限するのでなく,じっくりと考えさせてあげてください。
ICT支援員のみなさんへ
この本に書いてあることを「これやりたいんだけどどうしたらいいですか」と相談されたら,職務の範囲内でお手伝いをしてあげてください。
もっと効率的な方法を知っていたら,それを示してあげてください。現場の先生はICTで何ができるのかをイメージできていないだけです。イメージできたらものすごい勢いで使い倒すでしょう。
管理職の皆様へ
この本に書かれていることは管理職や教育委員会のICT担当の皆様の理解がなければ実現できないものが多いです。この本で紹介したことのいくつかを実践できれば,確実に学校のICT活用が活性化し,授業が変わります。業務が効率化し,働き方改革につながります。
デジタル端末は長くても5年もしたら使えなくなり,機器を更新しなければなりません。公費負担であれ,保護者負担であれ,稼働率が低いものには,なかなかお金を出してもらえないと予想されます。すぐに学力の向上に直結することはないかもしれませんが,導入した端末の稼働率は確実に向上します。
ぜひ先生方がICTを活用しやすい環境整備に力をお貸しください。
※本書で掲載している情報は執筆時点(2021年7月)のもので,アップデート等により変更されている可能性がございます。
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