- はじめに
- 第1章 まず押さえたい! 3つの基本術
- 学級づくりの術
- I thinkの前には理論が必要
- 授業づくりの術
- 「気になる子」が笑顔になる授業は,学級のみんなが笑顔になる授業
- 関係づくりの術
- 思春期の生徒に伝わる言葉をかける
- 第2章 イラスト図解でわかる!中学校教師の仕事術 超入門
- 社会人としてのマナー
- 校内でのマナー
- 校外でのマナー
- 学級スタートアップ
- 1年
- 2年
- 3年
- 学級づくり
- 学級ルールづくり
- 学級通信
- 保護者会
- 朝の会・帰りの会
- 席替え
- 学級行事
- 授業づくり
- 教材研究・授業準備
- 説明・指示・発問
- ペア・グループワーク
- 板書
- ICT活用
- テスト作成・成績処理
- 関係づくり
- 生徒との関係づくり
- 保護者との関係づくり
- 同僚との関係づくり
- 部活動
- 活動計画
- 練習の運営
- 試合の運営
- 生活指導・生徒指導
- 給食・清掃指導
- 服装・身だしなみ指導
- 問題行動への指導
- SNS指導
- 進路指導
- 全日制高校進学者への指導
- 通信・定時制高校進学者への指導
- 校務分掌
- 校内の校務
- 対外的な校務
- スケジュール管理
- 仕事の管理
- 生活・健康の管理
- 自己研鑽
- 趣味・余暇を活かす研鑽
- 書籍・研修を活かす研鑽
- おわりに
はじめに
本書は教職の道を歩み始めた若い中学校の先生方に向けて,生徒とのかかわり,授業,保護者とのかかわり,部活動指導等々,様々な場面で使える仕事術の基本をまとめた一冊です。執筆者である10人のベテランの先生方の仕事術について,「イラスト図解」を交えながらそのポイントをわかりやすく紹介しているので,真似をしながら教師力を高めることができます。
私は今,全国各地の先生方と対面・オンラインという様々なスタイルの研修の場でお会いすることが多くあります。その際,特に若い先生方から次のような悩みを聞くことがあります。
子どもが好きで教師になったのに思春期の生徒とのかかわりがとても難しい/保護者からの相談・要求にうまく応えられない/次週の授業準備のため,休日にまったく自分の時間がとれず,ストレスがたまる/希望しない部活動担当となり,気持ちを入れて指導できない/生徒の希望・成績のズレがある進路指導が難しい…等々
皆さんは職員室で周りの先生方を見渡し,「誰もが仕事をきちんとこなしているのに,それができない自分は教師に向いていないのかも…」等々,自信をなくすことがあるのではないでしょうか。そのような皆さんに対して,私は「○○先生,大丈夫ですよ!」と声を大にして伝えたいと思います。なぜなら教師であれば誰もが若いときには多くの失敗をし,悩みを抱え,周りに助けてもらって今があるからです。
教職に限らず,どのような仕事でも初任,新人が悩むのは当たり前のことです。皆さんであれば子どもとのかかわり,授業,保護者とのかかわり,部活動指導等々,様々に悩むことがあるでしょう。そうしたときには,周りの先輩たちのかかわり方,授業,指導などを見せてもらい,その中のいくつかを真似てみればよいです。「学ぶ」という言葉の語源は「真似(まね)ぶ」。まずは,ひたすら真似る。そして,その真似が自分の中になじむと,やがて,真似を土台にした自分らしさが生まれ,自身の成長を感じることができるようになります。
本書の執筆者である10人の先生方は,私がこれまで様々な機会・場で共に学んだ方々であり,その教育観,教育技術,教育愛に加え,お人柄にも私自身が強く惹かれている方々です。各種テーマに沿って先生方が提示した仕事術をぜひ,皆さんの引き出しにお納めください。勤務先の先輩から学ぶ仕事術,そして,本書から学ぶ仕事術が,教師としての皆さんを守る・支えるときがあるでしょう。
各事例では,イラストレーターMoeさんによる優しいタッチの「イラスト図解」を通して,仕事術のイメージを捉えられるようになっています。「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して〜全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現〜(答申)」(中央教育審議会,2021)に示されている新たな教育の実現に向け,「働き方改革」「ICT活用」「個別最適な学び・協働的な学びを組み合わせた授業づくり」などの検討は欠かすことはできません。皆さんが,これらの直面する課題検討を行う際,各事例を参考にしていただけたら…と,願っています。
教職39年目の私は今年度を含め,残り4年で現在の職場の定年を迎えます。これまで様々な困難・悩みに直面しながらも,元気に仕事を続けることができたのは,多くの先輩,同僚,書籍,研修等から学んだ仕事術のおかげです。それゆえに「今度は私が若い先生方の応援をしたい」という願いをもち,その願いが形になったもの…それが本書です。本書を皆さんの応援者の一人に加えていただけるならば幸せです。
令和4年8月 いつでもどこでも皆さんを応援する! /曽山 和彦
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- 明治図書
- 仕事に取り組む上でのポイントやこだわる点について紹介されていて参考になった。2022/8/1830代・中学校教員