令和版 数学科の授業づくり はじめの一歩 中学1年編

令和版 数学科の授業づくり はじめの一歩 中学1年編

教科書の行間まで、読めるようになる

数学に精通していても、中学生に数学を教えるのは難しい。そんな、数学を教えることの難しさに悩み迷いながらも、一歩ずつ成長していくことを支える一冊。中学1年全単元の内容の教え方を、易しく、詳しく解説します。(『数学科の授業づくり 中学1年編』の改訂新版)


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PDF
ISBN:
978-4-18-442122-6
ジャンル:
算数・数学
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 152頁
状態:
在庫あり
出荷:
2025年2月17日

もくじ

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はじめに
第1章 正の数・負の数
小単元1 正の数・負の数の必要性と意味
小単元2 正の数・負の数の加法・減法
小単元3 正の数・負の数の乗法・除法など
小単元4 正の数・負の数の活用
小単元5 個に応じた学習の時間
COLUMN 努力を要すると判断される子供への対応
LET'S TRY! 「学習記録票」活用法
第2章 文字の式
小単元1 文字を用いることの必要性と意味
小単元2 文字の式の計算
小単元3 個に応じた学習の時間
COLUMN 表現力を育てるためのノートづくり
第3章 方程式
小単元1 方程式の必要性と意味及びその解の意味
小単元2 等式の性質と一元一次方程式の解き方
小単元3 一元一次方程式の活用
小単元4 個に応じた学習の時間
COLUMN 子供の発言をひろげる工夫
第4章 比例と反比例
小単元1 関数関係の意味
小単元2 比例の関係とその特徴
小単元3 反比例の関係とその特徴
小単元4 比例と反比例の活用
小単元5 個に応じた学習の時間
COLUMN まだまだ使える電卓の活用
第5章 平面図形
小単元1 図形の移動
小単元2 基本的な作図
小単元3 個に応じた学習の時間
COLUMN 挙手させることの効用
第6章 空間図形
小単元1 立体の特徴と平面上での表現
小単元2 空間における直線や平面の位置関係
小単元3 空間図形の平面図形の運動による構成
小単元4 立体図形の計量
小単元5 個に応じた学習の時間
COLUMN 板書に関する三か条
LET'S TRY! 自分のための教材研究
第7章 データの活用
小単元1 ヒストグラムと相対度数
小単元2 批判的に考察し判断すること
小単元3 多数回の試行と確率
小単元4 個に応じた学習の時間
COLUMN 教科書から学べる教師になろう

はじめに

 本書を手に取ってくださり,ありがとうございます。

 この本は,2005年に出版された『数学科の授業づくり 中学1年編』の改訂新版です。私が最初に書いた思い出深い1冊ですが,すでに初版から17年が経過。学習指導要領のサイクルでいうと,2世代前対応版ということになり,現在の教育課程からは相当のズレがあります。ところが,出版社はそんな本を売り続けてくれている…ということは今でも購入してくれている読者がいるわけで,大変申し訳ない思いが募っていました。そんなとき,「改訂しませんか」の相談を受け,本書の誕生に至ったというわけです。

 2005年版(以下,「旧版」とします)の特徴をひと言でいうと,「新しいことが何も書かれていない本」でした。中学校で数学を教える教師が,数学や授業について日々考えている極々当たり前のことをまとめた1冊だったのです。当時,私は学校現場での仕事を離れようとしていました。人生の1つの区切りを迎え,「今やらなければならないことは何なのか」と考えている時期でした。ちょうどそうした時期に,明治図書から「中学校の数学の授業について,各学年1冊,全3冊の書籍にまとめてほしい」,「内容や構成はすべておまかせします」との依頼を受けました。それならば,これまでに自分がやってきたことを,当時増え始めていた若手の教師やこれから教師を目指す若者たちに伝え引き継いでもらいたい…,これが旧版誕生の経緯です。

 自著を改訂することは,過去の自分と対話することから始まりました。旧版を久し振りに読み返してみた率直な感想は,「この先生,結構がんばってるじゃないか」でした。自画自賛と言われそうですが,今こんな教師に出会えたら,全力で応援してあげたいと思えました。当時の私は「自分の授業を何とかよくしたい」,「もっと数学を楽しめる子供を増やしたい」という思いに駆られて七転八倒する毎日を送っていましたが,「そのやり方に間違いはないよ」とエールを送りたくなりました。

 一方,旧版を読み直してみて大変驚いたこともあります。それは,20年近く前の本なのに,その内容にほとんど古さを感じなかったことです。特に,数学科の授業づくりに関する教師としての問題意識は,今でも問うに値するものだと感じました。このことは,過去の私に先見の明があったことを意味するものではありません。むしろ,年月を重ねても課題をクリアできなかったことの結果に思え,複雑な心境になりました。あなたが次の世代を担う教師を目指しているなら,ぜひこのことを理解して,私にはできなかった次の一歩を踏み出す役割を引き継いでほしいと思っています。

 改訂の基本的な考え方は次の通りです。まず,新著ではなく,改訂であることを大切にして,変更の必要なしと判断した内容については極力そのままにして,表現のみ見直しました。また,変更が必要な部分についても必要最小限の書き換えに留めたつもりです。次に,現状に鑑みて必要ないと判断した部分を削除しました。どこが削除されたのか気になる方は,旧版と読み比べてみてください。さらに,新たに書き加える必要のある部分を加筆しました。加筆したい内容は多岐に渡ったのですが,全体のページ数を旧版程度にすることで,書籍としての価格をできるだけ抑えることを優先しました。

 旧版については,これまでに多くの読者から感想を聞かせてもらうことができました。中学生に数学を教え導くという仕事の楽しさや難しさを共有させてもらえたことは,私にとっても新たな勉強の機会になりました。また,自分の経験を本にしてよかったという思いを強くすることもできました。それを引き継ぐこの改訂新版は,読者にどのように受けとめられ,役立ててもらえるでしょうか。あなたからのメッセージを楽しみにしています。

 最後になりましたが,旧版を長きに渡って刊行し続けるとともに,今回の改訂の機会を設定してくれた明治図書出版株式会社の矢口郁雄氏に心から感謝申し上げます。


  2022年12月   /永田 潤一郎

著者紹介

永田 潤一郎(ながた じゅんいちろう)著書を検索»

1962年東京都出身。千葉大学大学院教育学研究科数学教育専攻修了。1988年から千葉県内の県立高校と千葉大学教育学部附属中学校に17年間勤務。2005年から文部科学省初等中等教育局教育課程課で教科調査官として平成20年に告示された学習指導要領の改訂や学習指導要領解説の作成等を担当するとともに,国立教育政策研究所で教育課程調査官・学力調査官として研究指定校の指導や評価規準の作成,全国学力・学習状況調査の問題作成及び分析等に取り組む。

千葉県教育庁指導課教育課程室に勤務した後,2012年から文教大学教育学部で教員養成に携わりながら,全国各地で行われる研究会や研修会に積極的に参加して,学校現場の先生方と学び合う機会を大切にしている。現職は文教大学教授。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 今の時代に即した内容
      2023/5/1940代・教委
    • 各単元を小単元ごとに細分化されているため、より単元計画が組みやすくなった。
      2023/3/330代・中学校教員
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