- はじめに
- 本書2章の構成
- 1章 主体的・対話的で深い学びを実現する!音楽授業づくりのポイント
- 1 学習指導要領改訂の趣旨とこれからの音楽科教育
- 2 音楽科の授業実践と質的改善
- 3 年間指導計画作成のポイント
- 4 評価規準を作成する際の学年差に関する留意事項
- 2章 指導から評価までがよく分かる!題材モデル30
- 2年 歌唱
- モデル1 義太夫節の特徴を感じ取り,工夫して表現しよう
- 教材名「菅原伝授手習鑑」より「寺子屋の段」
- モデル2 日本歌曲を歌い継いでいこう
- 教材名「浜辺の歌」
- モデル3 作曲者のメッセージを考え,曲にふさわしい表現を工夫して歌おう
- 教材名「夏の思い出」
- モデル4 アカペラ混声四部合唱「学生歌」を歌おう
- 教材名「学生歌」
- 2年 器楽
- モデル5 創意工夫して「Yellow Submarine」をアンサンブルしよう
- 教材名「Yellow Submarine」
- モデル6 バロック時代の音楽を演奏しよう
- 教材名「2本のアルトリコーダーのための第3組曲」より「ロンド風のミュゼット」
- モデル7 箏の音色や響き,奏法の特徴やよさを感じ取り,「わらべうた」を演奏しよう
- 教材名「ひらいたひらいた」「かりかりわたれ」「かごめかごめ」など
- 2年 創作
- モデル8 物語を基にして旋律をつくり,変奏させよう
- 教材名「おむすびころりん」
- モデル9 コード進行を基に旋律をつくろう
- モデル10 わたしたちが上げたい花火
- 教材名「花火」
- 2年 鑑賞
- モデル11 曲の構成やバレエとの関わりを理解して聴き,そのよさや面白さを味わおう
- 教材名「ボレロ」「春の祭典」より「春のきざし」
- モデル12 多声音楽のよさや美しさを味わおう
- 教材名「フーガ ト短調」
- モデル13 音楽の特徴と絵画との関わりを理解し,音楽のよさや美しさを味わおう
- 教材名組曲「展覧会の絵」
- モデル14 ベートーヴェンは何を表現したかったのか考えよう
- 教材名「交響曲第5番ハ短調」
- モデル15 長唄の歌唱や歌舞伎の鑑賞を通して,我が国の伝統音楽のよさを味わおう(歌唱・鑑賞)
- 教材名歌舞伎「勧進帳」長唄「勧進帳」
- 3年 歌唱
- モデル16 曲種に応じた発声で,曲にふさわしい表現を工夫して歌おう
- 教材名「早春賦」「帰れソレントへ」「Let It Be」
- モデル17 詩や曲に込められた思いを生かして,美しい日本歌曲を歌おう
- 教材名「花の街」
- モデル18 混声四部合唱の響きを味わおう
- 教材名「大地讃頌」
- モデル19 令和の私たちが考える「親子で歌い継ぎたい 日本の歌選」
- 3年 器楽
- モデル20 My Soul Musicをギターで弾き歌いしよう
- モデル21 リコーダーアンサンブルを楽しもう
- 教材名「聖アントニーのコラール」
- モデル22 篠笛でわらべうたを演奏しよう
- 教材名「ひらいたひらいた」
- 3年 創作
- モデル23 「荒城の月」の前奏をつくろう
- 教材名「荒城の月」
- モデル24 自分たちがつくった旋律をまとまりのある音楽にして,私の学校の紹介ソングをつくろう
- モデル25 言葉の抑揚やリズムを生かし,音のつながり方を工夫しながら旋律をつくろう
- 3年 鑑賞
- モデル26 作曲者の思いを感じ取りながら,オーケストラの響きを味わおう
- 教材名 連作交響詩「我が祖国」から「ブルタバ(モルダウ)」
- モデル27 雅楽の特徴を理解し,我が国の音楽のよさを味わおう
- 教材名 平調「越天楽」「よさこい黒田武士」
- モデル28 音楽の多様性を理解し,様々な音楽の美しさを味わおう
- 教材名「LaLaLa Yodel」「O sole mio」「Oh Happy Day」「アリラン」「岳の新太郎さん」など
- モデル29 アリアの魅力
- 教材名 オペラ「フィガロの結婚」より「もう飛ぶまいぞ,この蝶々」「恋とはどんなものかしら」
- モデル30 「羽衣」の鑑賞と謡うたいを通して,能の魅力を知ろう(歌唱・鑑賞)
- 教材名能「羽衣」より
- 執筆者一覧
はじめに
平成28年12月21日に中央教育審議会答申「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」が示され,平成29年3月31日に,文部科学省令第二十号,すなわち,学校教育法施行規則の一部を改正する省令が定められ,幼稚園教育要領及び小学校と中学校の新しい学習指導要領の告示がなされました。そして,この学習指導要領が中学校においては,令和3年度から全面実施となりました。
先に,『中学校新学習指導要領の展開 音楽編』(明治図書)において,中学校音楽科における新学習指導要領の趣旨および目標や内容の具体について解説し,その具体をお示してきたところですが,その後,国では学習評価等についての議論が進められ,平成31年1月21日には中央教育審議会教育課程部会初等中等教育分科会報告として「児童生徒の学習評価の在り方について」,平成31年3月29日には,「小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価指導要録等の改善等について」(文部科学省初等中等教育局長通知)が示されました。そして,令和2年3月に国立教育政策研究所 教育課程研究センターから「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料」が示され,これで,新学習指導要領の下で目指すこれからの中学校音楽科教育の全容が明らかになったわけです。
ご存じの通り,新学習指導要領は「子供を主語にした学習指導要領」であると言えます。それは,「教師が何を教えるか」という側面だけではなく,「子供が何を,どのように学び,その結果として,どのような力が身に付き,何ができるようになるのか」という側面が重要視されているということであり,これからの社会を自分たちの手で切り拓いていく子供たちに,本当に必要な資質・能力を育んでいくことに他ならないのです。そのために,育成を目指す資質・能力を明確に示し,子供たちの「主体的・対話的で深い学び」を実現するための授業改善を推進することでその育成を図る。そして,その成果を,学習評価を通して的確に捉え,さらなる改善へとつなげる。まさに,「指導と評価の一体化」であり,このことを核として,各学校におけるカリキュラムマネジメントの推進につなげることまでが求められています。
各地域,各学校においては,新学習指導要領全面実施を受けて,これからの音楽科教育を志向する様々な取組がなされていることと思います。これまでの優れた教育実践の蓄積を生かしつつ,これからの新たな中学校音楽科教育を展開していく際の一つの指針として,本書に掲載されている珠玉の授業モデルが役に立てば幸いです。
最後に,本書にご執筆いただいた皆様,企画の段階からご助言いただいた明治図書出版の木村悠氏に心から感謝するとともに,全国の音楽科教育が一層発展することを祈っています。
2021年7月 /副島 和久・伊野 義博
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- 明治図書