実務が必ずうまくいく 中学校 国語科主任の仕事術 55の心得

実務が必ずうまくいく 中学校 国語科主任の仕事術 55の心得

新刊

知りたいこと、すべてわかる!

短時間の教科会を定期開催する、国語科通信で「よさ」を伝える、進度調整は柔軟に行う、生徒がのってきた発問を共有する、作問を通して授業力を磨き合う…など、初めてでも安心して務められる、中学校国語科主任の実務レベルの心得を徹底解説。


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PDF
ISBN:
978-4-18-450633-6
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 128頁
状態:
在庫あり
出荷:
2025年4月17日

もくじ

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はじめに
第1章 年度はじめに行うこと
01 教科会の先生方と仲良くなる
02 力がつき,すきまを埋める年間指導計画を作成する
03 観点別評価についての意識を合わせる
04 係の分担は公平を期する
05 授業の約束事を決める
06 漢字指導の方針を決める
第2章 教科会を教科運営と授業改善の柱にする
07 教科会の2つの役割を意識する
08 短時間の教科会を定期開催する
09 教科会の内容に一貫性をもたせる
10 教科会で扱う議題は早過ぎず,遅過ぎず
11 教科会は教室で行う
12 教科会で授業の話題を積極的に投げかける
13 単元のルーブリックを無理なくつくる
14 生徒の様子についての情報交換をする
15 うまくいかなかった授業のエピソードを出し合う
16 進度調整は柔軟に行う
17 授業に生かすという視点で学力調査を分析する
18 縦もち,横もちそれぞれの特徴を生かす
19 国語科通信で「よさ」を伝える
20 研究授業づくりをリードする
21 最終の教科会を丁寧に行う
第3章 教科会メンバーの知恵を集めて授業改善を図る
22 授業を見合う風土をつくる
23 各々のもち味を大切にして学び合う
24 得意な先生に学びながら教科としてICT活用を進める
25 ICT活用はベースラインを設定する
26 補欠授業で様々な情報を得る
27 板書を共有する
28 生徒がのってきた発問を共有する
29 ワークシートや自作資料を共有する
30 授業動画を見合う
31 本を紹介し合う
32 研修に出かけ,報告する
33 主任自身の授業の腕を磨く
第4章 各領域の授業づくりのポイントを共有する
34 学習指導要領の構造を共有する(話すこと・聞くこと)
35 短時間で効果的な活動を考え合う(話すこと・聞くこと)
36 魅力あるテーマを考え合う(話すこと・聞くこと)
37 階段を上るように活動を仕組む(話すこと・聞くこと)
38 単元で大切にする考え方を決め出す(話すこと・聞くこと)
39 発表し合う場を大切にする(話すこと・聞くこと)
40 学習指導要領の構造を共有する(書くこと)
41 調査活動を精選する(書くこと)
42 「書き方」を確実に指導する(書くこと)
43 時間がかかることを計算する(書くこと)
44 書いたものを交流し,自信をもたせる(書くこと)
45 指導事項の構造を共有する(読むこと)
46 「読み方を学ぶ授業」を合い言葉にする(読むこと)
47 文学的文章の教材研究を共有する(読むこと)@
48 文学的文章の教材研究を共有する(読むこと)A
49 説明的文章の教材研究を共有する(読むこと)
第5章 定期テストと評価を充実させる
50 「どのクラスの平均点も上げる」という意識を共有する
51 作問を通して授業力を磨き合う
52 定期テストに初見の文章を使う
53 「話す・聞く」「書く」の作問を工夫する
54 採点基準の検討を丁寧に行う
55 授業中の姿をどう評価するかを共有する
おわりに

はじめに

 端的に言って,国語科主任に求められることは,何でしょうか。

 それは,国語科教科会の「マネジメント」です。

 すなわち,複数の国語科教員で構成される国語科教科会が担う役割を効率的に,円滑に,運営・推進していくことです。

 では,国語科教科会が担う役割とは何でしょうか。すぐに思い浮かぶのは,以下のような「教科運営」に関わる仕事です。

・定期テストの範囲を教科会内で共有して授業を行う

・定期テストの範囲を各学年の係に伝える

・各学期の評定をつけて,各学年の係や学級担任に伝える

・夏休み前に読書感想文コンクールの案内をする

・文化祭前に行う意見文コンクールの企画・運営をする

 これらのことが円滑に進んでいくためには,「見通し」をもつことと,教科会メンバーそれぞれに「役割」があることが重要です。


 では,見通しや役割をはっきりさせていくために,国語科主任としてどんなことが必要になるでしょうか。

 カギとなるのは「教科会」です。教科会の内容を吟味することにより,教科会で行う業務を見通しをもって行うことにつながり,教科会メンバーが役割を自覚し,前向きに取り組むことにつながります。

 本書では,教科運営が充実するための教科会のもち方,話題について具体的に示しました。


 しかし,国語科教科会が担う役割は教科運営だけではありません。教科会の機能が校務推進のための教科運営にとどまっている学校は多いのですが,教科会の担う役割として最も肝心なことは,「生徒の学力向上」です。

 教科会メンバーは,一人ひとりが国語科指導の専門職です。教科会メンバーの知恵や経験を集めて,生徒の国語科の学力を向上させることにこそ,国語科教科会の本当の意義があります。


 では,そのために国語科主任はどのようなことをしたらよいのでしょうか。本書では,2つの観点から生徒の学力向上のための授業改善へのポイントを示しました。

 1つ目は,教科会メンバーの「授業」の共有です。50分の授業を参観するという,授業丸ごと共有ということもあります。一方,授業は「発問」「板書」など様々な要素で構成されていますから,それらを共有することも,お互いの授業力をさらに向上させることにつながります。本書では,授業の構成要素をあげ,どのような意識で,どのように共有を進めていけばよいのかについて示しました。

 2つ目は,国語科の「各領域の特性」の共有です。「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」それぞれに特性があります。中には,領域間で共通したものもあります。これらを改めて国語科主任が意識し,教科会メンバーに共有することによって,お互いの授業がより焦点化されたものになるでしょう。本書では,授業を行っていく際に必ず踏まえておきたい各領域の特性をあげ,特性に応じた授業の方向性を示しました。


 円滑な教科運営ももちろん大切ですが,教科会メンバーで一体となった授業改善は,昨日まで机に伏せていた生徒が教科書を開き,鉛筆を握る姿につながっていくでしょう。教科会メンバーと共に生徒にとって楽しく力がつく授業づくりを目指したい先生にとって,本書が1つの手がかりとなることを願っています。


  2025年2月   /小林 康宏

著者紹介

小林 康宏(こばやし やすひろ)著書を検索»

長野県生まれ。横浜国立大学大学院修了後,長野県内の公立小中学校に勤務。元長野県教育委員会指導主事。現和歌山信愛大学教授。日本国語教育学会理事。全国大学国語教育学会会員。きのくに国語の会顧問。東京書籍小学校国語教科書「新しい国語」,中学校国語教科書「新しい国語」編集委員。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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