- はじめに
- 第1章 授業準備の効率化
- 01 ワークシートをテンプレ化する
- 02 単元を見渡して授業をつくる
- 03 音声データを一括管理する
- 04 学校外にも教材のシェアをする
- 05 AIに問題作成を相談する
- 第2章 オンライン・配信ツールの有効活用
- 06 1年間を見通したリマインダーで未来の自分を楽にする
- 07 単元テストは生徒に採点してもらう
- 08 長期休業中も英語で生徒同士をつなげる
- 09 しゃべる英単語テストを導入する
- 10 英語科掲示板をつくり家庭と学校をつなぐ
- 11 YouTubeに動画を投稿する
- 12 AIで一般業務を効率化する
- 13 Padletを活用して英作文指導をする
- 14 YouTubeをうまく使って学校・自治体の「財産」をつくる
- 15 課題クリア型授業で主体的な学びと達成感を育む
- 第3章 英語指導力を高める仕組みづくり
- 16 年度はじめ・春休みの会議に集中する
- 17 気軽に連絡を取り合える環境をつくる
- 18 授業を見合う仕組みをつくる
- 19 英語通信を通して学習法を発信する
- 20 インターネット上に資料を保存して,ペーパーレスを目指す
- 21 全国の英語教員とつながる
- 22 ウェビナーや学会に参加する
- 23 専門書を定期購読する
- 24 定期的なおしゃべり会を開催する
- 25 外部講師を招聘する
- 26 英語科部会を定期的に開催する
- 27 年度のスタートはCanDoリストの確認と評価方法を伝える
- 28 テストが終わったら教科面談をする
- 29 教科書の使用方法を英語科全員で確認する
- 30 若手の先生が授業を見られる仕組みをつくる
- 第4章 迅速なフィードバックを実現する仕組みづくり
- 31 自動評価ツールをうまく使う
- 32 英作文の指導方法を押さえる
- 33 教科面談で生徒の学習状況を把握する
- 34 英作文のフィードバックをAIにやってもらう
- 35 「英作文問題集」で生徒のライティング力向上と自己成長を促す
- 第5章 教材の共有・共用化
- 36 共有フォルダを充実させる
- 37 授業を「型化」して共有する
- 38 地区内での交流会をする
- 39 空き教室を有効に使う
- 40 生徒への授業アンケートを実施する
- 第6章 ALTとの連携・協力体制
- 41 テストの内容をALTに確認してもらう
- 42 ALT交代時にやることを押さえておく
- 43 ALTの「状況」を考えてうまく授業を構成する
- 44 ALTと一緒に学校全体を英語の渦に巻き込む
- 45 パフォーマンステストはALTと協力して行う
- 第7章 生徒の自主学習力の向上
- 46 自律的に学習できるように具体的な道筋を示す
- 47 自主学習の道のりを提示する
- 48 自律学習のサポートは「夢の設定」から行う
- 49 Quizletを使って語彙学習をする
- 50 TypeGOを使って語彙学習をする
- 第8章 効果的・効率的なテスト作成
- 51 Googleアカウントを立ち上げる
- 52 テスト問題はテンプレ化する
- 53 たまには長文問題をAIにつくってもらう
- 54 リスニング問題は授業中に扱う
- 55 いつでもテストをつくれる環境をつくる
- Column
- 1 1人1台タブレットの導入でガラパゴス化する学校
- 2 主任の仕事はスタッフをチームにすること
- 3 本格的に書く前に,まずは書くことそのものに慣れる取り組みを
- 4 休もう
- 5 言いたいことはちゃんと伝えよう
- 6 英語ができないのは,正しく教えていないから
- おわりに
はじめに
はじめまして。福井県で中学校教員をしている江澤隆輔と申します。普段は,教室で生徒たちに「英語は楽しい!」と感じてもらえるよう奮闘しつつ,VoicyやX(旧Twitter),自分で勝手に立ち上げて勝手に運営している「英語教員がちサロン」を通じてぼちぼち発信もしています。
正直なところ,私のSNSやオンラインサロンでの発信は「教育者らしくしっかりした情報」とは少し異なり,時に笑いを交えながら,英語教育や働き方に関するリアルな思いを綴っています。その中で,意外にも共感や反響をいただき,「こういう情報をもっとまとめて書いてほしい」という声をいただくようになりました。本書『英語科主任の仕事術』は,そんな声に背中を押されて生まれた一冊です。
さて,英語科主任という役割は,実に「絶妙なポジション」です。一歩間違えれば板挟みの連続,でもうまく力を発揮すれば学年全体やチームをドラスティックに動かせる力をもっています。私はこの役割を「学校版・影の中間管理職」と呼んでいます。中間管理職というと,教頭職が思い浮かびますが,英語科のスタッフをまとめ上げながら,それでいて校長・教頭からのプレッシャー(?)も感じる。でも,リーダーシップを発揮しながらも,決して独り相撲にならない。英語科主任を経験されたことのある先生ならわかってくれるのではないでしょうか。
大切なのは,上下から圧と熱を感じながらも,信頼を築き,周囲の力を引き出しながら,目標に向かって進んでいくことです。本書では,そんな主任というポジションで得た経験や,日々の授業や仕事の中で培った「これ,意外と役立つな」という工夫をたっぷり詰め込みました。
執筆にあたり,まず感謝を伝えたいのは私の家族です。妻には,「執筆は頑張ってほしいけど,家事をサボる言い訳にしないでよ」と釘を刺されながらも,ときには「執筆している姿がカッコいいね」とおだててくれるおかげで,私はその気になってこの原稿を書き続けることができました。そして,息子たちと娘からは,元気と笑いと,ときには「おとうさん,またしごとしてるの?」というプレッシャーをもらいました。いつもどうもありがとう。
最後に,この本を手に取ってくださった皆さんへ。本書は「英語科主任の教科書」ではありません。「仕事術」と銘打っていますが,「こんなやり方もあるんだ」と気楽に読んでいただければ幸いです。そして,この本があなたの職場や日々の授業を少しでも楽しく,効果的なものにする手助けとなれば,これ以上の喜びはありません。
それでは,本書とともに,英語教育の現場に風を吹かせていきましょう!
2025年2月 /江澤 隆輔
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- 明治図書
- 教材のシェアや協働して授業をしていくために必要な視点がこまかく示されていて大変参考になりました。個人ではなくチームでどう進めるかということが一貫していて同僚や上司にも勧めたいと思いました。また、コラムで書かれていることも頷けることばかりでした。2025/3/3040代・中学校管理職