- はじめに
- 本書の使い方
- 索引
- 第1章 楽しく学んで、言葉の力を育てる
- 1 今、漢字の「書き」に思うこと
- 2 「漢字学習」のねらいと「漢字の『書き』」の有意性
- 3 漢字を楽しく学ぶために
- 4 言葉の力を育てる「漢字学習」
- 5 本ワークに込めた思い
- 第2章 チームで覚えて誤答が激減!「小学校1・2年」ラクラク漢字ワーク
- 1年(全80字)
- 1 キャンプだ、ホイ(解説/ワーク)
- 2 けしごむはこび、もちかたかくにん(解説/ワーク)
- 3 せんつなぎ、ぎざぎざ、ぐるぐる(解説/ワーク)
- 4 トン、スー、トン(解説/ワーク)
- 【一、二、三】
- 5 よこ、たて、よこ(解説/ワーク)
- 【十、土、王、正】
- 6 サーっとはらって(解説/ワーク)
- 【人、入、八、火】
- 7 ぴたっ、ぴょん、サー(解説/ワーク)
- 【小、赤、川】
- 解説8〜11 「おれ」と「かくとかくのあいだ」
- 8 「おれ」いろいろ@
- 【力、山、五】
- 9 たて、よこ、おれて「口」をかく
- 【口、中、右、石】
- 10 すきまをおなじに
- 【日、白、百】
- 11 「目」と、そのしたに
- 【目、貝、見】
- 解説12〜17 かんじのざいりょう
- 12 どっちにそらせる?
- 【子、手、字、学、気】
- 13 「まがり」はどこに?
- 【空、花、四、七、九】
- 14 あめあめふれふれてんてんてん
- 【雨、犬、玉、下】
- 15 「たててん」まんなか
- 【音、立、六、文、空】
- 16 「ひだりばらい」いろいろ
- 【千、人、大、月、右、左】
- 17 「おれ」いろいろA
- 【夕、女、糸、田、男、町】
- 解説18〜21 ここにちゅうい
- 18 おれてはねる
- 【月、青、円】
- 19 まん中からかく
- 【金、水、出、上】
- 20 上に出る?出ない?
- 【大、天、先、生、年】
- 21 「むし」の「あし」
- 【虫、足、車、早、草】
- 解説22〜26 かんじのおぼえかた
- 22 カタカナとかんじ
- 【力、夕、口、竹、名、耳】
- 23 「木」のなかま@
- 【木、本、林、森】
- 24 「木」のなかまA
- 【休、村、校】
- 25 「かず」をあらわす
- 26 「けしき」と「ひと」
- コラム 書字の姿勢
- 2年(全160字)
- 1 「まがり」はどこに?
- 【色、丸、兄、元、光、毛】
- 2 「そり」か「まがり」か?
- 【北、西、汽、風、切、地】
- 3 「左ばらい」いろいろ
- 【秋、毛、太、明】
- 4 ひろがる「はらい」
- 【家、場、形、顔】
- 5 よりそう「はらい」
- 【友、夏、麦】
- 6 「かく」のむきにちゅうもく
- 【科、星、冬、太、自】
- 7 かくかくしかじか
- 【弓、引、強、羽、弱、弟】
- 8 「出る」か「出ない」か@
- 【才、刀、半、分、午、牛、工】
- 9 「出る」か「出ない」かA
- 【用、角、通、知、矢】
- 10 ちがいにちゅうもく
- 【歌、数、考、教】
- 11 今日は何曜日?
- 【曜】
- 12 「はは」と「おんな」へん
- 【姉、妹、母、毎】
- 13 「にんべん」の右は、なに?
- 【体、作、何、行、後】
- 14 「いとへん」の右は、なに?
- 【組、細、絵、紙、線】
- 15 「さんずい」の右は、なに?
- 【汽、海、毎、池、地、活、話】
- 16 「ごんべん」の右は、なに?
- 【言、記、語、売、読、計】
- 17 何の上に、なべのふた?
- 【父、交、京、市、高、方、万】
- 18 「ひとやね」の下は、なに?
- 【食、今、会、合】
- 19 つく、つかない、どっち?
- 【公、分、谷】
- 20 「かんむり」の下は、なに?
- 【雲、雪、電、算、答】
- 21 「てん」四つ
- 【黒、魚、点】
- 22 「さと」のつくかん字
- 【里、野、理】
- 23 「しんにょう」の上は、なに?
- 【近、遠、首、道、週】
- 24 「かまえ」の中は、なに?
- 【門、間、聞、同、内、肉】
- 25 かこむかたちのかん字
- 【回、図、国、園、画】
- 26 「たれ」の下に、なにを書く?
- 【店、広、原】
- 27 日のへんしん
- 【明、晴、春、昼、書、寺、時】
- 28 カタカナかくれんぼ@
- 【社、当、外、台】
- 29 カタカナかくれんぼA
- 【多、帰、公、室】
- 30 にているところ、ちがうところ
- 【東、米、来、茶】
- 31 「十」からのたし算
- 【古、直、南、寺】
- 32 つながりをかんじて@
- 【馬、長、走、夜】
- 33 つながりをかんじてA
- 【作、船、新、親】
- 34 どの「画」が長い?
- 【黄、楽、番、前】
- 35 ぶ分のたし算
- 【戸、声、買、頭】
- 36 かん字のたし算@
- 【岩、鳴、鳥、朝】
- 37 かん字のたし算A
- 【心、思、止、少、歩】
- 解答
はじめに
漢字学習のワークは沢山刊行されていますが、その多くは、授業で扱う教材の新出漢字を取り扱っています。しかし本書は、それらとは全く異なる「漢字の『書き』に特化した効果的な学習法」を採用しています。言葉として漢字を覚え、日常生活で活用できるようになることを目指す「子ども達のための、子ども達の言葉の力を育てる」ワークです。
今から二十年前、全国の小中学校の児童生徒を対象に実施された「漢字の習得に関する調査」 では、「犬」の点を一画目の右下に書いた誤答等が報告されて、漢字の「書き」の力の衰えが問題視されました。筆者は、そこに挙がった一年から六年までの学習漢字一〇〇六字の膨大な誤答に自らが指導していた児童の誤答を加え、全てを分析し誤答出現の原因を探りました。
「書き誤り」の原因の一つは、見方の甘さ、認識面の問題です。子ども達の多くは、点画の込み入った部分をよく見ていません。逆に、その箇所に意識が集中して他の部分を見落としたり、似た字形の漢字を混同したりする場合もあります。もう一つの原因は、書き進め方が分からないという運動面の問題です。漢字を正しく書き進めるには、脳内に正しい形の漢字を作り上げておく必要があります。「書き進め方」は運動面だけでなく認識面も関係しているのです。これを踏まえて効果的な漢字の学習方法を検討し、「見方」と「書き進め方」の提示と誤答分析に基づく独自の「チーム編成」を確立しました(杉ア哲子『チームで覚えて誤答が激減!小学校全漢字1006字の「書き」ラクラク覚え方辞典』明治図書、2014)。
その後に刊行した「ひらがな・カタカナ」のワーク(杉ア哲子『文字を書くのが苦手な子どものための「ひらがな・カタカナ」ラクラク支援ワーク』明治図書、2016)は、ご好評いただいて版を重ね、既に多くの子ども達に活用されています。形のイメージ(見方)と動きのトレーニング(書き進め方)の提示、そして独自の「チーム編成」という学習法の有意性が認められたと考えています。(図省略)
この度、平成二十九年告示の学習指導要領で提示された漢字二十字を加えてチームを再編成し、「ワーク」の形に整えて子ども達に直接届けられることになりました。長年の継続的な研究の成果を具体化できて、心から嬉しく思います。
予測困難な社会において、次の時代を生きる子ども達に必要なのは、揺るぎない確かな「言葉の力」です。人は、言葉によって世界とつながり、言葉によって世界を広げていくからです。漢字を楽しく学んで、未来を拓く「言葉の力」を育てましょう。
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- 明治図書