- はじめに
- 第1章 日本一ハッピーなクラスをつくろう!
- すべてはとらえ方次第
- 知覚考動ではなく知覚動考で
- どんな子どもを育てたいのか?
- 野球少年にとってのイチロー選手になる
- 愛と汗で動ける人になる ―アボジと母の生き様から
- できていないことを意識する
- ムダなものは何もない
- 仲間とともに
- 第2章 日本一ハッピーなクラスのつくり方 笑顔が絶えない教室の39の秘密
- §1 価値観を共有し,みんなでハッピーなクラスをつくろう!
- 1 なんでもゲームにしてみよう! ―「あいさつ勝負」を例に
- 2 いろんなことを体感しよう! ―返事や机の整理を例に
- 3 「ちゃんと」の違いを意識しよう!
- 4 早く動いてみんなをハッピーに!
- §2 子どもと心をつなげる
- 5 新学期,子どもと出会うまでに
- 6 毎朝,子どもと出会うまでに
- 7 いろんなあいさつでみんなをハッピーに!
- 8 やる気をつくる朝の会
- 9 「ありがとう帳」から始まる1日
- §3 教室での心構え
- 10 授業を受ける心づくり,場づくり
- 11 礼を大切にする
- 12 できないことは美しい ―3匹のタイを飼っている
- 13 仲間で支え合う
- §4 自分らしさを表現できるハッピーな授業づくり
- 14 まずはクラスの状態の把握から
- 15 自分たちはできるんだ!
- 16 みんなで伸びるんだ!
- 17 声づくりは学級づくり
- 18 発表できる子どもを育てるために
- §5 子どもと思いっきり遊ぼう!
- 19 授業時間には見えない姿がある
- 20 朝も帰りも子どもの時間
- §6 給食時間もみんなハッピーに!
- 21 目指せ,残食ゼロ!
- 22 給食当番は廃止!?
- 23 レストランのムードをみんなでつくろう!
- §7 掃除で子どもを育てる
- 24 掃除から学ぶこと
- 25 掃除のよさを子どもと味わう
- 26 掃除のプロを目指して
- 27 掃除は楽しんでやるもの
- §8 トラブルはみんなが成長するハッピーチャンス
- 28 ケンカは神様からのプレゼント
- 29 ケンカが起きない仕組みづくり
- 30 しかるのとほめるのは難しい?
- 31 トラブルは予測して
- §9 保護者も一緒にハッピーに!
- 32 できるだけたくさんの連絡を
- 33 子どものいいところをたくさん伝える
- 34 伝え方,話の聞き方を意識する
- 35 学習参観日はどんな授業かわかるように
- §10 子どもの成長を目に見えるように
- 36 「ハッピーファイル」をつけよう!
- 37 「ハッピー年表」で子どもの成長を残す
- §11 日本中をハッピーに!
- 38 「あいさつ自動販売機」で町中をハッピーに!
- 39 被災地から学ぶ
はじめに
僕が今,教師として人並みに働けているのは,妻,兄弟,両親,先祖,そして,これまでに出会ってきたすべての方々のおかげです。32年の人生を振り返ると,すばらしい人たちに囲まれ,教えをいただき,毎日自分磨きを続けることができました。まさに,「我以外皆我師」です。出会ってくださったすべての方に感謝しています。
僕は在日韓国人三世です。僕の祖父母はこの日本で,命懸けであとに続く人のために道をつくってくれました。その道を両親が歩きやすいように整えてくれました。その道を今,自分で準備したかのように歩いているおめでたい存在が僕です。「あなたの夢はなんですか?」と聞かれたら,「両親にこの息子を生んでよかったと心の底から思ってもらうことです」と答えます。この夢にゴールはありません。両親が生きている間,常に自分を磨き続け,産み育ててくれた幸せを伝えたいです。そのことが何より,この教師という仕事を通してすばらしい子どもたちと出会い,自分自身もこの仕事を楽しむことにつながると思うからです。そして僕は,この仕事をだれよりも楽しめるようになりたいです。
教師になり,“ストップ学級崩壊”という言葉をよく耳にしました。僕自身が大学生のころは,学級崩壊をテーマにした本を基に授業が行われることもありました。そうして,無意識に頭の中では“学級崩壊させてはいけない”と考えるようになりました。そのような意識で子どもと向き合うと,多くの活動に対して,子どものトラブルが出ないように…と取り組むことになってしまいます。そうすると,教師という仕事が実に楽しくないものになってしまいました。
僕は,教師というのはとても楽しい仕事だと思っています。子どもも教師自身も大きく伸びていくすてきな仕事だと思っています。本来,すべての教育活動は子どもの力を伸ばすためにあります。そうした思いで取り組んだ活動と,“ストップ学級崩壊”と思って取り組んだ活動では,同じ活動でもイメージする子ども像が違ってくるため,結果は違ってくるように思います。この仕事は,とても夢のある仕事です。僕が書いた拙い文章から,少しでもそのことが伝わればと願っています。
本書の出版に当たっては,明治図書出版の矢口郁雄様に大変お世話になりました。遅筆の僕を終始励まし続けてくださり,今日に至りました。心よりお礼申し上げます。
2012年4月 /金大竜
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- 明治図書
- 「何を指導するか」でなく「誰が指導するか」。子どもにとって有益な指導者とあるにはどういう姿、そういう考え方でいたらいいのかを考えさせてくれる。2022/5/2430代・小学校教員
- 自分の思いもしない金先生の考え方や学級経営の仕組みを知ることができてよかったです。2018/2/2430代・小学校教員
- 金先生の想いが詰まった本でした。2016/2/1020代・小学校教員