著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
日本一ハッピーなクラスをつくろう!
大阪市立千本小学校教諭金大竜
2012/4/11 掲載
 今回は金大竜先生に、新刊『日本一ハッピーなクラスのつくり方』について伺いました。

金大竜きむ てりょん

1980年生まれ。
「日本一ハッピーな学校をつくる」ことを夢みる、教師歴11年目の大阪市小学校教員。周囲からは“ハッピー先生”と呼ばれている。
教育サークル「教育会」代表。「明日の教室」をはじめ、各地のセミナーで講師を務める。また、「あいさつ自動販売機」など、学級づくりにかかわる個性的な実践が注目を集め、様々なメディアで取り上げられている。
ブログ「日本一ハッピーな学校をつくろう」において、日々の学級での出来事や実践を配信中。

―金先生は、「ハッピー」をキーワードに掲げ、クラス全員が価値観を共有するクラスづくりを実践されています。この「ハッピー」という言葉に集約された、目指すクラス像についてお聞かせください。

 自分らしく自己表現しながら、自分のハッピーも他者のハッピーも実現しようとする、その中で一人ひとりの力が伸びるクラスをつくりたいと思っています。よい集団をつくることが目的ではなく、あくまで、個を伸ばしたいと考えています。しかし、子どもが個の力を伸ばすためには、子ども同士がつながり、子どもと教師がつながっている、安心できる空間でないといけないと思っています。そしてなにより、自分のハッピーと他者のハッピーはつながっていることを感じてほしいと思っています。

―金先生は、「当たり前のことが当たり前以上にできる子ども」の育成を目標の一つにされています。あいさつや掃除、整理整頓に力を入れることは、子どもの学習意欲や態度にどのような影響を与えていますか。

 “人の心にはクセがある”と僕は思います。人それぞれに、苦手なことに出会ったり、できないことに出会ったりしたときに出やすい心があります。それでも、(もちろん教師もですが)子どもには、だれが見てなくとも、自分に得がなくとも、目の前のことに懸命に取り組める人になってほしいと思います。そのためには、当たり前のことに当たり前以上に取り組める必要があります。それは、人を思う“おもてなし”にもつながるように思います。

―本書では、「あいさつ勝負」「ハイタッチあいさつ」「あいさつ自動販売機」など、あいさつにかかわる様々な実践が紹介されています。金先生が特にあいさつにこだわる理由を教えてください。

 上の話ともつながりますが、あいさつができるということも当たり前のことの一つです。しかし、あいさつをするとなぜよいのでしょうか。他にも、元気に返事をするとなぜよいのでしょうか。それは、なかなか言葉では説明できません。だから、僕は子どもが体感できるようにしたいと思っています。あいさつのよさを知れば、子どもはおのずとあいさつを大切にします。あいさつがきちんとできるということは、それだけで、社会に出ても大きな力になるはずです。

―金先生は、「ありがとう帳」や「ハッピー年表」で、子ども一人ひとりやクラス全体の変化や成長に目が行き届くように工夫されていますが、普段の教室や授業の中での言葉かけで心がけていることはありますか。

 厳しく、優しく、楽しくを意識しています。そして、喜怒哀楽を素直に表現することと愛していることを様々な形で伝えます。よいことはよい、ダメなことはダメ、悲しいことは悲しい、うれしいことはうれしい、それをしっかり伝えます。子どもの前で涙を流すこともあります。小さな小さな変化や、がんばろうと思っているけどなかなかできないことも、それだけで十分なんだと包み込める自分でありたいと思っています。

―人との出会いが、金先生の行動力を生み出すエネルギー源になっているようです。子どもにとっても先生との出会いは大きな影響を与えるものだと思いますが、金先生の考える理想の教師像を教えてください。

 僕の理想の教師像は両親です。両親は教師ではありませんが、だれよりも僕を大切に思い、身を削りながら育ててくれました。僕が悩んでいたら全力で向き合ってくれました。僕のミスは、自分たちの教育のミスだと自分自身を見直し、常に自己研鑽をしてくれていました。両親が僕を思うように、僕が子どもを思う、そんなふうになれたらと思っています。

(構成:矢口)

コメントの一覧
7件あります。
    • 1
    • いづみ
    • 2012/4/12 18:11:54
    本絶対に買います。本を読んで私も日本一ハッピーなクラスを作ります。これからもがんばってください!私も頑張ります。
    • 2
    • 金大竜
    • 2012/4/13 21:28:55
    いづみ
    一緒にがんばろね
    ありがとう!!
    • 3
    • まみ
    • 2012/4/14 16:33:23
    尊敬する金先生の本が発売になると知り、とても嬉しかったです!絶対に買います!
    四転で、今の学校は今年で終わりで淋しいですが、金先生と同じ大阪市の小学校でわたしも頑張ります!
    • 4
    • 金大竜
    • 2012/4/14 23:10:28
    まみさんへ
    ありがとうございます
    みなさんに少しでも役に立てたらな〜と思っています
    読んだ感想もお聞かせください
    • 5
    • たいち
    • 2012/4/15 1:05:01
    今年の目標は金先生に会いに行くことです。
    先生の教室の様子を動画で見せてもらって、まだまだ自分でたくさん枠を作っていたことに気づかされました。

    愛知県でハッピーなクラスを作ります!!そして全員号泣しながら卒業させます!!
    本も早速注文しました!!楽しみでしょうがないです。いつか先生の教室に行かせてくださいね。
    • 6
    • 金大竜
    • 2012/4/17 22:54:07
    たいちさん
    ありがとうございます
    また本を読んでみて、実践されたらどんな感じだったか
    教えてくださいね
    • 7
    • まりん
    • 2012/9/30 12:48:11
    本買いました
    これからもがんばってください
    私もがんばります
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