- まえがき
- 1 学習具を活用して,わかる,楽しい数学の授業をつくろう!
- 1 学習具を活用して,全員参加の授業をつくろう!
- 2 数学の授業での“実験”ってなんだろう?
- 3 学習具は進化する!
- 2 わかるから楽しい! おもしろ教材コレクション
- コピーして使える学習具シートつき
- 1 加法と減法の仕組みをつかもう
- 1年/正の数・負の数 〈加法・減法イメージ計算器〉
- 2 エベレスト山頂の気温を測ろう
- 1年/文字を用いた式 〈対流圏シミュレーション〉
- 3 オセロゲームで楽しく座標をプロットしよう
- 1年/比例,反比例 〈座標オセロ〉
- 4 さーくるをさぐる
- 1年/平面図形 〈円と直線のゲーム〉
- 5 ゲームで3つの移動を体得しよう
- 1年/平面図形 〈図形の移動ゲーム〉
- 6 展開図から立体をみよう
- 1年/空間図形 〈立体キット〉
- 7 太陽光で立体を理解しよう
- 1年/空間図形 〈投影図ツール〉
- 8 資料の傾向を読み取ろう
- 1年/資料の散らばりと代表値 〈資料読み取りびょうぶ〉
- 9 どんな証明もこれでOK,証明の構造をつかもう
- 2年/図形の合同 〈証明シート〉
- 10 不思議な平行四辺形をつくろう
- 2年/図形の合同 〈錯視平行四辺形〉
- 11 願えば出るさいころの1
- 2年/確率 〈100回用確率ピラミッド〉
- 12 美しい長方形を探そう
- 3年/二次方程式 〈比率測定器〉〈黄金長方形〉
- 13 ピラミッドの高さを測ろう
- 3年/図形の相似 〈棒と鏡とピラミッド〉
- 14 ゴムで最短距離のイメージをつくろう
- 3年/三平方の定理 〈伸びる最短距離〉
- 15 池の中の魚の数を調べよう
- 3年/標本調査 〈池の中の魚の数は?〉
- ライト学習具でもっと数学を楽しもう!
- 16 〈温度計〉
- 1年/正の数・負の数
- 17 〈数直線しおり〉
- 1年/正の数・負の数
- 18 〈0との除法〉
- 1年/正の数・負の数
- 19 〈項考える四則計算〉
- 1年/正の数・負の数
- 20 〈ノート用方程式てんびん〉
- 1年/方程式
- 21 〈プロットシール〉?〈点が集まると〉
- 1年/比例,反比例
- 22 〈踊る空間図形〉?〈不思議な立方体〉?〈見える見える正二十面体〉
- 1年/空間図形
- 23 〈息を吹きかけ回転体〉
- 1年/空間図形
- 24 〈円錐できるかな?〉
- 1年/空間図形
- 25 〈バランスとって平均値〉
- 1年/資料の散らばりと代表値
- 26 〈長〜い式による説明〉
- 2年/文字を用いた式の四則計算
- 27 〈等式の変形フローチャート〉
- 2年/文字を用いた式の四則計算
- 28 〈変域の窓〉
- 2年/一次関数,3年/関数y=ax2
- 29 〈変化の割合スリット〉
- 2年/一次関数,3年/関数y=ax2
- 30 〈外角くるりん〉
- 2年/基本的な平面図形と平行線の性質
- 31 〈置き換えて展開・因数分解〉
- 3年/式の展開と因数分解
- 32 〈見える見える式による証明〉
- 3年/式の展開と因数分解
- 33 〈見て感じる無限小数〉
- 3年/平方根
- 34 〈文章題ツール〉
- 3年/二次方程式
- 35 〈太陽光は平行線〉
- 3年/図形の相似
- 36 〈円周角シュート〉
- 3年/円周角と中心角
まえがき
日本の中学生の数学の勉強に対する自信が,国際的に最も低いという調査結果が出されました。数学の学習において,自分の能力や価値,正しさに疑いをもっている生徒が多いということです。学習に対する自信は,学習活動を支える力であるということは言うに及びません。数学の学習で使われるエネルギーが,かなり欠乏している状況であると考えられます。
学習に対する自信にかかわる自己効力感,すなわち,「ある課題に対する遂行可能性の認知」を高めるためには,「個人による現物実験」が有効にはたらくと考えます。なぜなら,自己効力感は達成体験を最も重要な要因としており,達成体験は個人による現物実験によってつくられるからです。
本書は,個人による現物実験の道具となる「学習具」と,それを活用する教材を集めたものです。1章では,「学習具がイメージを形成し,全員参加の授業をつくること」「数学の授業における“実験”とは何か」「学習具は進化すること」について述べます。2章では,学習具を活用した教材例や,より手軽に扱える「ライト学習具」を紹介しており,実際にコピーして使用することができる学習具の型紙を掲載しています。
「教育の創造」。研究テーマ等でよく目にする活字ですが,我々教師のスタンスとしておくべきものです。課題が存在するものには,創造という手段で立ち向かう必要性を感じるからです。創造とは工夫です。あれこれとよい方法を考えようとする意欲が基盤となります。
「工夫」という字を紙に書いて上下逆さにすると「¥T(1円)」になり,工夫を意識することで価値が生じます。実態把握や変容した生徒の姿を見ることが自然に行われるようになります。ただ,その工夫が生かされるかは,生徒との共感の度合いにもよりますが,1円が2円,2円が3円,3円が4円(支援)になっていく可能性があります。支援の根底には工夫があります。この書が,学習具の活用や開発といった「工夫」を視点として,先生方の実践の一助になるとともに,遠慮のないご批判ならびにご叱正をいただければ幸せに思う次第です。
工夫から支援へ(図省略)
終わりになりましたが,本書の刊行に際しましてお力添えをいただきました明治図書出版の矢口郁雄氏をはじめ,編集部の方々に心から感謝申し上げます。
2012年2月 /渋谷 久
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- 明治図書