- はじめに
- Chapter1 効果的な英語授業をデザインするために
- 1.効果的な英語授業をデザインするポイント
- (1)第2言語教育法の過去から現在まで:GTMからCLTへ
- @第1言語が介在するものから目標言語を用いる教授法へ
- A言語学理論中心から学習者を考慮した教授法へ
- B言語学的能力からコミュニケーション能力の育成へ
- (2)PPPアプローチとTBLTが提唱するアプローチ
- 2.新提案! 理論研究から見たタスク導入のススメ
- (1)タスクを導入する理由とデザインするポイント
- @タスクを導入する3つの理由
- Aタスクをデザインする4つのポイント
- (2)タスクとスキルの関わり
- Chapter2 中学生の英語力を高める授業をデザインするために
- 1.中学校の英語授業をデザインするポイント
- (1)中学校の英語授業の過去から現在まで・
- @英語教育の目標と現場が抱える実態とのギャップ
- Aタスクを楽しめる心を育てるために
- B授業で重要なペア活動―コミュニケーション活動の基礎作り
- Cグループ活動は小さな学級活動―緊張感にチャレンジ!
- Dタスクを実施できるようにする英語力の育て方
- (2)授業の基本スタイルを見直す
- (3)英語力を育てる帯活動
- 帯活動1 ペアチェック活動
- UPUP Grammar & Expressions Part1〜Part9
- 帯活動2 Easy Questions 基本パターン1[Teacher - Student - Teacher]
- 帯活動3 Easy Questions 基本パターン2[Student - Teacher - Student]
- 帯活動4 Easy Questions 発展パターン1[Teacher - Student - Teacher]
- 帯活動5 Easy Questions 発展パターン2[Student - Teacher - Student]
- Easy Questions
- 帯活動6 Easy Questions 生徒が教師役
- Today’s Student Teacherのおしごと!
- 帯活動7 感想を言えるようにしよう!
- 感想や意見を言えるようにしよう!
- 帯活動8 日本語表現から英語表現(英文法)へクイックリンクさせる(和英文法集)
- 帯活動9 文法に気付く活動(教科書本文を活用)
- 和英文法集@〜E
- 2.タスクにつながる!生徒を順序よく鍛える方法
- (1)簡単なタスクで,その楽しさを体験させる
- (2)タスクにつながる1分間フリートーキング
- 帯活動10 Easy Questions で1分間英会話を継続してみよう
- 帯活動11 週末は何をしたの? 1分間チャレンジ
- 帯活動12 好きなテレビ番組は何? 1分間チャレンジ
- 帯活動13 今日はこれから何するの? 1分間チャレンジ
- 帯活動14 好きな食べ物は何ですか? 1分間チャレンジ
- 帯活動15 好きな芸能人は? なぜ好きなの? 1分間チャレンジ
- 帯活動16 ごはんとパン,どちらが好き? 1分間チャレンジ
- 帯活動17 好きなゲームは何? いつ・どれくらい? 1分間チャレンジ
- 帯活動18 好きな教科は何? なぜ? 1分間チャレンジ
- 帯活動19 100万円あったら何を買う? 1分間チャレンジ
- 3.日常的に行える帯活動の実際
- (1)帯活動を始める前に
- @事前準備内容をしっかり伝える
- A事前活動(pre-activity)テーマについて事前に深める
- B制限時間設定のポイント
- C事後活動(post-activity)中学生に適した事後活動
- (2)わからない表現をピックアップし支援する
- @机間巡視の時
- A活動後(教師主導)
- B活動後(生徒主導)
- (3)活動を活発にする効果的なワークシートの使い方
- @使い方その1 チラ見
- A使い方その2 途中で確認
- B使い方その3 1回目終了後,確認,2回目
- (4)1つのテーマで活動が変化する―指示・発問の重要性
- Chapter3 効果的なタスク活動を行うために
- 1.授業で使えるタスク活動
- タスク活動1 1人暮らしに絶対欲しいものベスト3
- タスク活動2 名前を付けてプロフィールを完成させよう
- タスク活動3 同じことをした人を探そう
- タスク活動4 今日は〇〇〇さんの誕生日。プレゼントを2人で買おう
- タスク活動5 湖へキャンプに行こう。何が必要かな?
- タスク活動6 手紙とメールの長所・短所
- タスク活動7 家族について話したいと思います
- タスク活動8 クラスアンケート:好きな給食ベスト5を当てよう
- 2.知的で効果的なタスク活動
- タスク活動9 Guessing Game
- タスク活動10 Job Factors
- タスク活動11 NBA & Academy Award
- タスク活動12 Picnic
- タスク活動13 Telephone Conversation
- 3.1分間チャレンジにもタスクにも使える! 100以上のテーマ集
- 参考文献
- おわりに
はじめに
英語教育では,タスクという言葉がよく使われるようになった。教科書にも使われているし,ちょっとした教育法の本にも,よく出てくる言葉である。しかし,それが何を意味するのかを理解しようとはしない英語教師が多いことは事実である。また,タスクを用いて授業をデザインすることを考えようとしないことも多い。その理由の1つは,タスクというものが内包する概念,つまり,フォーカス・オン・フォームを明確に理解していないからである。本書では,英語(第2言語)教育法の歴史を振り返ることで,教授法のどのような方向性が残り,それ故,現在何が必要とされているのかを明らかにしたい。それによって,読者は,タスクに基づく教授法が,なぜ望ましい選択肢として残ったのかということが理解できるだろう。次に,タスクとは何であるのか,タスクを用いて活動を行うにはどのような要素が必要であるのかを明らかにしていきたい。それによって,タスクが拓いていく新しい英語教育を実感として感じ取ってもらいたい。
Longがフォーカス・オン・フォームを唱えてから20年の歳月が経とうとしている。しかしながら,それが何を意味するのかが十分に理解されていないし,教育現場に十分に浸透していない現状がある。この現状を打破するためには,理論を唱えるだけでは一向に前に進まない。現場の教師が受け入れやすい道筋を示すことが必要である。しかしながら,タスクをすることは難しいし,自分の生徒に受け入れられないのでは,と思う教師も多いだろう。本書は,そういう教師に,どのように授業をデザインしていったら,タスクを導入していけるのかという道筋を示していきたいと考えている。また,フォーカス・オン・フォームという新しい指導法を用いるための準備をどのように進めていくのかも示していく。
本書の魅力は,このように,教授法や応用言語学の理論的なことを通して,タスクに基づく教授法のことを学ぶだけでない。実際に,明日の授業で用いることができるような帯活動やタスクを数多く掲載している。それによって,理論がどのように実際に用いられているのかを知り,英語の授業でどのように生かせるのかを体験することができる。
2013年7月 /横山 吉樹
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- 明治図書
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