- はじめに
- 第1章 小学1年生の指導について知っておきたい基礎・基本
- 1 いつも笑顔で!ともに喜び,ともに楽しむ授業を
- 2 はじめが大事!1年生の指導で身につけさせたい力
- 3 1年生(低学年)の授業が肝心!中高学年につながる授業
- 4 組み合わせ単元でやる気と自信を育もう
- 5 体育の授業で子どもたちの遊びを変える〜日常化・習慣化へ〜
- 第2章 はじめの一歩! 授業マネジメント
- 1 着替え 着替えは素早く・きちんとしよう
- 2 整列・点呼方法 授業前に約束事を決めておこう
- 3 教室移動 教室移動の並び方はいつも同じにわかりやすくしよう
- 4 集合 校庭・体育館の集合場所を決めておこう
- 5 話の聞かせ方 話は目と耳と心で聴こう
- 6 評価の仕方 帽子を効果的に使おう〜即時評価を心がけよう〜
- 7 運動が苦手な子への対応 動きの定着を図るためにはゲーム化しよう
- 8 勝敗にこだわりケンカになる子への対応 簡単な決まりで積み重ねよう
- 9 用具の準備・片付け 班ごと・列ごとに役割を決めておこう
- 10 家庭との連携 はじめの一歩はお家でも!お便りを活用しよう
- 第3章 これで完璧! 12か月の指導アイデア
- 1学期は「慣れる」時期
- 4月
- 体つくりの運動遊び―おりかえしの運動 逆さ・支持・手足の協応動作などの基礎感覚を育もう!
- 体つくりの運動遊び―おりかえしの運動 低学年のうちに身につけさせたい運動感覚はこれ!
- 体つくりの運動遊び―おりかえしの運動 バリエーションを変えて,さらに基礎感覚を高めよう!
- 5月
- 体つくりの運動遊び―うまとび 低いうまをしっかり跳ぼう!「1のうま」から始めよう!
- 6月
- 体つくりの運動遊び―よじのぼり逆立ち 不安な気持ちを感じさせずに,楽しく感覚を身につけよう!
- 体つくりの運動遊び―だんごむし逆立ち 口伴奏(みんなで唱えて)でポイントを確認しよう!
- 体つくりの運動遊び―頭つき逆立ち お手伝いの仕方を学ぼう!
- 水遊び―お便りを使って:家庭との連携 毎日簡単にできることで「水と友だち」になろう!
- 水遊び―水に慣れる ゲーム化しながら,楽しく水に慣れよう!
- 6・7月
- 水遊び―もぐりっこ 1人の活動から人数を増やしていこう!
- 水遊び―カニ歩き・ワニ歩き プールでもおりかえしの運動をやってみよう!
- 7月
- 鉄棒を使った運動遊び―上がる・支える・ぶら下がる 即時評価で,諦めずに頑張る気持ちを育もう!
- 2学期は「関わり合い」の時期
- 9月
- ゲーム―男女対抗ゲーム 1学期の学びを復習しよう!
- ゲーム―じゃんけんゲーム(リレー型・入り乱れ型) 場の設定を工夫してたくさん関わろう!
- 鉄棒を使った運動遊び―ふとんほし 楽しみながら逆さ感覚を養おう!
- ゲーム―ボールゲーム:投げ上げキャッチ・ワンバウンドキャッチ 正しい捕り方を覚え,ボールと仲よくなろう!
- ゲーム―ボールゲーム:パチパチキャッチ・床タッチキャッチ 「難しい!」からの「できた!」を味わおう!
- 10月
- 走・跳の運動遊び―回旋リレー 手タッチからはじめ,最後まで全力で走ろう!
- 走・跳の運動遊び―ドン!じゃんけん いろいろなコースで,走る楽しさを味わおう!
- 走・跳の運動遊び―かけっこ入れ替え戦 最後まで全力でまっすぐ走ることを意識しよう!
- 走・跳の運動遊び―グリコじゃんけん 1歩を大きくして,片足踏み切り・両足着地を身につけよう!
- 11・12月
- 体つくりの運動遊び―短なわとび:授業開き なわとびの授業開きを大切にしよう!
- 体つくりの運動遊び―短なわとび:その場でジャンプ 縄を使わずに,その場で真上にジャンプしよう!
- 体つくりの運動遊び―短なわとび:いろいろな回し方 いろいろな縄の回し方にチャレンジしよう!
- 体つくりの運動遊び―短なわとび:前回し 手首を小さく回そう!
- 体つくりの運動遊び―長なわとび:大波小波・ゆうびんやさん 歌とリズムに合わせて跳んでみよう!
- 体つくりの運動遊び―長なわとび:くぐり抜け(通り抜け) 回し手を必ず経験して跳ぶタイミングを掴ませよう!
- 体つくりの運動遊び―長なわとび:0の字とび タイミングは縄の音をよく聞こう!
- 12月
- 体つくりの運動遊び―長なわとび:8の字とび 縄の真ん中を跳んでみよう!
- ゲーム―ボールゲーム:壁ぶつけ 体全体を使って,正しい投げ方でどんどん投げよう!
- ゲーム―ボールゲーム:キャッチボール 相手の胸に投げてみよう!
- 3学期は「実行・反省」の時期
- 1・2月
- 体つくりの運動遊び―マット運動:丸太転がり 日々の積み重ねで「できる」を増やそう!
- 体つくりの運動遊び―マット運動:ゆりかご ゆっくり・大きく,曲げ伸ばしを互いに確認し合おう!
- 体つくりの運動遊び―マット運動:背支持倒立 「つ」から「く」へ,そして「1」を目指そう!
- 体つくりの運動遊び―マット運動:前転 肩から背中,腰と転がれているか互いに確認し合おう!
- 2・3月
- ゲーム―鬼遊び:手つなぎ鬼 「鬼遊び」は,まわりをよく見よう!
- ゲーム―鬼遊び:じゃんけん鬼ごっこ・ドラキュラ 「逃げる」「かわす」「よける」動きを身につけよう!
- ゲーム―鬼遊び:子とり鬼 相手の動きをよく見て,左右に素早く動けるようになろう!
- ゲーム−ボールゲーム:どこまでキャッチ 動きながら捕る・投げる力を高めよう!
- ゲーム−ボールゲーム:はしごドッジボール 「投げる」「捕る」の場面を分けて取り組もう!
- 3月
- 表現・リズムー猛獣狩りに行こうよ 班編成を解体して,たくさんの友だちと交流しよう!
はじめに
1学期の終業式にクラスの子どもたちに,「今学期楽しかったことは何でしたか」と聞いてみました。一番多かった答えは,「水泳の授業が楽しかった」でした。他にも入学式や運動会など,大きな行事もありましたが,子どもたちは水泳の印象が強かったようです。1年生の子どもたちに限らず,「体育大好き!」という子どもたちは多くいます。その期待に応えられるように,日々教材研究を進めていますが,何から教えたら良いのか悩むことがあります。子どもたちにとって初めて学ぶ運動ですから,伝えたいことが多くあります。しかし,運動せず説明ばかりでは力をつけることはできません。
そこで,私自身が体育の授業で大切にしていることは,次の3点です。
・実運動時間(実際に運動している時間)をどれだけ確保できるか
説明する時間は短く,運動する時間を確保し,経験・活動を通して学習できる内容を。そのためには,「簡単に・シンプルに」します。
・「やってみよう!」→「できるかな?」→「できた!」の繰り返しを
取り組ませる課題が高すぎると,諦めてしまう子が出てしまいます。自ら進んで取り組む気持ちが持てる課題を提示します。
・友だちとの関わりを通して学ぶ機会を保障する
1人ではできないことも,「お手伝い(子ども同士の相互補助活動)」を通して,できる感覚を味わい,できるように前向きに取り組む気持ちを育みます。
今回はこの点を中心に,私が今実践していることを,そのまままとめてみました。私の実践の基本は,筑波大学附属小学校の体育授業スタイルです。そこに少しずつ自分の色をつけ,形になってきました。
日々学習した内容を,まるでスポンジのように吸収する1年生の授業づくりに,本書の内容が1つでもお役に立っていただければ幸いです。
2019年3月 学校法人明星学苑 明星小学校 /夏苅 崇嗣
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