年末は、一年間を振り返り、自分自身の成長を実感したり、学級や学年の成果やまとまりを感じるなどして冬休みに入る場合が多いです。一方、年明けの1月は、信念を迎えてやる気が出てくる時期です。
最近、低学年の学級活動では、ソーシャルスキルを育むために似たような活動がエクササイズとして取り入れられていますが、自分たちの課題、自分や友達のことを意識した実態に応じた不安や悩みの解消を加味することで、我々意識の醸成や折り合いの付け方を学ぶことを体験的に身に付ける取り組み例を紹介します。
ちょっかいをかけられた側の不快な気持ちを適切に伝える伝え方
1ねらい【低学年の学級活動】
友達とのトラブルの中で「友達から嫌なことをされた時に、感情的に語るのではなく、感情を語る」ことを通して、相手に自分の気持ちを分かりやすく伝えるスキルを身に付け、自分もよく相手もよい関係を意図的に醸成することに気づくことができる。
2活動T 「教室内のトラブルの確認」
問題の意識化
- ふだんの生活の中で「友達に嫌なことをされた時に、感情的に気持ちを伝えてしまうために起こるトラブル」があることを振り返る。
※エピソードの例@痛かった足を踏まれてしまった。A脇の下をくすぐられ、自分にとっての不快であった。等
ドラえもんの登場人物「のび太君」「ジャイアン」「しずかちゃん」になりきって「嫌なことをされたときにそれぞれの役になりきって気持ちを伝える」をテーマにシナリオロールプレイする。
- 《状況設定のシナリオ例》「Aさんは、昨日足をけがしてしまった。それを知らないBさんは、ふざけてAさんの足をちょっと踏んでしまった。」
※のび太君役…自信がなく、はっきり気持ちが伝わらない感じ。ジャイアン役…ちょっと乱暴で、一方的に自分の気持ちを伝えようとする。しずかちゃん役…主張的で明るくさわやかな感じで、それぞれ自分の気持ちを伝える。
- ロールプレイの様子から、気づいたことや感じたことを発表する。ロールプレイして、ロールプレイを見て。
3振り返りT「解決方法の自己決定」
グラフを見て、自分たちのお勧め対処法、あまりお勧めできない対処法を選び、それぞれなりきって、「なりきりロールプレイ」をする。
- 三人の役になりきったロールプレイから、相手に分かりやすく不快な気持ちを伝えるにはどのようにしたらよいかの視点で、気づいたこと、感じたこと、提案したいこと等を振り返り発表する。
- 出されたことを元に、自分だったらどのように断るかを自己決定する。
4 活動U 「決定に基づき努力をする」
振り返り(自己決定したこと)を元に、「自分の不快な気持ちを分かりやすく伝える」ためのポイントを全員で確認し、ペアになってロールプレイする。
※しずかちゃん役のように主張的に相手に気持ちを伝える方法のポイントを確かめて行う。学年の実態や発達課題等により、「相手も尊重しながらも自分の気持ちを分かりやすく伝えるスキル」に結びつけていくと良い。
5 振り返りU
「不快な気持ちを適切に伝える」ためのポイントを元に、やった活動Uが活動Tとどのように違っていたか、子どもたち自身から出た気づきや感想、実感したことを発表しあう。
今回の「不快な気持ちの伝え方」は、解決方法の自己決定→決定に基づき努力するという一連の指導過程を重視し、自己指導能力が育成できるサンプルです。低学年を意識していますが、活動Tの条件をジレンマを感じるようにしたりするなどして、中・高学年でも実施できる内容であると思います。
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- happy@nagoya
- 2013/1/4 8:02:26
Very happy! good job -
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- mana@函館
- 2013/1/8 9:21:46
先日のセミナーではお世話になりました。目から鱗のことばかりで納得でした。明日からすぐにでも使えるお話だったので有り難かったです。先生の講座をまたぜひ受けたいです。 -
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- ななみ
- 2013/11/3 9:20:25
熊本のななみと申します。いつも先生の本を使わせていただき、良さを実感しています。先輩から以前毎年熊本に来ていたと伺いました。ぜひまた熊本に来てください。お待ちしています。