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優れた授業の三要素とは、@ネタ、A授業の組み立て、B授業技術の三つを指します。すばらしい授業とは、「@ネタがよく」、「A授業の展開がよく」、「B授業の進行も優れて」います。
@のネタでいえば、理科では「物」が必要です。できるだけ実物に触れさせながら、学習を進めていきます。
このとき、少しでもおもしろそうなネタを用意するのです。モンシロチョウの観察なら、モンシロチョウだけでなく、アゲハチョウや、カイコの幼虫も用意します。これだけで、ずいぶんと子どもの熱中度は違ってきます。
原因を端的に言えば、「教員養成課程において、授業づくりの方法と、授業技術を習得できていないこと」です。
「授業づくりの方法」と、「授業技術」の習得は、「研究授業」をすることで磨かれていきます。
ところが、大学では「研究授業」をしません。私は理科教員養成課程出身ですが、理科の研究授業をしたのは、大学6年間でほんの数回というところです。それも全て附属小で教えていただいたものです。
ネタについては、大学で学べます。楽しい理科の授業をしていくには、ネタだけでなく、「授業づくりの方法」と「授業技術」の習得も必要なのです。
書くことは考えることです。書く場面をたくさん確保することで、子どもたちの考える力も、書く力も伸びていきます。そのために、例えば、「教師の発問の後に書く時間をとる」、「実験と観察の後に、気付いたことや疑問を書く時間をとる」などの活動を授業の中で入れていくようにしています。書く時間を最低でも五分は確保することが必要です。
特別支援を必要とする子に、「自由に実験しなさい」と指示すると、「わからない!」とか、「何でもいいなら遊んでしまおう」などとなってしまいます。これは、発達障がいの特性に合っていない授業の進め方を、教師が選択しているからです。どの子も楽しく感じる授業をしていくには、発達障がいの種類と特性を知り、「発達障がいをもつ子に合った授業の進め方」をしていく必要があります。
楽しい理科授業をしていくために、理科が専門である必要はありません。理科が苦手な人にも、楽しい理科の授業をすることは可能です。それは、「絵を描くのは苦手だが、絵画指導は上手」という教師がいるのと同じことです。
大切なのは、「授業づくりの方法」と「授業技術」を知ることです。知った上で、それを使ってみることで、「授業づくりの方法」と「授業技術」が習得されていきます。まず知ることが、出発点となるのです。