- 著者インタビュー
- 評価・指導要録
生徒指導要録は、小学校と同様に「生きる力」を育成することを念頭に置いて記載することになっています。評価の4観点は、「関心・意欲・態度」「思考・判断・表現」「技能」「知識・理解」となり、「表現」の扱いが変更されました。これにより、思考・判断したことと、それを表現する活動を一体的に評価する、という新たな観点が設定されました。ただし、特に技能教科における表現活動に関しては、新観点の「技能」において、これまでどおり評価できることになっています。
本書では、各教科の学習指導要領に記載されている指導事項を、学年別にどのように評価に生かすか、より具体例に基づいて記載しています。特に校内研究などで重点的に取り扱った教科・領域(国語科の言語活動、道徳等)については、観点別学習評価、総合所見に活用が図れるように、細部にわたって掲載しています。総合所見に学習面等を記載するときに、大いに参考にされるとよいと考えています。
中学校では、副担任制等を取り入れて学年構成をしていることがよく見られます。したがって、学年内で調整のできることとできないことを区別した上で、情報の共有化をめざすことが大切になります。学年会を開催する際に、指導を受けている他教科の教員と生徒個々の情報を伝え合うとともに、課題解決に向けた取り組みにあてる時間を、計画的に確保するようにしておくとよいでしょう。
中学生ならではの活動としては、何といっても部活動があげられます。生徒の活躍の状況や人間関係の把握など、部活動の取り組みを通して生徒理解ができるということがよくあります。また、生徒会活動への取り組みの経験から、子どもたちが成長するということもあるでしょう。したがって、授業や学級活動だけというような一面的な見取りではなく、様々な活動を通して子どもたちが成長する姿が見取ることができるよう、教師全体での見取りが欠かせません。
本書は、今回の生徒指導要録の改訂に合わせて作成しました。指導要録の記録や提出等の手順に関しても具体的に解説していますので、一読すれば、「早わかりガイド」の書名の通り、新規採用教員の先生方にもすぐに活用が図れるようになっています。また、日頃の学習状況や生活状況等についても細部にわたって記載しましたので、教師間で生徒一人ひとりの情報を共有し、子どもたちの成長を見取る目を養っていくのに役立ててほしいと思います。