- 著者インタビュー
- 音楽
そうですね。第1は、歌唱、器楽、音楽づくり、鑑賞にわけて、指導内容を示した点ですね。小中の関連も図ってあり読みやすくなったと思います。第2に、新たに〔共通事項〕をもうけた点です。第3点は、音楽づくりと鑑賞の充実を図ったところですね。第4点は、鑑賞を中心にして言語活動を取り入れた点でしょう。
まず、できるだけイラストや構成を工夫し、文字数を減らすことで、忙しい先生方が「なーるほど」と思ってすぐに実践できるようにしました。そして、いずれの事例もコンパクトにまとめているだけでなく、授業のツボ・勘所を詳細に示すとともに、新設の〔共通事項〕をどのように取り入れていけばよいのかをわかりやすく示しました。
まず、〔共通事項〕は、音楽科の基礎・基本となるものであり、音楽科ではぐくむ学力の中核となるものであることをご理解いただきたいと考え、特に〔共通事項〕について各事例の最後でその働きを示しています。各活動の指導内容と必ず合わせて〔共通事項〕を取り扱わなければならないことになりましたから、指導案の中で二つの関連を図って活用できるようにしました。
音探し・音づくりの段階から、子どもたちが探したりつくったりした音を、音楽の仕組み(音楽の骨組み)を使って音楽にしていく過程の指導を具体的に示しました。擬音、・擬態音でとどまっていたものを音楽にするポイントをとても分かりやすく示しました。また、受身的な活動として考えられてきた鑑賞の学習を子どもが主体的に活躍し学んでいくアイデアを満載しました。
音楽を難しく考える必要はありません。ピアノを弾ける必要もありません。難しい音楽の理論を知っていなければならないこともありません。1時間の授業の中で、子どもたちとともに音楽を楽しみながら、本書を手掛かりに一つだけ大切な学びを入れてあげればよいと思います。本書の事例では、授業にちょっと欲張りなところもあります。一つでいいのです。それが音楽に感動する心を育てる一つの階段になります。