国語授業がサンデル教授の「白熱教室」に変わる!
2011/10/27 掲載
- 著者インタビュー
- 国語
今回は重谷哲生先生に、新刊『子どもの発言が止まらない! 小学生「白熱教室」入門』について伺いました。
―重谷先生が議論を取り入れるようになったのは、どのようなきっかけからですか?
以前から「討論」の授業をしていました。明治図書から出ている「討論の授業」の本は、ほぼ読んでいると思います。「議論」という言葉を使い始めたきっかけは、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の授業をテレビでみてからです。彼の、双方の意見を出し合いながらも結論を出さず、オープンエンドで終わる手法は、とても新鮮でした。本書でもサンデル教授の授業を分析していますので、是非ご覧ください。
―白熱した議論にするには、どのような秘訣があるのでしょう? 本書で詳しく紹介していると思いますが、ちょっぴり教えてください。
議論が白熱するかどうかは、事前のリサーチが肝心です。例えば、サッカーを知らない人には、「日本代表の監督を代えるべきかどうか」という議論はできません。本書でも説明している「様子を問う」こと「理由を問うこと」を通して、議論の前にしっかりと理解を深めておくと、白熱すること間違いなしです。できれば議論の前に自分の意見をまとめさせておくと子どもたちは安心して議論に参加します。
―白熱した議論を取り入れたことによって、子どもたちやクラスに変化や影響はありましたか?
市販テストの平均点がかなり上がりました。例えば、国語の「読み」は平均で95点くらいいきます。これは、「議論」の前に、しっかりと内容を読み取らせるからでしょう。また、子どもたちが「議論」は楽しいものだと考えるようになりました。友達の意見を聞くことによって友達のよさを再発見しているようです。
―最近、クラスが熱中した議論のネタ、ベスト3をご紹介ください。
- 第1位 国語科「海のいのち」
- 「あなたが太一だったら瀬の主を殺さなかったか?」
- 第2位 社会科「日本の歴史」
- 「開国の選択は正しかったと考えるか?」
- 第3位 社会科「日本の歴史」
- 「富国強兵政策に賛成か?」
です。最近は社会科の議論がとても盛り上がっています。
―全国の小学校の先生方に一言メッセージをお願いします!
是非、本書を御一読いただきたいと思います。そして楽しく「議論」する方法を共有しましょう! 様々な「議論」を通して、これからの日本を支える子どもたちに、厳しい社会を生き抜く力をつけようではありませんか。日本中の教室が活性化し、白熱した議論で盛り上がることを願ってやみません。
(構成:木山)
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