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おもに2つの課題意識をベースにしています。1つは、近年、先生の年齢構成の変化や学校の小規模化によって、授業づくりにかかわる経験知の継承が難しくなってきていることです。本シリーズでは、活字では伝わりにくい経験知が少しでも伝わりやすくなるように工夫しました。もう1つは、現在、英語授業のスタンダードが見えづらくなっていることです。このことは学校現場において、経験の浅い先生に限らず、多くの混乱を起こしていると感じています。本シリーズでは、日常の英語授業においてどのような授業づくりをしていけばよいのか、教室の現実に即した「新しい英語授業のスタンダード」を具体的に提案しています。
『授業の基本・文法指導編』は、語彙指導、発音指導などの小技から「教科書で教える」コツなどの大技まで、新任からベテランの先生にまで参考にしていただける内容になっています。また、授業における文法説明の意義を見直し、効果的な説明のあり方について提案しています。『コミュニケーション活動・評価編』では、コミュニケーション活動で育成をめざす力を視点に、活動の種類を整理分類しながら実践例を紹介しています。特におすすめなのは、英語の授業における「言語活動の充実」とは何かについてまとめた章です。
授業づくりの小技もたくさん紹介しました。既刊の著作では紹介しきれなかったものや、新しく考案したものも収録しています。ぜひ生徒の実態にあわせて、修正を加えながらオリジナルの教材を作り出して下さい!
教科書にもよりますが、新しい教科書の多くは語彙・内容ともにかなりのボリュームになっています。「教科書を教える」やり方一辺倒では、4時間どころか5時間あっても時数が足りません。先生自身が指導内容を焦点化しながら、主体的に教える必要があります。一言で言えば「教科書で教える」ことが求められていると言っていいでしょう。本シリーズではそのコツとアイデアも紹介しています。ぜひ参考にして下さい。
英語を教えることは大変なことです。そのハードルを乗り越えるために、経験の浅い先生には、ぜひ教えることを楽しんで欲しいと思います。楽しい授業づくりのためには、まず先生が教えることを楽しむことが大切です。生徒の成長をともに喜ぶ姿勢で、良い授業づくりをしていきましょう。