著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
プロフェッショナルな対話指導で学級が激変する!
北九州市小倉中央小学校教諭菊池 省三
2012/9/27 掲載
 今回は菊池省三先生に、新刊『最強のクラスをつくる! 対話指導プロの技(全3巻)』について伺いました。

菊池 省三きくち しょうぞう

北九州市小倉中央小学校教諭
愛媛県出身。全国コミュニケーション教育研究会会長。全国教室ディベート連盟研究開発委員。NPO授業づくりネットワーク理事。九州地区教室ディベート連盟専門委員。北九州地区の先生方を中心とした研究サークル「実践教育研究21サークル」代表。「菊池道場」主宰。

―本シリーズでは、「菊池メソッド」をフル活用した、様々な対話指導のアイデアがわかりやすく紹介されています。これは今まで行われてきた対話指導とどのような違いがあるのでしょう?

 決定的に違うのは、子どもたちの様々な生活の中で活用できる指導のアイデアであるというところです。
 今までの対話指導は、教科書のある単元だけでの指導であったり、取り立て指導でのトレーニングであったりでした。それでは、子どもたちの中に残らず、結果的に子どもや学級は変わりませんでした。
 このシリーズの対話指導のアイデアは、子どもたちの生活から出発しているものばかりです。ですから、学級をガラリと変えることができる対話指導なのです。

―これらの対話指導を通して、菊池先生が子どもたちに伝えたいこと、身につけてほしいことはどんなことですか?

 「言葉の力」を信じてほしいということです。漢字や計算の学習は一人でもできますが、対話の学習は相手がいないとできません。
 自分の考えや意見を相手に伝え、相手のそれらを受け入れるという対話学習を通して、新しい考えや意見を生み出していくことができるようになるでしょう。そのような体験を積み重ねる中で、言葉の持つ力に気づいてほしいと思っています。

―先日「NEWS ZERO」で実践が放映された際に、キャスターの櫻井翔さんもコメントしていましたが、対話指導は、今、話題となっているいじめ問題にどのような効果がありますか?

 「NEWS ZERO」は、私もドキドキしながら見ました。櫻井翔さんのコメントもとてもうれしかったです!
 対話指導は、いじめをなくし防ぐことに大きな効果があると考えています。なぜなら、一人ひとりが豊かな言葉を獲得し、自分を表現する。友だちとの学び合いを通して様々な意見や考えを知り、相手を理解する。この繰り返しが、自分に自信をもたらし、自分と同じように相手の存在も大切に思う信頼感を育み、温かい学級を生み出していくからです。

―本シリーズでは、学級開きや宿泊行事、お別れ会など、学校生活のあらゆる場面で使える対話指導が紹介されています。どれも楽しいものばかりですが、菊池先生イチオシの活動トップ3はどれでしょう? 3冊から各1つ挙げてください!

 どれも「イチオシ」なのですが、あえて1つ挙げるとしたら次の3つです。

1・2年編
「長期休みの思い出を、みんなでおたずねしよう〜実は、私、…しましたゲーム〜」
3・4年編
「にこにこ対話をして帰ろう〜あなたのキラリを見つけたよ〜」
5・6年編
「みんなで話し合ってよりよいクラスを目指そう〜パワーアップ今週のめあて〜」

―全国で学級づくりに取り組む先生方に一言メッセージをお願いします!

 私たちが子どもたちとともに教室で過ごす時間は、せいぜい1〜2年間です。子どもたちの長い人生から見れば、ほんのわずかな時間にすぎません。それでも、私たちは、教室で指導した様々な事実は、きっと子どもたちの進む道を明るく照らしてくれるものだと信じるべきだと思います。
 このシリーズを手掛かりの1つとして、そのような思いを強くしていただけるとうれしいです。

(構成:木山)
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • ペコ
    • 2013/2/8 10:13:13
    集団力の欠如が今の学級には欠けていることを痛感しています。菊池先生の教えには正にそこを育てるノウハウがあります。新学期になったら、初日の子供たちとの出会いからぜひ心がけたい技だと思いました。
コメントの受付は終了しました。