著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
パズルを使って「英語授業を楽しく」からスタートしよう!
埼玉県秩父郡小鹿野町立小鹿野小学校教諭瀧沢 広人
2013/2/7 掲載

瀧沢 広人たきざわ ひろと

埼玉県秩父郡小鹿野町立小鹿野小学校教諭。
埼玉大学教育学部小学校課程卒業後、埼玉県の公立中学校、ベトナム・ホーチミン日本人学校、埼玉県秩父郡小鹿野町立小鹿野中学校勤務を経て、現在に至る。
大学4年より、教育技術の法則化運動(現:TOSS)で学び、授業を楽しく、わかりやすく、力のつく指導法を研究。その成果を著書に残す。多くの子どもたちが英語が好きになり、活動の多い授業は、生徒を飽きさせない。
現在は、達人セミナーやELECなど全国で講演・ワークショップを行っている。

―本書では、中学生がたった5分で楽しめ学べる、たくさんの「英語パズル」を紹介しています。先生は「ゲーム」についての本も書かれていますが、パズルとゲームの違いはいったい何でしょう?

 当初、英語ゲームは、全員参加を目指しての授業づくりから生まれたものでした。そこには「楽しさ」「得点」「ジャンケン」「カードの奪い合い」があり、「競争」というゲーム性を授業に取り入れてきました。これは他人がいてこそ成り立つことが条件です。パズルは自分1人でもできるのが特徴です。そこが大きな違いだと思います。ですのでパズルは「自学型」とも言えます。つまり、家に帰ってからでもできる…というわけです。

―英語パズルのよさはどんなところにあると、先生は感じていますか?

 コンセプトは「楽しくて、ちょっぴり勉強になる」というところです。生徒が楽しみ、それでいて英語の勉強になっているものが「英語パズル」です。英語を通して遊ぶといった感覚です。そこが「パズルのよさ」でもあります。欲を言えば、本書で紹介している「不規則動詞パズル」のように、生徒が何度も何度も挑戦して、得点を競うようなパズルが作れたら、最高だと思います。

―先生は英語授業でパズルを導入されているそうですが、効果的な活用方法をご紹介ください!

 1番の活用方法は、「授業中」での活用です。授業で文法を学習したとします。口頭練習や問題練習など行った後、「ちょっと英語で遊ぼう!」と言ってパズルを生徒に配ります。制限時間を言います。生徒は知らず知らずのうちに、英語に触れていることになります。2つ目は、廊下に「今週のパズル」などと称し、置いておきます。生徒が自由に取っていって、自主的にやる方法です。3つ目は、英語通信に載せておくという方法です。そしてそのパズルを生徒がやってきたら、教師のところに持ってこさせ、やってきた生徒には外国のステッカーなどをあげるなど、楽しみながら、かつ自主性を重んじる方法でも活用できることと思います。

―本書で紹介しているパズルの中で、オススメのベスト3を教えてください!

 いい質問ですね! ベスト3は、シンプルですが「神経衰弱パズル」です。このタイプには、「大文字・小文字で神経衰弱」や「不規則動詞の神経衰弱」などがあり、いくつかのコンテンツが本書には入っています。
 ベスト2は、「あみだくじパズル」です。このタイプは、「天気図あみだ」「地図あみだ」「大文字小文字あみだ」などがあります。
 ベスト1は、なんといっても、「英語版:うそつきクイズ」です。コラムにあるパズルですが、こういうものがどんどん生まれてくるといいなあ…と思います。また「どっちが勝ったかな?」という読解作業を含めたリーグ表を埋めていくパズルも、思考力を育て、「論理的に考える力の育成」にもつながります。こういった「楽しさ」+「考える力」を育てるようなパズルは現在の理想形です。

―最後に、全国で英語を教える先生方に一言メッセージをお願いします。

 「楽しさ」と「力がつく」のどちらかを選ぶとしたら、私は「楽しさ」を選びます。「楽しさ」からは無限の可能性が広がります。楽しいと生徒は英語を勉強しようとします。楽しいと英語が好きになり、英語の力がついていきます。すべては「授業を楽しく」というところからスタートするのだと思います。英語は生涯学習。大人になってから「また英語を勉強してみようかな」と思うのは、中学の時に英語の楽しさ、英語授業の楽しさを経験した人たちです。本書もその「楽しさ」の一助となれば幸いに思います。

(構成:木山)
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