著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
入試力がつく!「文法を習ったらすぐ英作文」の活動
埼玉県秩父郡小鹿野町立小鹿野小学校教諭瀧沢 広人
2013/12/26 掲載

瀧沢 広人たきざわ ひろと

埼玉県秩父郡小鹿野町立小鹿野小学校教諭
大学4年より、教育技術の法則化運動(現:TOSS)で学び、授業を楽しく、わかりやすく、力のつく指導法を研究。その成果を著書に残す。多くの子どもたちが英語が好きになり、活動の多い授業は、生徒を飽きさせない。現在は、達人セミナーやELECなど全国で講演・ワークショップを行っている。

―本書は「中学生のための英作文のワーク」となっていますが、どのような特徴がありますか?

 1つは、ほとんどすべての文法事項が英作文できるようになっています。そしてそれがそのまま言語活動になっているものから、文法事項を定着させるためのものまで多様なワークシートが用意されていますので、即授業で活用可能です。また、ワークシートには、適正な時間設定もされています。その時間内で書けるようになるまで繰り返し同じプリントをやり、すらすら書けるよう作文力の土台が築かれることでしょう。

―小刻みなライティングにはどのようなメリットがあるのでしょう?

 もともと文法を定着させるには、書かせることが一番だと思っています。書かせると覚えます。だから私は、授業中にほんの少しでもいいから、学習した文法事項を使って、自分のことを表現する時間をとります。私はそれを「小刻みなライテイング活動」と呼んでいます。やり方は簡単です。学習した文法事項を使って、2文でも3文でも、1文でも、書かせることが、その文法への理解が促され、使い方を身につけていくものと考えています。
 

―公立高校入試でも出題される英作文ですが、英語の授業ではどのように生徒に書く力をつければいいのでしょうか?

 まず1つは、「たくさん書かせる」ということです。最初は間違えがあっても構わないので、たくさん書かせることが大切です。それも楽しい話題で「書くことの意欲」を持たせるようにします。次に、2つ目として、「1文を長く書かせる」ということです。生徒に自由に英作文させると、どうしても短文の羅列になりかねません。しかし「1文を長くしていきなさい」と指示すると生徒は前置詞句を使ったり、接続詞を使ったりして長く書けるようになってきます。このように書くことへの抵抗をなくしていきながら、都道府県の入試問題に挑戦させ、どんなトピックでも自分の考えを書き表すだけの力をつけるようにします。

―中学校でも「英語で授業」との方針が話題になっていますが、このような授業が始まった場合、本書はどのように役立つとお考えになりますか?

 どの程度「英語で授業」が可能かどうかわかりませんが、すべての英語教育界が、これからガラリと変わってくるでしょう。小学校で体験的に英語を週3時間学び、読み書きも行われる中、すらすら…と自分の思いや考えを伝えることは、しかし、不易であると考えます。その手法は多少変わってくるかと思いますが、本書のコンセプトである「このくらいの課題について制限時間内で書けるだけの学力をつけよう」というのは、1つの目安=CanDoになってくるでしょう。 

―最後に、全国で英語を教える先生方にメッセージをお願いします。

 本書はライテイングに関する教材集です。教材集ですので、手元に1冊置いておくことをお勧めします。なぜなら、そのことにより、先生の教材を作成する時間が省けます。その浮いた時間を他のことに費やすことができるのです。私は「すらすら英会話」をはじめ、「すらすら英単語」「英語パズル」など授業で活用していただけるような教材を昨年から作成してきました。すべてのページは使えなくても、その一部でも使えれば、確実に先生方の教材作成への時間が短縮されます。利用できるものは利用してしまうのです! 2020年に向け、英語教育は大きく変わります。共に頑張っていきましょう。

(構成:木山)
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • まゆみ
    • 2013/12/27 10:37:26
    瀧沢先生が出版してくださる書籍は、現場の英語教師にとっては本当に魅力的な物ばかりです。
    次の英単語検定も早く出版されないか待ち遠しいです。
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