1つは、ほとんどすべての文法事項が英作文できるようになっています。そしてそれがそのまま言語活動になっているものから、文法事項を定着させるためのものまで多様なワークシートが用意されていますので、即授業で活用可能です。また、ワークシートには、適正な時間設定もされています。その時間内で書けるようになるまで繰り返し同じプリントをやり、すらすら書けるよう作文力の土台が築かれることでしょう。
もともと文法を定着させるには、書かせることが一番だと思っています。書かせると覚えます。だから私は、授業中にほんの少しでもいいから、学習した文法事項を使って、自分のことを表現する時間をとります。私はそれを「小刻みなライテイング活動」と呼んでいます。やり方は簡単です。学習した文法事項を使って、2文でも3文でも、1文でも、書かせることが、その文法への理解が促され、使い方を身につけていくものと考えています。
まず1つは、「たくさん書かせる」ということです。最初は間違えがあっても構わないので、たくさん書かせることが大切です。それも楽しい話題で「書くことの意欲」を持たせるようにします。次に、2つ目として、「1文を長く書かせる」ということです。生徒に自由に英作文させると、どうしても短文の羅列になりかねません。しかし「1文を長くしていきなさい」と指示すると生徒は前置詞句を使ったり、接続詞を使ったりして長く書けるようになってきます。このように書くことへの抵抗をなくしていきながら、都道府県の入試問題に挑戦させ、どんなトピックでも自分の考えを書き表すだけの力をつけるようにします。
どの程度「英語で授業」が可能かどうかわかりませんが、すべての英語教育界が、これからガラリと変わってくるでしょう。小学校で体験的に英語を週3時間学び、読み書きも行われる中、すらすら…と自分の思いや考えを伝えることは、しかし、不易であると考えます。その手法は多少変わってくるかと思いますが、本書のコンセプトである「このくらいの課題について制限時間内で書けるだけの学力をつけよう」というのは、1つの目安=CanDoになってくるでしょう。
本書はライテイングに関する教材集です。教材集ですので、手元に1冊置いておくことをお勧めします。なぜなら、そのことにより、先生の教材を作成する時間が省けます。その浮いた時間を他のことに費やすことができるのです。私は「すらすら英会話」をはじめ、「すらすら英単語」、「英語パズル」など授業で活用していただけるような教材を昨年から作成してきました。すべてのページは使えなくても、その一部でも使えれば、確実に先生方の教材作成への時間が短縮されます。利用できるものは利用してしまうのです! 2020年に向け、英語教育は大きく変わります。共に頑張っていきましょう。
次の英単語検定も早く出版されないか待ち遠しいです。