通常の学級の特別支援教育の取組は多様である!
2014/1/16 掲載
- 著者インタビュー
- 特別支援教育
今回は青山新吾先生に、「THE 教師力」シリーズの最新刊として発刊された『THE 特別支援教育〜通常の学級編〜』について伺いました。
―今回の書籍は、『THE 教師力』シリーズの1冊として、「特別支援教育〜通常の学級編〜」となっています。まずこの書籍の“ねらい”や、そこに流れる先生の想いについて、教えて下さい。
小・中学校の通常の学級に、支援を要する多くの子ども達が在籍しています。これは多くの先生方にとって自明なこととなりました。それに伴い、特別支援教育の視点を取り入れた授業の改善を指向する取組も盛んです。
しかし、通常の学級の特別支援教育の取組は、授業改善だけではありません。個に対して,集団に対して等の多様な視点でのアプローチが大切です。その多様さの一端を示したいと思い、本書を企画しました。
―本書は、かなり幅広い分野の専門家・実践家の先生方が執筆されています。この分野・先生方にご執筆いただいたねらいについて教えて下さい。
通常の学級の特別支援教育にかかわる多くの立場の方にご登場願おうと考えました。学級担任のお立場、通級指導教室等、子ども達を個別に支えるお立場、特別支援学校のセンター的機能で関わられているお立場。そして研究的に実践にコミットされているお立場です。
それぞれのお立場から綴られた「特別支援教育の物語」をお届けしたいと考えたのです。
―通常の学級における特別支援教育については、悩んでいる先生方も多くいらっしゃいます。「授業のユニバーサルデザイン」という言葉もよく聞かれるようになりましたが、学びのしかけや安心して過ごせる関係づくりなど、そのポイントについて教えて下さい。
本書の中に、多くの具体的ヒントがあります。そこに共通しているものがあるとすれば、「教師の教えやすさ」ではなく「子どもの学びにくさ」を考えること、子どもの言動の理由、すなわち背景要因を検討すること、そして、子ども(子ども達)が何を思っているのか、どのように思考しているのかを考えて向き合うことだと思うのです。
―最後に、読者の先生方へメッセージをお願い致します。
特別支援教育は、個を大切にし、個を育てることを基本とします。でも個は周囲との関係の中で育ちます。ですから、個と集団との関係は重要です。本書が、そのような多様な取組を進めていくきっかけになれば幸いです。
また、今後、特別支援学校や特別支援学級での取組を中心とした「特別支援学校等編」の企画も進めているところです。ご期待ください。
(構成:及川)
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