著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
片手に厳しさ、片手にユーモアを!
山口県岩国市立平田小学校教諭中村 健一
2014/7/11 掲載
  • 著者インタビュー
  • 教師力・仕事術
 今回は中村健一先生に、『THE 教師力』シリーズの最新刊として発刊された『THE ユーモア力』について伺いました。

中村 健一なかむら けんいち

1970年、山口県生まれ。現在、山口県岩国市立平田小学校教諭。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。「笑い」と「フォロー」をいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている。主な著書に、『中村健一―エピソードで語る教師力の極意』『日本一元気が出ちゃうLIVE 最強の4人に学ぶ 愉快・痛快・おもしろい!子どもと先生が心底笑えるクラスづくり』(以上、明治図書)、『担任必携!学級づくり作戦ノート』(黎明書房)などがある。

―今なぜ、ユーモア力なのですか?

 学級崩壊を防ぐため、というのが一番の理由です。
 笑いがないのが、崩壊学級の特徴ですからね。逆に言えば、みんなで笑えるクラスは崩壊していないということです。
 笑い、ユーモアは、学級崩壊を防ぐ有効なアイテムの1つだと思っています。

―ユーモア力が学級崩壊を防ぐと考えるようになったきっかけは何ですか?

 崩壊学級にサポートに入り続けている教頭がいました。その教頭がある時、ボソッと言ったのです。
「あのクラスもみんなで一緒にドッと笑える瞬間があると良いのだけど…」
 私には非常に重たい一言でした。確かに崩壊学級には、笑いがないですからね。

―ユーモア教育に目覚めたのはいつですか?

 新採1年目です。初任研で連れて行かれた講演会で、たまたま有田和正先生のお話を聞いたのです。(詳しくは拙著『中村健一―エピソードで語る教師力の極意』をご覧くださいね)
 有田先生がいらっしゃらなかったら、「日本の教育にユーモアを」なんて発想すらなかったかも知れません。有田先生は、ユーモア教育の元祖だと思います。

―それにしても、豪華な執筆陣が揃いましたね。

 なはは。そうでしょう。私は教育書おたくですからね。せっかくの機会ですから、私の尊敬するスター軍団に執筆をお願いしました。
 一流と呼ばれる教師は、ユーモアの素養を持っているものです。一緒に話していても、面白いじゃないですか。また、そうでなければ、子どもたちもついてこないですよね。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願い致します。

 子どもたちは厳しい先生が嫌いではありません。厳しく叱って、教室に秩序をもたらしてくれる先生を望んでいます。しかし、厳しいだけではダメなのです。これからの教師には「片手に厳しさ、片手にユーモア」が必要ですね。
 厳しい現場ですが、ユーモアを忘れず共にがんばりましょう。

(構成:及川)

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