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一言で言うとキラキラしています。
もう少し詳しく言うと、子どもたちが元気で前向きです。
授業では、みんながニコニコしてピシッと手を挙げて発表をします。行事では、それぞれがめあてをもって自分の力を伸ばそうとがんばります。トラブルはあっても、それを通してさらに子どもたちの団結が強くなります。みんながやる気になっているので、「自分だけこんなにやる気を出したら浮かない?」などと心配する必要がありません。やる気を出している友達を見て、「自分ももっとがんばろう!」とさらにやる気を出します。
やってみて一番簡単に結果が出るのが、第2章で紹介している事前指導です。何も事前指導のない状態では、子どもたちは学校で行うこと一つ一つの価値を考えていません。何だかわからないけど、やることになっているからやらされているという状態です。これではやる気になりません。それを事前指導によって変えます。事前指導によって、「こんなに大切な価値があったのだ。」ということに気付かせます。子どもたちの行動は大きく変わります。そんな事前指導を5つに類型化しました。
例えば、get型の事前指導です。全校集会に行く前に「どんな力をつけることができますか。」と問いかけます。子どもからは「話を聞く力」「歌う力」「我慢する力」などが出ます。出なければ教師が教えます。そして、「そんな力をつけるために全校集会に行きましょう。やるぞという決意ができた人から並びます。」などと話してから全校集会に行きます。子どもたちの動きが変わるはずです。
ただし、これだけではその場限りです。1年間やる気いっぱいの教室にするためには、本書で挙げている4つのスイッチすべてが必要です。
「教師力とは何か」ということを考えてきました。
その時に出した答えが、「教師力とは、『子どもをやる気にする力=やる気スイッチをオンにする力』である。」ということでした。
そして、さらに細かくやる気スイッチをオンにするために必要な4つの方法を、自分の実践に照らし合わせて導き出しました。それが、本書で紹介している「率先垂範」「事前指導」「輝く教材」「イイ関係」です。考えていて、これらは間違いなく全国の先生方の役に立つものであると確信しました。
そもそも子どもたちは力をもっています。
しかし、学級という集団になった時に、何らかの原因でそれが発揮できなくなってしまっている場合があります。
その原因を、他者に求めるのは簡単です。あの子が悪い、保護者が悪い、地域が悪い、職場が悪い、今の時代は…、今時の子どもは…という具合に。
しかし、それでは何の解決にもなりません。教師の「あり方」や「やり方」によって、子どもたちのやる気スイッチをオンにすることができるのです。
いっしょにやる気スイッチがオンの教室を目指していきましょう。