著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
子どもの主体性を引き出す「見える化」実践集!
北海道函館市立昭和小学校教諭藤原 友和
2015/3/5 掲載
  • 著者インタビュー
  • 教師力・仕事術
 今回は藤原友和先生に、新刊『THE 見える化』について伺いました。

藤原 友和ふじわら ともかず

昭和52年生まれ。北海道教育大学教育学部函館校卒業。4年間の中学校勤務を経て小学校に異動。現在、函館市立昭和小学校教諭。著作に、『教師が変わる!授業が変わる!「ファシリテーション・グラフィック」入門』(明治図書)、『21世紀型授業づくり29 全員参加を保障する授業技術』(明治図書)、『明日の教室DVDO ファシリテーション・グラフィック入門』(有限会社kaya)などがある。

―今回の書籍は、『THE 教師力』シリーズの1冊として、テーマは「見える化」です。本書のねらいと、その背景にある先生の想いについて教えて下さい。

 
 学習の内容や、活動を「見える化」すると、参加しやすくなる子どもがぐっと増えます。学習の仕方はひとりひとり違うからです。決して万能の方法ではありませんが、「学習の可能性を高める」ことには手応えを感じています。より多くの子どもに学びのチャンスを保障できたら嬉しいです。

―一口に「見える化」と言っても、様々な学校現場への活かし方があります。まず考えられるものに、学習活動の「見える化」がありますが、この効用について、本書でも詳しく紹介されていますが、教えて下さい。

 ようするに「今、何をしているの?」「自分はどこにいるの?」という二点に対して効果的です。ゴールを見定め、見通しを持って学習を進められます。子どもたちは安心して授業に参加できるようになります。そうすると、主体性が育ってきます。教師に「こうしなさい」と言われる前に、自分で気づいて行動できるからです。

―現場では、アクティブラーニングについての要望が高まっていますが、本書はその期待にどのように応えるものですか?

 アクティブラーニングは、子どもの主体性の発揮が鍵です。「自分でやってみた気づき」からの学びを引き出す学習方法ですから。子どもたち自身が、「見える化」されている環境から情報を取り出し、ヒントを得て、自分で考えて動き出すようになります。本書にはそうした授業イメージがつかみやすい実践が掲載されています。

―「見える化」の一つの手法として、藤原先生が単著としておまとめにもなられている「ファシリテーション・グラフィック」があります。このFGの学校現場への効果的な活かし方について教えて下さい。

 いくつかの視点がありますが、子どもたちの多様な発想を「かけあわせる」ときや、それぞれの体験を「つなげる」ときに力を発揮します。総合の課題づくりや、生活科や道徳、学級活動や行事などの体験のふり返りですね。そのほか、活用場面はまだまだあります。全国では若い先生を中心に素敵な実践が次々に生まれています。
 

―最後に、読者の先生方にメッセージをお願いします。

 本書に興味を持っていただいてありがとうございます。全国の意欲的な先生方による実践集です。「まずは挑戦しよう」という熱意でつくりました。同じ機能を持つ取り組みはもともと学校の中にもたくさんありますが、子どもの主体性を引き出すという観点から新たな取り組みに挑戦しました。お役に立てましたら幸いです。

(構成:及川)

コメントの受付は終了しました。