著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
ネガ→ポジで毎日を楽しく変えよう!
千葉県佐倉市立青菅小学校飯村 友和
2015/5/28 掲載
  • 著者インタビュー
  • 教師力・仕事術
今回は飯村友和先生に、新刊『教師のためのポジティブシンキング』について伺いました。

飯村 友和いいむら ともかず

1977年千葉県生まれ。現在、千葉県佐倉市立青菅小学校勤務。
教員14年目。子どもたちが安心して学び、自らを高めようとする学級づくりを研究。千葉,神奈川、富山、京都、三重、東京、北海道、愛知などの各地で、模擬授業や学級づくりの講座を披露している。教師と子どもとの距離を縮める多数のネタやそれを支える考え方、子どもと教材との楽しい出会わせ方には定評がある。
フジテレビ「アカン警察」で実践が取りあげられ、ダウンタウンを笑わせたことが自慢。3度の飯より猫が好き。

―いつも明るく楽しい飯村先生ですが、そんな飯村先生でもネガティブ思考に陥ってしまうことはありますか?

 もちろんありますよ。よく勘違いされるのですが、そもそも私はそんなに明るくもないし、楽しい人間でもないのです。(笑)
 当然、ネガティブ思考に陥ってしまうことだってあります。
 教師になりたての頃は、うまくいかないことをすべてまわりのせいにして、一人で不幸な人を演じてもいました。
 そんな私が教師という仕事を楽しむためには、自分が変わるしかなかったわけです。そこで身に付けたのがポジティブシンキングです。目の前の状況の捉え方をネガ→ポジに変えるようにしたのです。このポジティブシンキングを身に付けてから、ネガティブ思考に陥ることはあっても、立ち直るのが早くなりました。ネガティブに陥っている自分に気付いて、自分で切り替えることができるようになりました。

―具体的には、どうやってネガ→ポジに変えているのでしょうか?

 まず、心の中で一時停止ボタンを押します。
 そして、「ネガ→ポジ」にその状況を言葉で置き換えます。
 例えば、クラスに落ち着きがない子がいたとしましょう。
 その子のことを「落ち着きがない」というネガティブな言葉で捉えていると、その子がやっかいな取り締まりの対象となってしまいます。その子の特徴をポジティブな言葉で言い換えていきます。
 「行動力がある」「好奇心旺盛」「社交的」などと言い換えることができます。
 すると、その子のことが憎めなくなります。教師の心に余裕が出てきます。その子の特徴、今の状況を活かして、どんな指導をすればよいのかを考えることができるようになります。
 例えば、授業の中で自由に立ち歩いて意見交換をする時間を作ったり、教師のお手伝いを頼んだりします。

―ネガ→ポジに変えることで、日々の学級づくりにどんな変化が生まれるのでしょうか?

 教師の心にその状況を楽しむ余裕がうまれます。子どもがやっかいな取り締まりの対象から、愛すべき対象に変わります。
 結果、教師も子どもも笑顔になります。学級がよい方向に向かいます。

―本書では「子ども対応」「クラスづくり」「保護者対応」「職員室づくり」と様々なシーンを取り上げネガ→ポジを紹介していますが、特におすすめの項目はどれでしょうか?

 「子ども対応」です。
 ここでは、数多くの事例を挙げています。その中で、その子の特徴をどのように捉え、どのような対応ができるのかを紹介しています。読んですぐ使えるような具体的な指導法をたくさん紹介しました。

―最後に、ポジティブシンキングで楽しい毎日を送るために、読者の先生方へメッセージをお願いします。

 目の前の子どもを大好きになることです。
 そうすれば、「大好きなこの子をもっと伸ばしてあげたい」、「大好きなこの子たちに楽しい授業をしてあげたい」と実践の原動力になります。ネガ→ポジに見方を変えることで、それが可能になります。毎日が楽しくなります。
 数ある職業の中からせっかく選んだ教師という仕事です。大いに楽しみましょう。

(構成:佐藤)

コメントの受付は終了しました。