- はじめに
- 第1章 こんな子いても……ポジティブ!子ども対応
- 行動
- 授業中,席に着かず立ち歩いてしまう
- 片付けができず,ぐっちゃぐちゃ……
- 今言ったことなのに……話を聞けていない
- 乱暴,おおざっぱ……物を大切に使えない
- 掃除も授業も,時間に遅れてしまう
- あまのじゃく? 口をつくのは反対意見ばかり……
- あちこち気になり集中できない
- ついつい,隣の子にちょっかいを出してしまう
- 毎日,毎日……忘れ物だらけ
- 「だって……。」「だって……。」と言い訳ばかり
- もう,すぐ,あきらめてしまう
- 悪くたって「ごめんなさい。」と謝れない
- 絶対無理! 苦手なことができない
- 行動がゆっくり〜ゆっくり
- やることが雑でだらしない
- 乱暴! 暴力! すぐに手が出てしまう
- 性格
- おとなしくて存在感がない
- 笑顔が見たいのに……愛想が悪い
- 少しずつ……ができず,計画性がない
- みんなの前ではとても恥ずかしがり屋
- 細かいことも気になってしまう心配性
- なんでもやりたい! 目立ちたがり屋
- 傷つきやすい,打たれ弱い
- いろいろ始めてみても続かない三日坊主
- まわりのお世話ばかりしてしまうおせっかい
- 自分の意見が通らないのが許せない! わがまま
- 調子によって,気分の浮き沈みが激しい
- 譲ってばかり,自己主張ができない
- 発言
- 「なんで勉強しなくちゃいけないの?」
- 「なんで通知表なんてあるの?」
- 「学校の勉強って社会に出て役に立つの?」
- 「給食残してもいいですか?」
- 「トイレ掃除なんて,したくない!」
- 「○○さんがうざいって言っていたよ。」
- 「学校のきまりに納得できません。」
- 「なぜ○○君は許されるのに,自分は叱られたの?」
- 「避難訓練なんて,ただの訓練でしょ?」
- 「受験に関係ない教科なんて,やっても無駄です。」
- 第2章 こんな時にも……ポジティブ!クラスづくり
- 友達の間違いをからかってしまう
- クラス全体がざわついている
- 少人数のグループがたくさんできてしまっている
- 子どもたちの発表の声が小さい
- 「面倒くさい。」と冷めてしまっている
- いじめに発展しそうな人間関係がある
- 行事で負けてクラス全体が落ち込んでしまっている
- 担任以外の授業でふざけてしまう
- 意見が平行線でまとまらず……話し合い活動ができない
- 来年度が心配なくらい,子どもたちがクラス替えを寂しがる
- 第3章 ぼやき・悩みにも……ポジティブ!保護者対応
- 「うちの子,ちゃんとやっていますか?」
- 「仕事があって,なかなか宿題を見てあげられなくて……。」
- 「家では学校のことをあまり話してくれないんですよ。」
- 「授業がわからないと言っています。」
- 「友達と仲良くできているか心配です。」
- 「お兄ちゃんはちゃんとできたのに……。」
- 「○○君と最近けんかしたみたいで心配です。」
- 「うちの子にお化けの役をやらせるなんてどういうことですか?」
- 「最近言葉遣いが悪くなってきています。」
- 「家に帰ってもゲームばかりで言うことを聞いてくれません。」
- 第4章 ぐち・悩みにも……ポジティブ!職員室づくり
- 「○○さんが,なかなか授業に集中してくれなくて……。」
- 「忙しくて子どもを見てあげる時間がないんです。」
- 「忙しくて教材研究をする時間が足りません。」
- 「研究授業,自信がなくてできません。」
- 「○○先生って苦手なんですよね……。」
- 「○○君の保護者,いつも文句を言ってくるんです。」
- 「土日も行事でつぶれてしまって,リフレッシュできないんです。」
- 「前の学校では○○だったのに……。」
- 「理科室,使いづらくないですか?」
- 「自分は教師に向いていないのかもしれないな。」
- おわりに
はじめに
教師の仕事,楽しんでいますか?
たくさんある職業の中から,あなたが選んだのが教師という仕事です。
せっかく教師になったのに,わがままな子どもに振り回され,保護者からの理不尽な要求を飲み,同僚のぐちを聞かされ続け,気が付けばため息をつきながら夜遅くまで仕事をして……ということになっていませんか?
そんな状況になっている人も,教師になろうと思ったあの時のことを思い出してみて下さい。そこには,明るい未来,楽しんで仕事をしている自分のイメージがあったはずです。
せっかく選んだこの仕事を,「楽しむ」と決めてしまいましょう。
「楽しむって言ったって,あの子がいるから,あの保護者がいるから,あの同僚がいるから,それは無理です。」
こんな反論が聞こえてきそうです。
確かに,子どもは天使ではありません。
いろいろな子どもがいます。意地悪。わがまま。攻撃的。すぐに泣く。平気でうそをつく。こういった一見ネガティブに見える特徴を持った子どもたちもたくさんいます。
指導しても指導しても変わらないことも多くあります。
これは,保護者や同僚にしてもそうです。大人でも,いや,大人だからこそ実にいろいろな人がいます。
では,どうすればいいのでしょうか?
どうすれば楽しむことができるのでしょうか?
見方を変えるのです。
アイルランドの作家ラングブリッジの言葉を紹介します。
「二人の囚人が鉄格子から外を眺めている。一人は星空を。一人は泥土を。」
(フレデリック・ラングブリッジ)
二人の囚人がいる場所は同じです。
同じ牢屋の中です。
一人は星空を見て,「きれいだなあ。」と思っています。
もう一人は泥土を見て「きたないなあ。」と思っています。
同じ環境にあっても,見方を変えるだけで,楽しむことができるかどうかが変わってくるのです。
ネガティブ(ネガ)→ポジティブ(ポジ)に見方を変えることによって,教師という仕事を楽しむことができるようになります。つらいなと思うことであっても,心の中でそのよさに着目する言葉に置き換えることによって,心が軽くなり,その状況を楽しむ余裕が出てきます。
さあ,いっしょに見方をネガ→ポジに変えて,教師という仕事を思いっきり楽しみましょう。
なお,本書はネガポ辞典制作委員会著『ネガポ辞典』(主婦の友社)を参考にしました。
/飯村 友和
特に、子ども対応への捉え方が参考になりました。
例えば「おとなしい子ども」は
1静かで落ち着いている
2周りの人が安心する
3縁の下の力持ち
という捉えをしています。
全員に必ず当てはまる訳ではないかもしれませんが、おとなしい子どもにこれらの要素が多いことは間違いありません。
例えば小学校の教諭をしていると、面談で「もっと積極的になって欲しい」という相談を受けることもありますが、おとなしさによるプラスの面も大きいものです。
ネガな面はいくらでも探せて、誰でも、ネガになる時はあります。
だからこそ、ポジの面に意識的に光を当てる必要があります。
そのための視点をなるべく多く持ちたい、そう願う全ての方々におすすめの一冊です。
ネガな出来事にも、ポジの意味付けをしていこうという提案がなされています。
特に、子ども対応への捉え方が参考になります。
例えば「おとなしい子ども」は
1静かで落ち着いている
2周りの人が安心する
3縁の下の力持ち
という捉えをしています。
全員に必ず当てはまる訳ではないかもしれませんが、確かにおとなしい子どもにはこれらの要素が多いようです。
面談で「もっと積極的になって欲しい」という相談を受けることもありますが、おとなしさによるプラスの面の方がより大きいものです。
ネガな面はいくらでも探せます。
誰でも、ネガになる時はあります。
だからこそ、ポジの面に意識的に光を当てて、そのための視点をなるべく多く持ちたい。
そう願う方に、おすすめの本です。