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教師の指示のもと、自由に何でも発言できる雰囲気づくりを大切にしています。課題をあたえた後、数分間席を離れて自由にディスカッションする時間をとることもあります。1年生のころから、「私は〇〇だと思います。なぜかというと…」というように主張に根拠を伴わせた発表方法を教えるとプレゼンテーションが上手になります。
忙しい学校現場で働いている読者の先生方が、授業の様子をイメージしやすくするためです。紙面の都合で生徒とのやりとりを省いた部分もありますが、生徒の興味を引き出し、考えさせるような授業展開を緻密に考えたので、教師の発言を順序通りに進めていけば、経験の浅い先生でもアクティブな授業が再現できるはずです。
地域的特色が、なぜみられるようになったのかを教師がしっかりと調べておくことが大切です。地域固有の現象には、その背景に自然環境や、歴史的背景、他地域との結び付き等の要因が関係しています。これらを教師が理解したうえで、生徒が興味をもつような問いや作業、そしてそれをどう組み合わせるのか、順序を考えます。
○○を伝えたい、○○について考えさせたい、○○に関して興味をもたせたい。等、「その授業のねらいは何か」を教師が明確にもつことが大切です。これをふまえたうえで、ねらいを実現するためにはどんな学習方法をとったらよいか考えます。1時間の授業だけでなく、単元全体を見通して、ねらいと学習方法を考えることも重要です。
教師が何について意見を言わせたいのか、論点を絞り、生徒に明確に伝えることが大切です。そのためには、教師自身が論題についての予備知識を十分に身につけておく必要があります。議論の展開を事前に予想しておき、脱線したらさりげなく修正します。いきなり討論させるのではなく、論題について興味をもたせておくことも重要です。
本書は、どこにでもある、ふつうの公立中学校の教師が日々行ってきた授業実践をまとめたものです。忙しい仕事に追われながらも、「少しでも生徒の興味をひきだし、目を輝かせるような授業を行いたい」と考えている全国の仲間の先生方に使っていただければ、これにまさる喜びはありません。