著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
算数のノートを通して学級全員つながろう!
沖縄県公立小学校教諭友利 久美子
2015/6/12 掲載
 今回は友利久美子先生に、新刊『学級全員グングン伸びる! 3ステップ算数ノート指導法』について伺いました。

友利 久美子ともり くみこ

琉球大学大学院教育学研究科学校教育専修在学
沖縄県公立小学校教諭

―本書では、「授業ノート」「家庭学習ノート」「算数交換日記」という3つのステップで、表現力や思考力を伸ばすことが提唱されています。このうち「算数交換日記」とはどんなものなのでしょうか。

 算数交換日記は、5人ほどのグループ(班)で共有するノートで、家庭学習ノートで自分の中に落とし込んだ考えや思考の過程を、輪番で友だちに説明していくためのものです。
 既習とのつながり、今日の授業での学びとのつながり、そして何よりも友だちとのつながりを実感しながら、学級全員で算数が大好きになっていきます。子どもたちの思考や表現、思いやりの気持ち、成長していく姿が詰まった学級の宝物です。

―本書では、算数が苦手な子のがんばりも、実際のノートとともに克明に記録されています。苦手な子にとっては、ノートを書き続けるだけでも大変なことだと思いますが、友利先生はどのように指導されたのでしょうか。

 子どもたちは個性豊かで一人ひとり違います。子どもたちの実態を把握し、よいところはどこか、困っている原因は何かを一人ひとりと話し合い、ゴールの姿や手だてを一緒に考えるようにしています。大切なのは、努力や成長を一緒に喜び、次のステップアップにつなげる励ましや手だてを伝えることだと思います。やはり、担任は子どもの一番の応援者です!

―本書で紹介されている実践は、子ども同士の積極的な学び合いに支えられています。高学年ともなると、子どもたちをかかわらせるのは簡単ではないと思いますが、うまくいくコツを教えてください。

 学び合いの関係は、教師と子どもの間から始まると思います。教師が子どもと共に学ぶことや子どもから学んでいることに気づくことが第一歩。授業や日々の学校生活の中で教師がそのような姿勢を見せれば、子どもたちも自然にお互いのよさから学んでいき、支持的な空気のある学級がつくられていきます。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いします。

 「授業ノート」「家庭学習ノート」「算数交換日記」には、めまぐるしく成長する子どもたちの姿と充実した学びの記録が詰まっています。このような記録を目にすると、「教師になってよかった〜」と実感します。
 本書を参考に実践していただければ、読者の先生方にも新しい宝物がきっとできるはずです。

(構成:矢口)
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