- はじめに
- 序章 授業ノート,家庭学習ノート,算数交換日記
- 3つのステップで思考力を伸ばそう!
- @授業が終わっても討論を続ける算数好きを育てたい!
- Aノートの種類とその役割
- コラム 授業記録掲示コーナーをつくろう!
- 1章 ステップ@ 授業ノート
- @板書の基本形をつくる
- A授業ノートの基本形をつくる
- Bノートの充実につながる授業づくりの工夫
- コラム 言葉をつなぎ,思考をつなぐ
- レポート ノートから垣間見える理想の子ども像
- 2章 ステップA 家庭学習ノート
- @家庭学習のねらい
- A授業ノートとの連動
- B家庭学習ノートにかかわる指導の進め方
- C家庭学習ノートのバリエーション
- コラム 家庭学習を下支えする取り組み
- レポート ICT機器を活用してノートの共有を図る
- 3章 ステップB 算数交換日記
- @算数交換日記は学級の宝物
- A算数交換日記の取り組み方
- B算数交換日記のルール
- C算数交換日記のつくり方
- D仲間とのつながりの中で成長していく算数交換日記
- E算数交換日記を通じたある子どもの成長
- F算数交換日記に取り組んだ子どもたちの感想
- レポート 算数交換日記を通して自己肯定感をはぐくむ
- 4章 3つのノートと学級づくり
- レポート 友だちとの学び合いで伸びる子どもたち
- 5章 授業改善ノート 3つのノートを支える第四のノート
- @3つのノートを支える第四のノート
- A授業改善ノートの概要
- B授業改善ノートの実際
- コラム 先生だって負けないぞ!
- 6章 授業ノートと子どもの成長 ノートの充実が学習態度を変えた!
- @説明名人の友だちから学ぼう
- A家庭学習ノート充実の秘密は授業ノートにあり
- Bノートの充実が学習態度も変えた!
- C授業ノートの目覚ましい進歩
- 7章 家庭学習ノートと子どもの成長 家族に支えられて
- @5年生最後の宿題
- A授業ノートの進歩
- B家庭学習ノートの成長と家族の支え
- 8章 算数交換日記と子どもの成長 仲間に支えられて
- @グループの仲間が伝えてくれた,せあんさんのがんばり
- A成長を支えた仲間の存在
- B授業の中でのがんばり
- 終章 みんなのピカイチノート
- おわりに
はじめに
「自ら将来をたくましく切りひらく人に育ってほしい」
「互いの個性を大切にしながら高め合える人になってほしい」
「問題に直面しても,投げ出さず,豊かな発想と粘り強い努力で状況を創造的に打開する人になってほしい」
このような願いから,算数の授業と連動して「授業ノート」「家庭学習ノート」「算数交換日記」という3ステップの取り組みを始めました。
様々な個性や家庭背景をもった私の学級の子どもたち。
私が目指す算数の授業は,子どもとともに歩む授業。それは,わからないことからわかることへ,つまずきから理解へと深まっていく授業です。子どものつまずきがあればこそ豊かな学びが生まれます。
はじめて本時の学習内容に触れると,そこには必ずわからないことがあり,そのわからないことをわかろうとする道のりに様々な学びがあります。この3つのノートには,「わかった」「できた」「もっとやりたい」といった子どもたちの成長の足跡が刻まれています。同時にそこには,子どもたちとともに歩んだ私自身の足跡を認めることができます。
私が,その足跡とともに,この3ステップの取り組みを提案したいと願うようになった背景には,いくつかの出会いがあります。
まず,子どもとともに学ぶ先生方との出会いです。沖縄県立総合教育センターで算数の主事をされていた木眞治先生。研修員であった私に,子どもとともに学びを愉しみ,成長していくことが,授業の核であることに気付かせてくださいました。
次に,目指す授業像との出会い。私の授業づくりを変えることとなったのが,筑波大学の礒田正美先生の著作『思考・判断・表現による「学び直し」を求める算数の授業改善』です。友だちの考えに共感や矛盾を見つけながら考えを深めていく授業づくり,課題を解決するプロセスを大切にする授業づくり,算数って愉しいと思える授業づくりはこの本から教わりました。
そして何よりも,目指す授業をともに実現してくれる子どもたちとの出会いです。
「授業ノート」は,新たな問題に出会った際のひらめきや気づき,友だちとの考えの交流を通して気付いたことなどを記録するためのノートです。
「家庭学習ノート」は,今日の授業を家に帰って再生し,考えを整理して学習内容を定着させるためのノートです。
「算数交換日記」は,グループで共有するノートで,家庭学習ノートで自分の中に落とし込んだ考えや思考の過程を,輪番で友だちに説明していくためのものです。
授業で友だちと思考を共有する。家に帰ってからそれを再生,定着させる。さらに,授業や家庭学習での学びを学級の仲間につなぐ。この3ステップの取り組みを通して,学級の子どもたち全員の思考力,表現力がぐんぐん伸びていきます。
2015年4月 /友利 久美子
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- 明治図書
- ノートまとめについて研究しているところ、読んでみました。とても参考になります2020/1/1920代・小学校教員
- 子どもが伸びる様子が具体的にわかり、とても勉強になった。2017/8/1140代・小学校教員
- 中学校数学教師ですが、そのまま使える部分やヒントになる部分もあり、参考になっています。2017/4/2550代・中学校教員