二重括弧の『学び合い』は、理想ではあるけれど、どう実践していいかわからない。あるいは、やってみたけれど上手くいかない。そんなふうに悩んでいる先生が大勢いると思います。
本書は、一足先に多くの迷いと失敗を繰り返してきた「先達」の実践知をまとめたものです。悩んでいる先生の力になれれば幸いです。
ごく単純に言えば、「自分を尊重してもらうなら、相手を尊重するのが実は一番手っ取り早い」ということなのです。この方針を先生が示して、一定の児童生徒がそれに賛同すれば『学び合い』の成立と言えます。
あとは、この方針を「学力向上」や「いじめ予防」などの具体的な状況に当てはめて、みんなでそれを目指していくのです。
本書は悩んでいる先生のための本なので、冒険はしません(笑)。
一番安全なのは、まずは先生自身が「一人も見捨てない」という方針に従って行動して、その良さを実感することです。表現は「見捨てない」でも何でもいいのですが、先生がこの方針に自信が持てないと、子ども達も迷ってしまうことになります。逆に、納得できれば、何からでも始められると思います。給食指導や清掃指導から始めるのもいいかもしれません。
文科省が「アクティブ・ラーニング」で求めていることは、かなりの部分を『学び合い』でカバーできると思います。社会に出て直面するような正解のない問題に挑んでいくためには、他者との協働が不可欠です。これからは、それができる人を育てていかなくてはなりません。
本当は、『学び合い』を実践して、悩まない人なんていないのです。その悩みに正対し、ご自身の状況に即して考えていくしかありません。
実践者とリアルにつながれる人は、どんどん相談してください。すぐにつながれる人が周りにいない方のために、本書を作りました。つい最近も、ある実践者から「いい本だけど、私が始めた2年前に出してほしかった」と言われました(笑)。一緒にがんばりましょう。
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- 一教師
- 2015/8/25 4:41:42
具体的には、どのような実践なのでしょうか。