まずは、学習指導要領の解説をきちんと読むことからだと思います。最初から読むと挫折するかもしれないので、自分が一番必要としている部分を探し出して、そこから読んでもよいと思います。他の学校の先生方と「月1回、お菓子を持って集まる『解説編』読書会」のようにしたら楽しいし、実際の授業の悩みも話せますよね。その中にひとり指導的な立場での発言ができるような、ベテランの先生が入っていると完璧です。
「まず自分の考えを書いてみて」と書かせて、先生はとにかく机の間を動き回って読む!そして「あ、そういう考え方もあるねー」「大人だー!」「うぷぷ」などと独り言を言いながら教室を二巡くらいします。すると生徒たちは「『大人だー!』なんて、いったいあの子は何を書いたのだろう?」と気になり始めます。そこで、「ちょっと○○さんのを読んでみます」とプリントをその場で持ち上げて、先生が読む!(上手にね)。全員「ほおー!」その子「でへへ」…で空気が変わります。
「おもしろそうなこと」にアンテナをはっておくと、いたるところに授業のヒントが転がっていることに気づきます。本書でも「野外活動センターのお姉さん」になってキャンプファイヤーをやるはめになってしまったエピソードが出て来ますが、キャンプファイヤーのゲームなんて、ヒントの宝庫でした。テレビのバラエティを見ていても「これ利用できる!」は山ほどあります。そして肝心なのは、アイデアがわいたら思い切ってやってみることです。
道徳の授業は、「自分」を表に出していかないといけないので、生徒からすれば、信用できないクラスメイトや感性の鈍そうな教師に対して、うかつに「自分」を出す訳にはいかないのではないでしょうか。普段からお互いに素直な気持ちでかかわることのできる学級でありたいし、私の考えていることも知ってもらいたいと思っています。道徳授業以前に、下地(学級)をしっかりつくらないと、「きれいごと」で終わってしまうので。
私がいつも思うのは「もし自分が中学生だったら」ということ。「この発問で答えられるか?」「この展開で飽きないか?」「この内容項目について『自分もそうしよう』と単純に思えるか?」何年たってもその感覚をなくさずに、あれこれ工夫していくという方法を書いてみました。本書のいろいろなアイデアを、とにかくだまされたと思って実際にやってみてください。「なんとかしたい」という先生の気持ちは、きっと生徒に伝わると思います。
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- 三浦摩利
- 2015/9/13 21:03:00
水登伸子先生、明治図書の「道徳教育」で連載されていた時から、先生の楽しい文章のファンでした。本もすぐに購入し、読ませていただきました。水登先生のように明るく楽しく授業ができるよう頑張りたいと思います。たくさんのヒントを頂きました!!ありがとうございます。 -
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- 橋 一寿
- 2015/9/26 23:27:22
お久しぶりです!いつかは先生の「学級づくり」か「国語教育」かの分野の本が出版されるのでは....と思っていましたが、まさか道徳の分野とは!これまでの学級づくりや国語の授業を観ていれば、道徳もありかな!?『若い先生たち』ではないですが、是非とも購入して読ませてもらいますね。牛田中時代の先生との活動を思い起こしながら、読んでみたいです!